路線価図の見方と計算ポイント~相続税・贈与税の評価額を正しく把握するために

路線価からわかる相続税や贈与税の土地評価額
2025年分の路線価が7月1日に国税庁から公表されました。路線価は土地の相続税や贈与税の評価における基準となる重要な指標です。これは、3月に公表された地価公示を基に算定されており、直近は地価公示の上昇に伴い路線価も上昇傾向にあります。そのため、最近になって税負担が増えたと感じる方も多いかもしれません。なお、建物に対する相続税や贈与税の評価基準は、主に固定資産税評価額が用いられます。
土地および建物の正確な評価額は、不動産の種類(住宅地か商業地か)や用途(自用か賃貸用か)などによって計算方法が異なりますが、おおよその評価額については路線価や固定資産税評価額から算定することが可能です。将来において、相続などによる取得が想定される不動産の相続税評価額を把握しておきましょう。
路線価とは

路線価図にはこんなことも
路線価図には、地価公示や基準地価の標準地も記載されています。例えば、下図には地価公示の標準地を示す「公4」という表示があります。お住まいの地域やご関心のある地域の近くに標準地がある場合は、どのような不動産を対象に価格を算定しているのか、実際に現地を訪れてみてもよいかもしれません。なお、路線価図は、国税庁の公式ホームページから閲覧することができます。

まとめ
路線価の上昇により、土地の相続税や贈与税など、将来における税負担の増加を感じられた方も多いのではないでしょうか。路線価は地価公示を基に算定されているため、直近は地価公示の上昇に伴い、路線価も上昇傾向にあります。
また、路線価図には標準地も掲載されているため、実地調査などを行うことで、周辺地域の地価水準やその推移などを分析することができます。ご家族の所有不動産の相続税評価額や将来の動向などを把握することで、今後の資産管理や相続対策に役立てていただければ幸いです。
記事公開日:2025年10月20日
編集協力:野村プロパティーズ株式会社 塩田 尊理/内山 静江、野村證券株式会社 投資情報部 寺田 絢子
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部