政策金利って何？私たちの暮らしへの影響とは
最近、ニュースで「日銀の金融政策」「利上げ観測」といった言葉をよく聞きます。これらは私たちの日常生活に直接関わってくる大事な話です。このコラムでは、日本銀行（以下、日銀）の政策金利1が私たちの暮らしにどのような影響をもたらすか、わかりやすく説明します。
1本コラムでは「政策金利」を日銀が決める基準金利、「金利」を預金や住宅ローンなど家計に関わる利率の総称として使います。
政策金利って何？
政策金利とは、中央銀行（日本では日銀）が金融機関同士の短期資金の貸し借りについて示す目安となる金利です。日銀はこれを引き上げたり引き下げたりして金融政策を行います。ニュースなどで「日銀が何％の利上げを決定」などと報じられる場合は、通常、無担保コール翌日物誘導目標2の金利を指します。日銀は、景気が良すぎて物価上昇が大きくなりすぎると利上げをして景気の過熱感を抑え、景気が悪ければ金利を下げて景気を刺激することで金利を調整し、物価の安定を図っています。
2無担保コール翌日物誘導目標：日銀が「短い期間で銀行同士が担保なしでお金を貸し借りする取引（翌日物コール）」の金利を目標として決め、その水準に合わせるよう市場で調整する仕組みです。日銀がこの金利を動かすと、銀行の貸し出しや他の金利にも影響が出るため、実際の政策金利として重要な役割を持ちます。
政策金利の変化って家計にどう影響するの？
日銀が利上げをすると、、最終的に私たちの生活に影響を及ぼします。ニュースで耳にする「利上げ」「利下げ」という言葉は、簡単に言えば日銀が決める政策金利が変わり、それが最終的に住宅ローンや預金などの金利に影響することを意味しています。具体的にどのように家計に影響するかを見てみましょう。
利上げが家計にもたらす変化
政策金利の変更で金利が上がると、住宅ローンを組んでいる人にとっては負担が増える場合があります。変動金利で住宅ローンを組んでいる人にとっては、毎月の返済額が増えるなどの負担増になります。一方で、銀行預金の金利は上がるので、預金残高がある人には嬉しいニュースです。
反対に金利が下がると、変動金利の住宅ローンでは毎月の返済額が減る傾向にあります。また、生活資金やライフイベント資金が確保できていれば繰り上げ返済をして、返済期間を短くできることもありますので良いニュースと言えます。ただし、銀行預金の金利が下がると利息が少なくなるため、預金を重視する人は喜べない場合もあります。
まとめ
「政策金利が上がった」「利上げはいつ？」といったニュースは、私たちの生活に深く関わっています。政策金利が変わると、住宅ローンや預金の金利などに影響することがあります。まずは金利の動きに関するニュースに注目してみましょう。知っているだけで、家計の判断に役立つことが多いはずです。
編集／文責：野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日：2025年12月12日
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