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2021.09.02 NEW

「家計を見える化」で月約2.8万円の収支改善も!? 自分に合った家計簿アプリの選び方

「家計を見える化」で月約2.8万円の収支改善も!? 自分に合った家計簿アプリの選び方のイメージ

新型コロナウイルス感染症の拡大は、日本経済に大きな影響を与えている。そして、その影響は社会全体というマクロレベルだけでなく、個人の消費というミクロレベルにも及んでいる。コロナ禍が家計に与えた影響は大きく、その結果、自身のお金の使い方に対して関心を持つ人が増えた。

そこで注目したいのが、家計をデータで管理して見える化できる「家計簿アプリ」だ。

紙でお金の流れを記録するのに比べ、家計簿アプリにはどのような特徴があるのか。その特徴やメリット、自分に合った家計簿アプリの選び方を見ていこう。

コロナ禍で「資産形成」「家計簿」に対する関心が増加

新型コロナウイルス感染症の影響で変化したお金への意識を調査したデータでは、58.3%の人が「将来に向けてお金のことが心配になった」と回答した。続けて、47.4%が「節約・倹約を心掛けるようになった」、42.4%の人が「お金の使い方を見直すようになった」と回答している(図1)。

図1:新型コロナウイルス感染拡大を受けて起きたマネー意識の変化<気持ち面>(「そう思う」「まあそう思う」の合計)

図1:新型コロナウイルス感染拡大を受けて起きたマネー意識の変化<気持ち面>(「そう思う」「まあそう思う」の合計)

※ 全国の20歳以上の男女9,998名を対象にしたインターネット調査。2020年12月1日~12月8日に実施。

「将来に向けてお金のことが心配になった」と回答した人たちは、一体、どのようなことを始めたのか。同調査によれば、「資産形成を新たにはじめたいと思った」と回答したのが30.3%。そして、「家計管理を行うようになった」と回答したのも、同じく30.3%であった(図2)。

図2:新型コロナウイルス感染拡大を受けて起きたマネー意識の変化<サービス利用面>(「そう思う」「まあそう思う」の合計)

図2:新型コロナウイルス感染拡大を受けて起きたマネー意識の変化<サービス利用面>(「そう思う」「まあそう思う」の合計)

※ 全国の20歳以上の男女9,998名を対象にしたインターネット調査。2020年12月1日~12月8日に実施。

コロナ禍で家計簿アプリの利用者数が急増

「家計簿アプリ」とは文字通り、お金を使った日・金額・項目などをスマホで入力していくと、支出の合計や項目の内訳が自動的に計算されるというものだ。家計簿を記録し続けることの難しさは、毎日の支出をこまめに記録しなければならないことだ。

だが、家計簿アプリを利用すれば、この作業を簡略化できる。家計簿アプリのなかには、銀行口座やクレジットカードなどと自動連携したり、レシートを写真に撮るだけでその内容を読み込み、自動で項目ごとに振り分けて記録してくれたりするものもあり、忙しい人にとって家計管理の大きな味方になっている。

コロナ禍では、こうした家計簿アプリの利用者数は大きく伸びている。2021年1月の日経MJの記事では以下のように記されている。

フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」によると、20年11月の月間利用者数(MAU)ランキング上位500アプリの合計MAUは前年同月比6.1%増の6億4918万人(対象はアンドロイド)だった。(中略)
20年11月のMAU上位500アプリのうち、前年同月比で15%増を超えるMAUとなった上位50アプリの用途別内訳を見ると、最も多かったのはファイナンス系の7アプリだった。
中でも家計簿アプリ「マネーフォワードME」が前年同月比38.3%増と最も増加率が高かった。

これは、経済の先行きが不透明であることを見据え、人々が家計を管理することに意識を向けた結果ではないだろうか。

家計簿アプリで月平均27,848円も改善!

