【3分で読める】リスク低減の3つの考え方 その3「積立投資」

投資リスク低減の3つの考え方: 3-3 積立投資
投資のリスク(リターンのブレ)の低減と、より安定したリターンの獲得を目指す、3つの投資手法を見ていきます。
3つ目の考え方は、購入価格が平均化される、積立投資(ドルコスト平均法)です。
積立投資(ドルコスト平均法)と一定口数購入法の比較例(株式)

積立投資は投資タイミングの分散
積立投資は、基本的に一度にまとめて投資せず、一定金額ずつ、予め決めた投資タイミングで、継続して投資します。規則的な投資の大きな特徴は、「恣意的な投資判断が介在しない」点にあります。
比較対象として、毎月定量購入の場合〔下段〕を見ます。一般的に、株式は、株数単位での購入です。確認用の例として、毎月10株単位ずつの定量購入で考えますと、1000円で10株の購入では、投資金額は10,000円です。同様に、600円の時は投資金額は6,000円、1200円の時は12,000円です。
すると、株価が高い時に多くの投資資金を投入し、逆に安い時には安い時は少しの投資資金しか投入できないことなります。この一定口数購入法は、資産形成の観点からすると、有利な投資手法とはいえないでしょう。
次に、毎月一定金額購入の場合〔上段〕を見ます。この例では毎月10,000円分ずつ、同じ株式を購入するものとします。購入する株数は、その時々の株価で割り出し逆算した株数を買えるだけ買う、という計算となります。
株価が1,000円の時に10,000円分購入すると、逆算して10株の購入となりますが、同様に、600円の時は購入株数は16.67株となり、1,200円の時には購入株数は8.33株となります。つまり、安い時には自動的に多くの株数を買付け、高い時には自動的に少ない株数を買付ける投資方法となります。これがドルコスト平均法です。
新NISAのつみたて投資枠での購入、あるいは確定拠出型年金などは、この積立投資の手法に基づく制度設計となっており、資産形成に向いた投資手法であることが確認できるのではないでしょうか。
編集協力:野村證券株式会社 投資情報部 田中 政広
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2024年3月3日