物価上昇時代の「お金の置き場所」の考え方

預金金利と物価上昇率を比べながら考える
最近、食品や日用品、光熱費など、身近なものの値上がりを感じる場面が増えています。
同じものを買っているつもりでも、「以前より支出が増えた」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
物価が上がる時代には、「お金がいくらあるか」だけでなく、「そのお金で将来どれくらい買えるか」という見方も大切になります。
特に、物価上昇率が預金金利を上回る状態では、預金残高が減っていなくても、お金の実質的な価値は少しずつ目減りする可能性があります。
もちろん、預金には「安全性が高い」「すぐに使える」という大切な役割があります。預金が不要になるわけではありません。大切なのは、お金の目的に合わせて置き場所を考えることです。

お金は「使う時期」で分けて考える
お金の置き場所を考えるときは、まず「いつ使うお金か」で分けると整理しやすくなります。
- 1. 生活に使うお金
- 毎月の生活費や、急な支出に備えるお金です。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費、医療費、冠婚葬祭費などが含まれます。
このお金は、必要なときにすぐ使えることが大切です。普通預金など、出し入れしやすい口座に置いておくと安心です。目安は人によって異なりますが、生活費の数か月分を確保しておくと、急な出費にも対応しやすくなります。 - 2. 使う予定がはっきりしているお金
- 数年以内に使う予定があるお金です。
住宅購入の頭金、車の買い替え、子どもの進学費用、リフォーム費用などが考えられます。
使う時期が近いお金は、価格変動が大きい金融商品に充てると、必要なタイミングで使いにくくなることがあります。預金や比較的値動きの小さい金融商品を中心に考えるとよいかもしれません。 - 3. 使う予定のないお金
- 10年、20年先の老後資金や、将来のゆとり資金など当面は使う予定のないお金です。
すぐに使う予定がないお金については、物価上昇に備えるため、一部を投資に回すことも選択肢になります。
投資には値動きがあり、元本が減る可能性もあります。そのため、「必ず増やす」というより、「長い時間をかけて物価上昇による購買力低下に備える」という考え方が大切です。無理のない金額で、分散しながら考えることが基本になります。
当面使わないお金の置き方
投資にお金を回す際、「どのような割合で投資すればよいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
100-年齢=株式などのリスク資産に投資する割合(%)
資産配分を考える際の一例であり、特定の配分を推奨するものではありません
資産配分を考える際の目安の一つに、「100-年齢」という考え方があります。例えば40歳の場合、100-40=60となり、投資に充てる金融資産のうち60%を株式などの相対的に価格変動が大きいリスク資産に、残りの40%を預金や債券などの相対的に価格変動が小さいとされる資産に配分する、という考え方です。近年では、長寿化や定年延長を背景に、より長期の運用期間を見据えて「110-年齢」という考え方もあります。
ただし、これはあくまで目安の一つであり、すべての方に当てはまるものではありません。実際の配分は、収入や資産状況、投資経験、投資目的、リスク許容度などによって異なります。若い時期は長期的な視点で資産形成を検討し、年齢を重ねるにつれて安定性を重視するなど、ライフステージに応じて定期的に見直していくことが大切です。
まとめ
物価が上がる時代には、預金の金額だけでなく、「将来の購買力」を意識することも大切です。
預金は生活を守るために必要な一方、当面使わないお金については、物価上昇に備える置き場所を考えることも選択肢になります。
まずは、生活に使うお金、使う予定がはっきりしているお金、使う予定のないお金に分けて整理してみましょう。
「今の置き場所でよいのかな」と感じたときは、家計や資産の状況を一度確認し、気になる点があれば身近な金融機関の担当者などに聞いてみるのもよいきっかけになります。
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2026年7月28日


