
ファイナンシャル・ウェルネス
(お金の健康度)アンケート
(2024年実施)
―上場企業従業員1万人の声― Financial Wellness survey
- 株式報酬供与者の特徴
昨今日本においても、役員や従業員に株式報酬を供与することで、インセンティブ効果、経営参画意識の醸成や業績へのコミットメントの強化、株主との目線の一致等を図る企業が増加傾向にあります。本レポートでは、そうした株式報酬のファイナンシャル・ウェルネスへの影響について検証しました。
お金・経済面の安心感
株式報酬供与経験者は、お金・経済面で現在「順調」、「まあまあ順調」の合計が71%と、株式報酬供与未経験者の54%を大きく上回りました。また、将来について「安心」、「少し安心」との回答も合計52%と、株式報酬供与未経験者の34%に比べ高い水準となり、株式報酬供与の経験の有無とファイナンシャル・ウェルネスには一定の相関関係が見られました。現在「低調」な理由は、株式報酬供与経験者・未経験者共に「所得が少ない」が最多でした。将来「不安」な理由についても、経験者・未経験者共に「年金が十分見込めない」が最も多く、同じような傾向が見られました。
資産形成に関連する福利厚生制度の重視度合い
株式報酬供与経験者は、現在の勤務先への就職・転職を決めた際に、資産形成関連の福利厚生制度を重視した割合が53%と、経験のない人の24%に比べ2倍以上でした。
資産形成の相談相手・情報源
株式報酬供与経験者は、資産形成において、相談等をする人が80%と、株式報酬供与未経験者の62%に比べ高い水準でした。また、主な相談相手・情報源としては、株式報酬供与経験者は「勤務先の同僚や上司」、「勤務先の人事等の担当部署」、「家族または勤務先以外の知人・友人」が上位に挙げられました。特に勤務先の人事等の担当部署を相談相手と回答した人については、株式報酬供与未経験者の回答割合の2倍に上り、福利厚生制度やそのサポート体制を上手く活用していることが示唆されました。
勤務先への誇り、仕事の生産性
「今の勤務先の社員であることを誇りに思いますか」、「一日を通して、仕事に必要な活力を維持できていますか」、「熱意を持って仕事に取り組んでいますか」、「仕事に没頭できていますか」、「同じような仕事をしている人と比べ、生産性が高いと思いますか」との設問に対して肯定的な回答が、いずれも株式報酬供与経験者の方が高い傾向にあり、株式報酬供与と生産性、勤務先への誇りとの相関関係が見られました。