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キャッシュレスの次はカードレス―指輪型端末やカードのないクレジットカードも登場

キャッシュレスの次はカードレス―指輪型端末やカードのないクレジットカードも登場のイメージ

コンビニなどちょっとした買い物でも、現金を使用せずに支払う「キャッシュレス決済」が日常的になっている。ATMから現金を引き出す回数が減ったと感じている人も多いのではないだろうか。

キャッシュレス決済に対応する端末やサービスは多様化しており、将来的にはもはやカードすら必要ない「カードレス」な時代が訪れそうだ。キャッシュレス決済の広がりや、注意点をあらためて見ていこう。

キャッシュレス決済の利用者は9割超えに

日本のキャッシュレス決済比率は、主要各国と比べて低いと言われているが、2021年の調査ではキャッシュレス決済を「よく利用する」と答えた人は56.2%で、前回調査(2020年12月)の43.5%から12.7ポイント増加。「少しだけ利用」していると回答した人を含めた利用率は、前回88.6%から93.3%に達し、利用頻度だけでなく利用者も増えている(図1)

図1:あなたは、キャッシュレス決済を利用していますか。

図1:あなたは、キャッシュレス決済を利用していますか。

出典:株式会社電通 電通キャッシュレス・プロジェクト「コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査」(第2回目)をもとに編集部作成

全国の20歳~69歳の男女500名を対象にしたインターネット調査。2021年12月16日~12月17日に実施。

また、キャッシュレス決済で支払う回数が増えている場所は「コンビニエンスストア」(40.6%)が最も多く、「スーパー・ショッピングモール」(38.5%)と「ドラッグストア」(32.6%)が続いた(図2)。小銭を出す手間がないこともあってか、普段のちょっとした買い物をキャッシュレス決済で支払う傾向を強めているようだ

図2:あなたのキャッシュレス決済回数が増えているのはどこでの支払いでしょうか。

図2:あなたのキャッシュレス決済回数が増えているのはどこでの支払いでしょうか。

出典:株式会社電通 電通キャッシュレス・プロジェクト「コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査」(第2回目)をもとに編集部作成

全国の20歳~69歳の男女500名を対象にしたインターネット調査。2021年12月16日~12月17日に実施。

n=467はキャッシュレス決済利用者

普段の買い物でキャッシュレス決済をする消費者が増えた背景には、消費税率引上げに合わせて導入されたキャッシュレス・ポイント還元事業(2019年10月~2020年6月)の成果が考えられる。ポイントに魅力を感じた消費者の利用が進んだほか、これまで導入が進んでいなかった中小零細の店舗でもキャッシュレスで買い物ができるようになったことが影響したのだろう。また、コロナ禍で生活様式が変わり、人や現金と接触するのは極力避けたいなどの消費者の心理も影響していることが伺える。

キャッシュレス決済のトレンドは「カードレス」に

日本はクレジットカードの保有率が高いが、近年はモバイル決済の利用率が高まっているようだ

普段よく使うキャッシュレス決済手段を聞いた調査で最も多かったのは「モバイルQR決済」(57.8%)、次いで「モバイル非接触決済」(44.6%)となり、いずれも「クレジットカード」(41.8%)を上回った(図3)。スマホのアプリやデバイスを決済端末にかざすだけで支払うことができる、カードレスな支払い(注)が主流となっている。

(注)カードレスな支払い:「モバイルQR決済」「モバイル非接触決済」など、物理カードがなくてもモバイル端末などで決済できる支払いを想定。

図3:あなたは、以下の決済(支払)手段をそれぞれどれぐらい利用していますか。

図3:あなたは、以下の決済(支払)手段をそれぞれどれぐらい利用していますか。

出典:株式会社電通 電通キャッシュレス・プロジェクト「コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査」(第2回目)をもとに編集部作成

全国の20歳~69歳の男女500名を対象にしたインターネット調査。2021年12月16日~12月17日に実施。

カードレス決済の中でもモバイル非接触決済のメリットは、支払いがスピーディーなこと。小銭を準備する必要がないのはもちろんのこと、モバイルQR決済のようにアプリを立ち上げる必要がなく、かざすだけで支払いができるサービスもある。また、スマホなどのデバイスに、クレジットカードやICカードの情報を登録すれば、カードを持ち歩く必要がなくなる。

また、カードレス決済ができる「ウエアラブル端末」もさまざまな種類が登場している。ウエアラブル(Wearable)には「着用できる・装着できる」といった意味があり、浸透してきたスマートウォッチやリストバンド型に加え、最近では指輪型、キーホルダー型、コイン型などの端末が登場しており、決済端末にかざすだけでスマートに決済できる。

カードレス決済の利用者が増えていることを受け、“カードのない”クレジットカードの発行も始まっている。これまでは、発行したカードに決済に必要な情報を印字していたが、それらをスマホアプリで提供する。生体認証などを用いたセキュリティーの設定をすることで、スマホでカード番号の確認が可能だ。カード番号をスマホからコピーすれば、ネットショッピングでも利用できる。生体認証などで保護されているため、スマホを盗まれた場合でも持ち主になりすまして使うのが難しく、従来のクレジットカードより安全性が高いと言える

キャッシュレス決済を上手く使うために

キャッシュレス決済は便利だが、お金の使い過ぎといった心配もある。便利に、そしてスマートに使うために、次の3点に注意しよう。

(1)支払いのタイミングを把握する
支払いのタイミングには、キャッシュレス決済の分類ごとに、主に次のような方法がある。利用前にそれぞれの特徴を理解しておこう。

図4:キャッシュレス決済の主な種類と支払い方法

図4:キャッシュレス決済の主な種類と支払い方法

なお、後払い決済の方法はクレジットカードに限らず、「Buy Now, Pay Later(BNPL)」という新しい決済方法も登場している。手数料無料で分割払いが可能なサービスもあり、商品を確認してから支払えるというメリットがある。

(2)日々のお金の管理を徹底する
毎月の利用金額に上限を決めたり、利用状況をこまめにチェックしたりして、使い過ぎないように注意しよう。複数の決済サービスを利用する場合には、お金を効率よく管理するため、家計簿アプリと自動連携できるものを選ぶのもポイントだ。同時に、不正利用がないか、明細や履歴もチェックもしておこう。

(3)万が一の対処法も把握する
不正利用に気づいた際など、トラブルがあった場合のサービスの相談窓口などを事前に把握しておこう。また、キャッシュレス決済に限らず、消費生活での困りごとは、経済産業省などの消費者相談室から情報を得ることや、「188(消費者ホットライン)」に電話して、地域の消費生活センターに相談することができる。決済方法が発展するのに合わせ、私たちのリテラシーも向上させていこう。

キャッシュレス決済は日々発展を続けているため、決済方法の進化にあわせて、“お金の管理や使い方”を見直す必要がありそうだ

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