
ファイナンシャル・ウェルネス
(お金の健康度)アンケート
(2022年実施)
―上場会社従業員1万人の声― Financial Wellness survey
- ファイナンシャル・ウェルネス
の高い人と低い人
本レポートでは、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人の特徴を捉えるため、お金や経済面に関して①現在どう感じているか、②将来についての安心・不安についての設問を盛り込みました。上場企業従業員1万人の回答者のうち、現在順調で、将来安心と回答した2,473人(全体の23%)をファイナンシャル・ウェルネスの高い人、反対に、現在低調で、将来不安と回答した5,501(51%)人を、ファイナンシャル・ウェルネスが低い人と定義し、その差異を検証します。
ファイナンシャル・ウェルネスの高い人・低い人の割合
勤務先の福利厚生制度について
ファイナンシャル・ウェルネスの高い人の方が、勤務先の福利厚生制度の認知度も、利用度(制度を知っている人のうち、利用している・利用した人の割合)も、総じて高い結果となりました。
資産形成について
勤務先の福利厚生制度以外での資産形成では、株式と投資信託の保有で、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人と低い人に差異が見られました。
ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、老後資金は職場の福利厚生制度でカバーできると考えている割合が66%と、ファイナンシャル・ウェルネスの低い人の19%を大幅に上回りました。
NISAの利用状況においても、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人と低い人には、大きな差異が見られました。
金融資産保有額では、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人の44%が2,000万円以上を保有しているのに対し、低い人は13%に留まりました。なお、ファイナンシャル・ウェルネスの低い人では、31%の人が500万円未満との回答でした。
金融リテラシーについて
金融リテラシーを問う5つの設問に関して、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人の方が、全問正解者が20%と高く、全問不正解者が6%と低い結果でした。
勤務先への誇り、仕事の生産性、人生への満足度について
ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、勤務先の社員であることを誇りに思うとの回答が86%に上るのに対し、低い人は59%に留まりました。また、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、1日を通じて仕事への活力を維持できているとの回答が84%であったのに対し、低い人は56%と、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人は、勤務先へのエンゲージメントも、仕事の生産性も高いことが示されました。
ファイナンシャル・ウェルネスの低い人は、転職希望の割合が41%と、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人に比べ、高い結果となりました。また、転職希望の主な理由として、給与水準の低さを挙げていました。他方、ファイナンシャル・ウェルネスの高い人の転職希望の主な理由は、昇進・キャリアアップが望めないからでした。