第4回ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート(2024年実施)―上場企業従業員1万人の声―
第4回
ファイナンシャル・ウェルネス
(お金の健康度)アンケート
(2024年実施)
―上場企業従業員1万人の声― Financial Wellness survey
新NISA利用者の特徴

本レポートでは、職場の外で行われている資産形成の実態について把握するべく、2024年に制度が大幅に拡充され注目を浴びている新NISAにフォーカスし、現在の利用状況や、新NISA利用者の特徴について検証します。

新NISA利用者と非利用者の割合

全体では新NISA利用者は53%に上りました。

年代別

新NISA利用者を年代別で見ると、10・20代と30代の利用率が共に63%と高く、年代が上がるにつれて利用率が下がる傾向が見られました。

年収別の特徴

年収別で見ると、年収に比例して新NISA利用率が高まる傾向があるものの、多様な層に利用されていることが示されました。特に、年収500万円未満よりも高い年収層では利用率が50%を超えていました。

お金・経済面の安心感

新NISA利用者では、現在「順調」、「まあまあ順調」との回答(合計70%)が、新NISA非利用者の同回答(合計45%)を大きく上回りました。新NISAの利用・非利用を問わず、現在「低調」と回答した主な理由では、「所得が少ない」が最も多い結果でした。新NISA利用者では「資産運用の成果が出ていない」との回答が30%ありますが、これは資産運用に挑戦しているからこそ出てくる回答とも考えられます。
将来についても新NISA利用者の方が「安心」、「少し安心」との回答が合計45%と、非利用者の30%に比して高い結果でしたが、半数以上が将来に不安を抱いている実態も浮き彫りとなりました。不安を抱える理由では、「年金が十分見込めない」が他を大きく上回り、老後のための資産形成支援の重要性も示唆されました。

企業型DC加入者の資産配分

新NISA利用者は、企業型DCにおいても、投資信託を利用している割合が66%と、新NISA非利用者の39%に比べ高く、投資信託を通して積極的な運用を行っていることが示されました。

勤務先以外での資産形成

新NISA利用者は、預貯金の他、投資信託や株式を積極的に利用しているのに加え、ポイント投資の利用も非利用者に比べて高い結果が見られました。他方、新NISA非利用者は、預貯金以外の資産が少なく、また勤務先以外で資産形成を行っていない、わからない、答えたくないとの回答が合計で49%と半数近くに上りました。新NISA利用者の投資のきっかけの第1位はSNS等のインターネット情報でした。

資産形成の相談相手・情報源

新NISA利用者は、75%が資産形成に関して相談等をするとの回答に対し、非利用者は55%と、差異が見られました。相談相手・情報源の特徴としては、新NISA利用者・非利用者共に「家族または勤務先以外の知人・友人」、「勤務先の同僚や上司」が多い一方で、新NISA利用者は、SNSを始めとするネット等での情報収集を行っている割合が、新NISA非利用者に比べ高い傾向が見られました。

職場つみたてNISA

既に新NISAを利用している人でも、職場つみたてNISAが導入されれば利用する、あるいは奨励金がつけば利用するとの回答が56%に上りました。また、非利用者のうち、9%は利用する、20%は奨励金がつけば利用すると回答しており、職場経由にすることで一定の利用意欲が喚起される可能性が示唆されました。

金融リテラシー

新NISA利用者は金融リテラシー設問の全問正解率が21%と、新NISA非利用者の8%と比較して高く、金融リテラシーと新NISAの利用には一定の相関関係が見られました。一方で、新NISA利用者のうち、全問不正解者が6%に上る等、投資にかかわる適切な情報提供を強化する必要性が示唆されました。