子供にとってのお金に関するお手本はだれ?
今回は、子どもとお金の話をすることの重要性について考えます。
1.親子で投資に関する話をすることの効果
米フィデリティが2022年6月に発表した「2022年ティーンエージャーとお金に関する研究(2022 Teens and Money Study)」*の一部をご紹介します。
研究によると、70%の米国のティーンエージャーは
「家族をお金に関するお手本(ロールモデル)として尊敬している」
とのことです。
おそらくこの結果は米国のみならず、多くの国に当てはまるでしょう。日本でも親は子供にとっての「お金のお手本」になっているのではないでしょうか?
また本研究によると、家族と投資についての話をしているかどうかで下記のような差があったといいます。
家族と投資について 話をしている | 家族と投資について 話をしていない | |
---|---|---|
銀行に口座を開設している | 63% | 37% |
支払アプリを利用している | 61% | 40% |
友達と投資についての話をしている | 55% | 11% |
先生と投資についての話をしている | 48% | 12% |
投資を始めている | 37% | 5% |
アルバイトなどの収入がある | 51% | 28% |
これを見ると、家族と投資についての話をしているティーンエージャーの方が自立できている様子が伺えます。親子の投資に関する会話は子どもの自立の一助になるのではないでしょうか。
- 出典:Fidelity Investments “More Than Half of Teens Think Investing Is Too Confusing; Fidelity Shares Resources to Help Parents Have “The Talk”” 。上の表もこれを基に野村證券(株)資産形成推進部が作成
2.日本の金融教育のこれから
一方、日本では、2022年度から高校の家庭科で「資産形成」の授業がスタートしています。
金融庁の「高校生のための金融リテラシー講座」**と題する資料には、「家計管理とライフプランニング」「使う」「備える」「貯める・増やす」「借りる」「金融トラブル」といった項目が目次に並びます。これらの項目は、ライフプランの多様化・成人年齢の引き下げといった時代の変化を背景に、設定されました。
3.日本政府も資産形成を後押し
また、昨年政府は「資産所得倍増プラン」***を打ち出しました。個人の資産形成はさらに推進される方向です。
つまり、今後社会人になっていくティーンエージャーには、「資産形成」を学校で学ぶ機会があり、それを有効に実践できる環境もつくられることになります。
これまでご紹介した内容をまとめたのが下記です。
- 子どもにとって親は「お金のお手本」である
- 親子の投資に関する会話は子どもの自立の一助となる可能性がある
- 高校でも「資産形成」の授業がスタートした
- 資産形成のための環境づくりを政府が推進している
これらを踏まえ、みなさんも親子で資産形成の話をしてみませんか?
また、お金の話をするためにも、改めて「資産形成」について考えてみてはいかがでしょうか。
**出典:金融庁ウェブサイト https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/20220317.html
***出典:内閣官房ホームページ https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai13/shiryou3.pdf
文責 野村證券 資産形成推進部 籔内大助