そもそも、どのような人たちが家計簿アプリを利用しているのだろうか。全国の20代~60代男女を対象に、家計簿アプリに関するアンケート調査を行ったデータによると、「家計簿アプリでつけている」と回答した人が目立ったのは、20代~30代。年代が低いほど家計簿アプリの利用率が高く、20代の21.8%、30代の17.4%に対し、40代は8.1%、50代は4%と1割にも満たなかった(図3)。

図3:あなたは、家計簿をつけていますか。家計簿のタイプをお答えください(複数選択可)

図3:あなたは、家計簿をつけていますか。家計簿のタイプをお答えください(複数選択可)

※ 全国の20代~60代男女4,000名を対象にしたインターネット調査。2018年12月13日~12月19日に実施。

つまり、家計簿アプリの使用を習慣化し、家計の流れを“見える化”することが家計改善につながっていると言える。

選び方の鉄則は「設定や入力が容易」「目的に合致している」

それでは、家計簿アプリを長期的に利用していくときのポイントは何なのか。
まずは、「設定や入力が容易」「目的に合致している」といった点に着目すると良いだろう。
では、どのようにして「設定や入力が簡単」で「自分の目的に合致した」家計簿アプリを選べば良いのか。具体的に見てみよう。

(1)設定や入力が簡単な家計簿アプリを選ぶ

家計簿アプリにはさまざまなものがあるが、その入力機能を大きく分けると、次の2つに分けられる。

A)手入力やレシート撮影により記録・管理する
B)銀行やクレジットカードのWEB明細を連携して自動で記録・管理する

手入力やレシート撮影は、使い方がシンプルで、自己流にカスタマイズしやすいのがメリットだが、その反面、毎日入力しなければならない。もし、日常生活でキャッシュレス化を図っているなら、自動連携できる後者の方が便利かもしれない。また、配偶者やパートナーとお財布が別であり、節約や貯金など、共通の目標を持っている場合は、複数人で共有できるアプリを選ぶのも良いだろう。

(2)自分の目的に合致した家計簿アプリを選ぶ

そもそも、家計簿アプリを使用する目的は何か? それを明確にすることが、無理なく続けられる家計簿アプリ選びには欠かせない。多くの場合、家計簿アプリを利用する目的は、次の2つに分けられるだろう。

A)月々のやりくりをきちんと記録して、お金の流れを把握したい
B)貯蓄口座・生活費口座・クレジットカード・有価証券・ポイントカードなど、あちこちに散らばった金融資産をまとめて把握したい

このうち、A)は「家計の管理を重視するタイプ」、B)は「資産管理を重視するタイプ」といえるだろう。A)のタイプならレシート読み取り機能、口座連携機能がついているものでも十分だ。通知機能があるアプリを利用すれば、支払い漏れをカバーすることもでき、とても便利だろう。一方、B)のタイプなら、銀行・証券・クレジットカード履歴・電子マネーのポイントなど保有資産を一元管理できる高機能タイプがおすすめだ。

いずれにしても、家計簿アプリを選ぶときに気をつけておきたいのが情報漏洩のリスク対策ができるアプリを選ぶことだ。対策としては「クレジットカードの管理を徹底する」「自動ログアウトを設定する」「アプリを搭載しているスマホを紛失しない」などの対応を注意していきたいところである。

家計簿アプリは将来に向けた資産形成の第一歩

多くの家計簿アプリでは、お金の流れを自動で数値やグラフとして“見える化”してくれるため、何に対してどれくらいお金を使っているか、自分がどれくらい無駄遣いをしているのかが見えてくる。

お金の流れや余剰金が数値として理解できれば、将来に対する漠然とした不安も解消され、想定外の出費に備えることや、マネープランを考えることも容易になるだろう。さらに、家計簿アプリ導入で浮いたお金(前述によれば、月平均2.8万円想定)を、毎月コツコツ積立するなど資産形成に回すこともできる。「家計を見える化」することは資産形成の第一歩となるのだ。

コロナ禍で、“お金”というものに漠然とした不安を抱えている人が多い現在。まずは、いま自分にできることとして、家計簿アプリを使うことをファーストステップとし、お金の流れを把握した上でマネープランを検討してみてはどうだろうか。

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