円安とは?私たちの生活にどう影響する?

スーパーで食品を買うとき、電気代やガソリン代の明細を見たとき、「以前より高くなったな」と感じることはありませんか。その背景の一つに、ニュースでよく聞く「円安」が関係している場合があります。
円安は少し難しく聞こえますが、食料品、エネルギー、海外旅行、身近なサービスなど、私たちの暮らしにも関係するテーマです。本コラムでは、円安とは何か、そして私たちの生活への影響をやさしく解説します。
円安とは、「円の価値が下がる」こと
円安とは、外貨に対して日本円の価値が下がることです。
たとえば、海外旅行で円をドルに両替をする場合を考えてみましょう。
1ドル=150円なら、1ドルを150円で両替することができます。
しかし、1ドル=160円になると、同じドルを両替するのに、以前より多くの円が必要になります。
見方を変えると、以前は150円で1ドルに両替できていたのに、1ドル=160円になると150円では0.9375ドルにしか両替できなくなった、ということです。

このように、同じ海外の商品やサービスを購入・交換するために、以前より多くの円が必要になる状態を「円安」といいます。
反対に、少ない円で外貨に交換できる状態を「円高」といいます。
円安が進む要因は?
円安が進む理由は一つではありません。さまざまな要因が重なって、円を売って外貨を買う動きが強まると、円安になります。代表的な要因の一つが「日本と海外の金利差」です。
海外の金利が日本より高いと、より高い利息が期待できる通貨を持ちたいと考える人や企業が増えます。その結果、円が売られ、ドルなどの外貨が買われることで、円安につながります。
また、日本は食料品やエネルギー、原材料など多くを海外から輸入しています。「輸入代金を支払うために、円を外貨に交換する動き」も、円安の一因になることがあります。
為替は多くの要因で日々動くため、将来の動きを正確に予測することは簡単ではありません。だからこそ、為替の変動が自分の家計へどう影響するのかを知っておくことが大切です。
私たちの生活への影響は?―円安がもたらす物価上昇に警戒
円安の影響として、私たちが最も実感しやすいのは「物価の上昇」です。
上述した通り、日本は多くのものを海外から輸入しています。実際に食料品については約62%1、エネルギーについては約84%2を輸入に頼っている状況です。円安が進めば、海外からの輸入品の価格が上がり、企業の仕入れコストも上がることで、私たちが購入する商品やサービスの価格に転嫁される場合があります。このように、円安は物価上昇の要因の一つとなります。
例えば、次のようなものは、円安による物価上昇の影響を受けやすいと言えます。
| 暮らしの中のもの | 円安による影響の例 |
|---|---|
| 食料品 | 小麦、肉、油脂類など輸入依存度が高いものは価格に影響しやすい |
| 光熱費(電気・ガス)、ガソリン | エネルギーや原油等、燃料の輸入依存度が高いため、料金に影響しやすい |
| 外食 | 食材費や光熱費、物流費などを通して価格に影響しやすい |
| 海外旅行・海外サービス | 現地のホテル代や買い物が円換算で高くなりやすい |
もちろん、値上がりの理由は円安だけではありません。原材料価格、人件費、輸送費、国際情勢など、さまざまな要因が重なります。
ただ、円安が物価上昇という形で、私たちの生活に幅広く関係していることは知っておきたいポイントです。
1出所は農林水産省「日本の食料自給率(令和6年度)」
2出所は資源エネルギー庁「エネルギー自給率の推移(2024年度)」
円安にはプラス面もある
円安は、すべての人に同じ影響を与えるわけではありません。
例えば海外に商品を売る輸出企業にとっては、売上を円に換算したときに利益が増えやすくなります。
また、海外から日本を訪れる旅行者にとっては、日本での買い物や宿泊が比較的割安に感じられ、購買力が上がる要因となります。そのため、インバウンド効果として観光地や飲食店などに良い影響が出ることもあります。
そして、一般的には外貨建ての資産を持っている人にとっては、円に換算した価値が上がり為替差益が生じます。
このように、円安は「良い」「悪い」と一言で決められるものではありません。
円安をきっかけに、私たちにできること
1.支出を見直す
「前より商品の価格が高くなったな」と感じたときは、支出を見直すことで、家計への影響を具体的な金額で把握しやすくなります。
物価上昇の局面では、定期的に支出を見直すことが良いでしょう。
具体的な「収支の見直し方法」は関連記事『変化のある今だからこそ、お金や資産を“整えて”みましょう』をご参照ください。
2.資産を見直す
上述した通り、円安が進むと、外貨建ての資産をすでに保有している場合、円に換算した価値が上がります。
一方で、預貯金などで保有している円建ての資産は、円安などにより物価が上昇すると、同じ金額で購入できる商品やサービスが少なくなります。つまり、円の購買力が低下します。
ただし、為替の動きを事前に正確に予測して、資産を機動的に持ち替えることは簡単ではありません。だからこそ、特定の通貨や資産に偏りすぎていないか、資産の持ち方を定期的に確認することが大切です。
具体的な手法の一つとして、「資産を分散」することで、為替や価格変動のリスクを低減できる効果が期待できます。
分散投資の関連記事『【3分で読める】リスク低減の考え方その1「分散投資」』をご参照ください。
まとめ
円安とは、外貨に対して円の価値が下がることです。食料品や光熱費の値上げ、海外旅行などを通じて、私たちの生活に影響することがあります。
大切なことは、必要以上に不安になることではなく、自分の家計にどのような影響があるかを知ることです。
まずは、毎月の支出や資産形成を見直すことから始めてみましょう。こうした小さな確認が、日々のお金の安心につながります。
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部
記事公開日:2026年7月10日


