
ファイナンシャル・ウェルネス
(お金の健康度)アンケート
(2023年実施)
―上場企業従業員1万人の声― Financial Wellness survey
- 株式報酬供与者の特徴
昨今日本においても、役員や従業員に株式報酬を供与することで、インセンティブ効果、経営参画意識の醸成や業績へのコミットメントの強化、株主との目線の一致等を図る企業が増加傾向にあります。本アンケートでは、そうした株式報酬のファイナンシャル・ウェルネスへの影響について検証しました。
年代別・年収別の特徴について
年代別では、若い世代の方が株式報酬を供与された経験がやや高い傾向は見られたものの、目立った差異は見られませんでした。
年収別で見ると、年収が高い人の方が、株式報酬を供与された経験の割合が高い一方で、調査対象全体や供与の経験の無い人との大きな差異は見られませんでした。
お金・経済面への安心感について
株式報酬供与の経験者は、現在順調の割合が73%と、経験の無い人の52%を大きく上回りました。また、将来について安心との回答も53%と、経験の無い人の33%に比べ高い水準となり、株式報酬供与の経験の有無とファイナンシャル・ウェルネスには一定の相関関係が見られました。
勤務先の福利厚生制度のラインナップについて
株式報酬供与の経験者は、特に持株会や職場つみたてNISA、iDeCoの利用度が、株式報酬供与を経験していない人に比べて高い傾向が見られました。
持株会の奨励金が引き上げられた場合について
持株会の奨励金が引き上げられた場合、株式報酬供与の経験者は、「拠出を増額する」との回答が54%、「加入する」の10%も加えると64%に上り、供与の経験の無い人に比べ、感度が高い結果が見られました。
勤務先の福利厚生制度へのサポートについて
株式報酬供与の経験者は、外部専門家によるセミナーや個別相談会、オンラインツールの利用率が、経験の無い人や調査対象全体に比べ高く、会社によるサポートを積極的に活用している傾向が見られました。
資産形成に関する相談相手・情報源について
株式報酬供与の経験者は、資産形成の主な相談相手・情報源として、「勤務先の同僚や上司」、「家族または勤務先以外の知人・友人」、「勤務先の人事などの担当部署」等が上位に挙げられました。また、相談等はしないとの回答はわずか18%と、供与の経験が無い人の35%に比べ低く、何らかの形で相談や情報収集を行っている傾向が見受けられました。
金融リテラシーについて
金融リテラシーについては、株式報酬供与経験者における全問正解者の割合は11%と、供与経験の無い人よりも低い結果となり、株式報酬の供与の有無と金融リテラシーとの間には相関関係が見られませんでした。他方、株式報酬供与経験者における全問不正解者も8%と、経験のない人に比べて低い結果となり、人によって知識に差がある可能性も示唆されました。
勤務先への誇り、仕事の生産性、人生への満足度について
「勤務先の社員であることを誇りに思う」、「一日を通して、仕事に必要な活力を維持できている」との回答がそれぞれ82%、77%と、経験のない人の65%、62%に比べて高い傾向にあり、株式報酬供与と生産性、エンゲージメントには相関関係が見られました。
転職希望について
株式報酬供与の経験者は、転職希望の割合が他に比べやや高く、その理由が「昇進・キャリアアップが望めないから」が第1位と、調査対象全体や株式報酬供与の経験の無い人が転職理由の第1位に「給与が安いから」を選んでいるのとは異なる傾向が見られました。