資産の“なんとなく保有”を卒業!ライフプランから考える“目的ある保有”へ

お金を預けたり運用していると、「以前勧められて定期預金に入れた」「ずっと前に買った投資信託が気付けばそのままだった」といったことはありませんか。最初の目的や気持ちを忘れて“なんとなく保有”し続けていた、ということもあるかもしれません。
資産形成を続ける中で、目的がぼんやりしてしまうのは決して珍しいことではありません。
でも、そのまま「よくわからないけど持っている」状態が続くと、いまの暮らしや将来の目的に合っているかを確認しにくくなることがあります。
このコラムでは、“なんとなく保有”している状態から、“目的ある保有”へと進むために、ライフプランニングの観点で、いま持っている金融商品や、資産形成の目的を確認するポイントをご紹介します。
いまのライフステージや将来の暮らしに合わせて、「なぜ持っているのか」「何のためのお金なのか」を整理していきましょう。
まずは資産の一覧表を作成
はじめの一歩は、現在持っている預貯金・保険・投資信託などを無理のない範囲で書き出してみることです。
商品名や金額だけでなく、「これを選んだ理由」や「いまの気持ち」も一言添えてみましょう。
金額は、おおよその残高が分かれば十分です。積立商品については、積立を始めた年が分かると整理しやすくなります。NISAやDC、持株会などの制度を利用している商品は、制度名が分かるように記載しておくと見返しやすくなります。
保険商品については受取時期、受取額、毎月の支払額、保障内容を書いておくと確認しやすくなります。
なお、この一覧は、家計全体を把握するためのものです。
| 金融機関 | 商品名 | 買った年 (開始した年) | 買った金額 (積立ての金額) | 時価 | 購入理由 | いまの気持ち |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〇〇銀行 | 定期預金 | 2015年 | 〇〇万円 | 〇〇万円 | 使う予定がない預貯金 | 緊急用として置いておく |
| △△証券 | △〇投資信託 | 2018年 | 〇〇万円 | 〇〇万円 | 老後資金を増やしたくて | このまま持っていていいのか? |
| △△証券 | □△投資信託 | 2020年 | 〇〇万円 | 〇〇万円 | 友人Aに勧められた | どんな商品かよくわからない |
| □□保険 | 個人年金保険 | 2020年 | 〇万円/年 | 20××年4月~受取予定 〇万円/月 | 将来の年金不足が心配で | 予定通り継続する |
| 持株会 | ◎◎株式会社 | 2001年 | 〇万円/月 | ○○万円 | 会社の制度だから | 金額を増やしてもいい |
| 企業型DC | ? | ? | ? | 〇〇万円 | 会社の制度だから | 何の商品で運用しているのか不明 |
目的や役割の再確認を
書き出したら、いまその商品を持ち続けている理由も考えてみましょう。たとえば「生活費の予備費」「急な出費への備え」「将来のための準備」など、自分にとって意味が明確であれば、納得して保有し続けることができます。
もし、「どんな商品だったか覚えていない」「いま持ち続けていいのかわからない」と感じた商品があれば、パンフレットや契約書を見直してみましょう。その中で分からない点が出てきた場合は、銀行や証券会社に預けている商品は各金融機関に、持株会やDCは会社の制度を確認してみてください。
情報を整理することで、不安や迷いも解消しやすくなります。
「ライフプランニング」の発想でお金を整理
資産と向き合う際には、まず「ライフプランニング」――すなわち「自分らしいこれからの人生像(ライフデザイン)」を描き、それを実現するための生活計画(ライフプラン)を考えることが大切です。そして、そのプランをもとに「いつまでに・どれくらいお金が必要か(ファイナンシャルゴール)」、「必要なお金を貯めるためにはどうしたらいいのか」といった具体的な「マネープラン」を立てていく流れになります。

生活や価値観が変わるにつれて、理想や将来の暮らし方、必要になるお金の額も変化します。そのため、いま持っている資産の内容や水準が、今の暮らしやこれからの目的に合っているかを見直してみるのも一つです。
そのうえで、実現したいことや必要な金額や準備方法を整理すると、考えやすくなります。
ライフデザインからライフプラン、ファイナンシャルゴール、マネープランへと考えを進めるなかで、必要な情報や資産商品の内容を確認しながら、無理のない形で考えていくことが大切です。
たとえば、「将来介護が必要になった時に備えたい」「退職後は趣味や旅行を楽しみたい」「子や孫の教育資金に使いたい」など、人によってお金の使い方や目的はさまざまです。
同じ老後資金でも、「旅行を楽しみたい」と「安心して暮らせればいい」では、必要な金額や運用期間も変わってきます。
「自分が納得して保有しているか」を大切に
大切なのは、目的も役割もあいまいなまま「なんとなく持ち続ける」状態から、いまの自分の生活や将来の考え方に合うかを確認しながら、お金の持ち方や置き方を見直していくことです。そのため、定期的に「この商品はいまの生活や将来の目的に合っている?」と振り返ってみるとよいでしょう。
もちろんいまは納得して保有していても、自分や家族のライフステージの変化や環境の変化によって見直しが必要になることもあります。
家族や暮らしの変化、新たな目的ができた時には「このままでいいのかな?」と整理、点検してみると、見直しのきっかけになります。
こうして資産ごとにゴールや考え方をまとめておくと、急にまとまった出費が必要になった時にも「どのお金を優先的に使えばよいか」が判断しやすくなります。
まとめ
“なんとなく保有”しているものに改めて目を向け、目的やゴールを意識して整理、点検していくことは、ご自身に合った資産形成の第一歩です。これをきっかけに、ご自身のライフステージや目的に照らし、お金の持ち方や使い方を見直してみましょう。
「とりあえずリストを作ってみる」「どんな商品内容だったか分からない点を確認してみる」など、できるところから始めてみてはいかがでしょうか。
ライフプランニングを意識して、ご自身の希望や生活の変化に合わせて見直しをしていくことで、より自分に合った資産形成や人生設計を考えるきっかけになります。
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2026年7月14日


