
- (写真左から)
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榎戸 教子 氏
キャスター
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山口 卓哉
ソリューション担当 経営役
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渡 達也
本店プライベート・ウェルス・マネジメント 部長
この記事は、日経ビジネス電子版に2025年6月13日から掲載した広告記事を日経BPの許諾を得て掲載しております。
連載第3回となる今回は、野村の金融の枠を超えた最適なポートフォリオを組む力を解剖する。野村ではお客様の課題を解決するために、営業担当者であるパートナーと本社の専門部署・外部提携機関が連携し、高度なソリューションを提供し続ける体制が構築されている。ソリューション担当 経営役の山口卓哉氏と、本店プライベート・ウェルス・マネジメント 部長の渡達也氏に、キャスターの榎戸教子氏がその舞台裏を聞いた。

榎戸教子氏(以下、榎戸)本日は、野村の金融の枠を超えた最適なポートフォリオを組む力について深掘りしていきたいと思います。渡さんは普段どのようにお客様と接しているのでしょうか?
渡達也氏(以下、渡)私たちの部が担当するお客様は、上場・非上場企業の企業オーナー様が中心です。オーナーファミリーの資産は、多くの場合、様々なアセットクラスで構築されています。またご相談いただくニーズも資産運用や資産承継対策だけでなくレジャーや社会貢献など様々です。私たちは、金融資産のポートフォリオへのアドバイスだけにとどまらず、様々なニーズやお悩み、課題を共有し、お客様の思いの実現に向けてお役に立てるよう、プライベートの伴走者という心づもりでお客様と接しています。お客様と会話していると、時にお客様ご自身も認識ができていないニーズや、現状の資産構成によって生じる潜在的なリスクの輪郭がはっきりしてくることもあります。私は、お客様の課題を発見して、それに沿ったソリューションを提供することでお役に立ちたいと考えています。
榎戸お客様のニーズが多様化する中で、どのようにして課題を発見していらっしゃるのですか?
渡お客様の状況やご意向をまず理解することが大前提であり、お客様の目指すゴールを理解することで、潜在的な課題の発見やご提供する情報の精度が向上します。そのためにお客様の経歴、著書などの公開情報を把握するのはもちろんのこと、会話を通してお客様の価値観に触れることでより理解を深めるように心掛けています。また、お客様の価値観は、金融資産や運用方針だけでなく、ご家族への思いや、実現したい夢などのふとした会話の節々に表れます。これらの中で発見した課題に合わせて、ご提案する内容には、お客様の価値観を十分に反映させたいと考えています。

山口卓哉氏(以下、山口)課題発見は、私も非常に重要だと思っています。しかし、重要な課題を発見して解決ができるソリューションをご提案しても、お客様との信頼関係が構築できていなければ受け入れていただくことはできないでしょう。課題発見の解像度を上げていくことと同時に、お客様とのやり取りを通じて信頼関係をしっかりと構築していくこと、その両方を推し進めていくことが大切だと考えています。
榎戸お客様のご家族も知らないことをご相談されることがあると伺いました。
山口お客様から「山口さん一人で来てほしい」とご連絡をいただく時には大事なお話をされることが多いですね。例えば「会社を売却しようと思うんだよね。どうしたらいいと思う?」といった誰にも話をされていない内容のご相談をいただくこともあります。
渡そういった時に最初に声をかけていただける関係性を日頃から築いておくことが大切ですよね。
榎戸やはり、お客様との信頼関係が大事なわけですね。パートナーがお客様の課題を発見した際、本社ではどのような対応をされるのでしょうか?
山口案件によっては本社社員もお客様のもとへ同行し、課題の解像度を上げていきます。その後、解決に向けたアクションがスタートします。野村のサービスメニューになくても、あくまでお客様の課題解決を第一義としてソリューションを検討、ご提案をします。

渡個別のお客様のために開発したソリューションの中には、他のお客様にも有用なケースが多くあり、それを迅速にサービスメニューに取り入れています。つまり、山口がお話ししたようなお客様のニーズを起点としたソリューションが、現在のサービスメニューにつながっているのです。
山口例えば、15年ほど前に不動産に関するソリューションを開始しました。お客様の資産全体をサポートする際に、不動産について相談いただく場面が多くありましたが、当時は不動産に関するソリューションの取扱いがなかったため、専門部署を設立しました。その後、グループ会社を含む不動産会社との提携関係の構築やライセンスの取得などを進めて、不動産に関する提案力を磨いてきました。現在では不動産を含む資産全体についてのご提案ができるようになっています。
榎戸サービスメニューになくてもまずは、どうやって一緒にできるかを考えるのですね。
山口野村にはお客様のニーズに立脚した思考が重要だというカルチャーがあります。本社であらかじめ決められたものをお客様へご提供するのではなく、お客様のニーズを実現するために最適なソリューションをご提供するというスタンスです。
榎戸お客様のご要望に常に向き合っているのですね。では、本社としてはいかにして高度なソリューションを提供し続けているのでしょうか?
山口私たち本社は、野村のR&D(研究開発)を担う“ラボ”のような機能です。ソリューション開発のために様々な研究を行い、開発と検証を繰り返しながら新たなサービスやビジネスを創出しています。その一例が寄付ニーズへの対応です。経済的な成功を社会に還元する意識から私財を投じて財団を設立するお客様も多くおられて、その支援を通じて財団設立や運営コンサルティングをサービスメニューとして確立しました。また、社会貢献への意識を持つお客様が広がる中で、オーダーメイドで基金を設立する仕組みもご提供しています。寄付そのものが当社のビジネスにはなりませんが、お客様の思いに寄り添ったソリューションを提供し、信頼を獲得することで、個人の資産、財団や基金の資産管理をお任せいただくことにつながっています。
野村のパートナーはお客様のニーズを把握するとその解決に向けて奔走します。日々、本社にはパートナーを介して多くのニーズが寄せられて、個々のソリューション提供や、ニーズが多いテーマに対する新たなソリューション開発が進められています。このためには幅広い分野の専門人材を擁する必要がありますが、野村は大きなリソースを割くことで、お客様に納得していただけるソリューションをご提供し続けられます。このプロセスを通じて、R&Dのレベルも上がっています。
榎戸パートナーと本社が連携をしながら、お客様の課題に応えようとするスタンスが、新たなソリューション開発につながるのですね。
