2017.05.08 NEW
睡眠の質が仕事の質を左右する!?朝イチから頭と体をフル回転させる眠り方
「今こそ勝負どころ!」のプレゼンや会議でベストパフォーマンスを叩き出す睡眠法とは?
睡眠不足が良くないのはわかっているけど…
朝イチの会議であくびばかり。夕方になっても頭が回らないといった経験はないだろうか。忙しいからといって睡眠をおろそかにすると、記憶力、集中力といったパフォーマンスが低下し、ビジネスに大きな影響をあたえてしまう可能性がある。
そこで本稿では、睡眠の大切さを再確認した上で、さらに朝イチから頭と体をフル回転させるための睡眠テクニックを学んでみよう。
睡眠のもつ力を調査したスタンフォード大学の研究
まず、睡眠中には成長ホルモンが分泌されることが知られている。この成長ホルモンには、大きく2つの機能がある。
- 疲労やけがから体を回復させ筋肉を保つ
- 記憶力・集中力と意欲を高める
これを裏付けるスタンフォード大学の研究がある。この研究では、バスケットボール選手に1カ月半の間、毎日10時間以上の睡眠を取るように指示し、その前後で数値を比較した。
結果は、「筋肉」を使うダッシュで改善が見られたのはもちろん、「集中力」が求められるフリースローやスリーポイントシュートでも成功率が高くなった。また、「やる気」といった部分までアップしていることがわかった。
測定項目 | 普段の睡眠 | 長時間睡眠 | 結果 |
---|---|---|---|
282フィートダッシュ | 16.2秒 | 15.5秒 | 0.7秒短縮 |
フリースロー(10回中) | 7.9回 | 8.8回 | 0.9回up |
スリーポイントシュート(15回中) | 10.2回 | 11.6回 | 1.4回up |
練習中のやる気(10点満点) | 6.9 | 8.8 | 1.9ポイントup |
試合中のやる気(10点満点) | 7.8 | 8.8 | 1.0ポイントup |
この研究により、睡眠は筋肉などのハード面の回復はもちろん、「集中力」や「やる気」といったソフト面にも大きな影響をあたえることがわかる。
忙しくても睡眠の質を高められる「新・睡眠のゴールデンタイム」とは?
しかし、多忙なビジネスパーソンが長時間の睡眠をキープするのは、現実的には困難だろう。
そこで、注目したいのが「睡眠の質」だ。かつて、成長ホルモンは、22時から深夜2時の間が最も分泌量が多いとされており、これを「睡眠のゴールデンタイム」と呼んで、この時間帯に就寝しているのがよいとされていた。
ところが、最近では、成長ホルモンが多く分泌されるのは、「眠りについてから約3時間」。特に、「最初の90分間が重要」といわれるようになってきた。
この入眠後、最初の3時間が「新・睡眠のゴールデンタイム」だ。この時間に深く眠ることができれば、睡眠の回復力を最大限活用することができる。
睡眠の質を高めて「勝負に勝てる」頭をつくろう
最後に、「寝はじめの3時間の快眠」のためには、就寝前に脳をクールダウンさせリラックスできる環境を作ることが大切となる。
具体的には、以下の3つを避けることで、脳をクールダウンさせることができる。
- 寝る前の照明は間接照明にするなど明るくしすぎず、スマホやPCは触らない
- 就寝前3~4時間のカフェイン摂取は避ける
- お酒は眠りを浅くし、タバコには覚醒作用があるためできるだけ控える
また、リラックスさせるには、以下の方法も有効だ。
- アロマの香りを楽しむ
- 軽い音楽を聴く
- 40度以下のぬるめのお湯に浸かる
こうした入眠のテクニックはすでに知っているものも多いかもしれない。しかし大事なのは、入眠後最初の3時間が「新・睡眠のゴールデンタイム」であることを理解したうえで、そのためのテクニックを実践することにある。
ぜひ入眠直後の睡眠の質をあげることを意識して、ぐっすりと眠ってもらいたい。きっと、頭も体も朝イチからフル回転しているはずだ。
- 監修:清水 真(しみず まこと)
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プロトレーナーとして水泳五輪選手、プロサッカー選手、プロ野球選手を指導する。整体師・姿勢教育指導士として延べ13万人の体を診てきた経験から、「姿勢」を整えることで、体と心を健康にする体操法・呼吸法を開発。現在は行政自治体・学校・企業やサークルなどで全国的に活動中。