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職場つみたてNISAとは?新しい福利厚生制度の選択肢

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NISAが「職場でできる」時代へ―職場つみたてNISAが映す、資産形成の新しい入口

2014年にスタートした「少額投資非課税制度(NISA)」は、2024年の制度拡充や、物価上昇が続く昨今の環境も相まって、世間の関心が高まっています。以前に比べて、「NISA」という言葉をニュースや会話の中で見聞きする機会が増えた、と感じる方も多いのではないでしょうか。
そうした中、職場の福利厚生制度として会社員がNISAを活用できる、「職場つみたてNISA」という制度が台頭してきています 。本コラムでは職場つみたてNISAの概要やポイントを、アンケートデータを交えて解説していきます。

職場つみたてNISAとは:会社が福利厚生制度として「導線」を整えるNISA

職場つみたてNISAとは、職場という身近な場を通じてNISAを利用した資産形成ができるよう、会社が従業員を支援する福利厚生制度です。
制度内容や税制メリットそのものについては、通常のNISAと大きな違いはありません。設定されるNISA口座についても個人名義の口座であり、口座開設から購入する商品・金額の設定、そして継続・変更・中止の判断は本人 が行います。
そんな中で会社員にとっての職場つみたてNISAのメリットは、以下があげられます。

  1. 「続けやすさ」
    :給与天引きなどで、積立投資が仕組み化されていること
  2. 「選びやすさ(安心感)」
    :会社が既に金融機関を厳選しているため、自分で一から比較検討して迷ったり、ネット上の偏った情報に振り回されたりしにくいこと 。運用商品を選ぶ際も同じラインナップなので、同僚と相談しながら検討することもできる
  3. 「奨励金によるサポート」
    :福利厚生として、会社によっては、自身の毎月の掛金に上乗せで奨励金が付与されるなど、資産形成を手厚くサポートするプランが用意されている場合があること

制度の詳細は、お勤め先やお勤め先が契約する金融機関によって異なる場合があります。

上記に加えて、会社は従業員に対して正しく制度を理解し活用してもらうために、契約金融機関による説明会や情報提供が行われていることも多いようです。
特に自分自身で調べてNISAを始めるには不安という方にとっては、職場の福利厚生制度としてNISAを活用できることは良い機会だと言えます。
また、離職・転職の際は上記1~3のベネフィットはなくなりますが、継続してそのNISA口座で拠出・運用し続けることができます。

普及の背景:個人の資産形成として「習慣化」しつつある、NISAでの積立投資

職場つみたてNISAは2017年から始まった制度ですが、昨今注目されている背景を考察します。

それは、2024年以降のNISAの広がり方を見ていくと、特徴のひとつは「積立(定時拠出)」が中心になっている点です。野村資産形成研究センターが2025年に従業員約1万人を対象に行ったアンケートでは、NISA利用者のうち、つみたて投資枠の利用者が83%と多数派でした。これらの数字から、NISAを活用した積立投資が一部の特別な人の行為ではなく、資産形成の方法としての1つとして国民に定着してきていることがうかがえます。

「ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)」をめぐる実態を把握するため、野村資産形成研究センターが毎年実施しているアンケート調査。従業員数1,000人以上の上場企業に勤務する従業員約1万人を対象に、金融リテラシーや勤務先の福利厚生制度、資産形成への意欲などさまざまな観点から回答を得ている。2025年調査には1万1145人が回答。

NISA利用者の利用状況を示す円グラフ
出所:ファイナンシャル・ウェルネスアンケート(2025年実施)より野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部作成

さらに職場つみたてNISAを活用すれば、「職場という身近な場で、NISAの口座開設等の手続きのサポートやさまざまな情報提供が得られ、NISAを用いた積立を始めやすく継続できやすくなる」ということが注目されている背景と思われます。

職場つみたてNISA利用者の傾向

実際に同アンケートでは、職場つみたてNISAを利用している人は、そうでない人(個人でNISA口座を開設した人も含む)と比較して「物価や資産運用に関する情報収集」が一層できているという結果が出ており、上記の証左となっています 。

制度利用者別に見る「物価・資産運用に関する情報を収集している」と回答した人の割合を示す棒グラフ
出所:ファイナンシャル・ウェルネスアンケート(2025年実施)より野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部作成

前述した通り、職場つみたてNISAを導入している会社は、従業員に対して説明会や情報提供を行うことも多いようです。職場つみたてNISAの利用者はそのような機会も活用しながら、自発的にお金に関する知識や正しい理解を得ていると推察できます。

おわりに

世間の関心が高まっているNISAは、個人が自主的に取り組む資産形成の枠組みを超えて、企業の福利厚生として活用され始めていることをご紹介しました。職場つみたてNISAの広がりは「会社の制度が増えた」という話にとどまらず、企業が従業員の資産形成を支援することがスタンダードになりつつあることの表れと言えるでしょう。そして多くの人にとっては、そもそも金融・経済の知識を体系的に学ぶ機会が少ない中で、制度導入や加入検討をきっかけに会社で必要な知識を学ぶことができるという点においても、本制度は今後より一層注目を集めそうです。

まずは自社の制度内容を確認し、自分に合った無理のない範囲から検討してみてはいかがでしょうか。職場つみたてNISAという「入口」の広がりを、是非ご自身の資産形成を考えるきっかけとして捉えてみてください。

文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部

記事公開日:2026年2月12日

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