【3分で読める】リスク低減の3つの考え方 その2「長期投資」

投資リスク低減の3つの考え方: 3-2 長期投資
投資のリスク((リターンのブレ)の低減と、より安定したリターンの獲得を目指す、3つの投資手法を見ていきます。
2つ目は、長期投資です。以下は、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券の4資産への均等分散投資ポートフォリオ〔ご参考:3-1〕を、1年間・3年間・5年間・10年間・20年間と、保有継続期間を長期化した際の、年当たりのリターン(運用成果)を示しています。
長期継続保有によるリスク低減の例(4資産均等分散投資)

長期投資はリスク低減とリターンの安定に寄与する
4資産への均等分散投資(ポートフォリオ投資)であっても、保有期間が1年間限りと短いならば、運用成績には大きなブレとなる変動が認められます(リスクが高い)。最も成績の良かった年は、3割を超えるリターンが確認される一方、最も成績の悪い年は、2割を超えるマイナスリターンが確認され、不確実性が高いとわかります。
しかし、継続投資期間を1年から3年、5年、10年、そして20年とだんだん長くしていくと、この計測期間内においては、図のように不確実性となるリスク(リターンのブレ)も、だんだんと低減されていくことが分かります。このことは、リターン獲得の安定度も向上することと理解することができます。
短期間の変動をもとに投資の是非を判断すると、投資対象が本来有する成長リターンの獲得はしにくいものとなります。しかし、この事例のように、継続投資期間を長期にすることで、年平均の投資のリターンは、本質的なリターンの水準へ近づく傾向があると、考えることができるでしょう。これが長期投資によるリスク低減効果です。
一般的に、20年は相当な長期間ですので、もっぱら若い世代向けの投資手法だと捉える方が、多いようです。
しかし、仮に60歳の方の場合でも、20年後はまだ80歳とも言えます。長期投資によるリスク低減効果の活用は、人生100年時代に向けた資産寿命の延長のための、ひとつの対応策として考えることができましょう。
編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 田中 政広
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2024年3月3日