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2023.11.13 NEW

日本の「中小型銘柄選び」3つのポイントとは? エミン・ユルマズの投資講座

日本の「中小型銘柄選び」3つのポイントとは? エミン・ユルマズの投資講座 のイメージ

撮影/藤井洋平

膨大な情報を得て、さまざまな角度から経済や市場を分析、そこから見出した投資アイデアを広く発信しているエコノミストのエミン・ユルマズさん。今回は、有望な中小型銘柄を探すコツについて教えてもらった。

日本の中小型銘柄は魅力的

第1回で「中小型銘柄こそ、本来は個人投資家の投資対象になりやすいのではないか」と指摘しました。なぜなら、中小型銘柄の中には、株価が割安な銘柄や、今後大きく成長する可能性を秘めた銘柄があるからです。

しかし、私はまだ日本の個人投資家が、中小型銘柄にあまり注目していないのではないかと考えています。少数の機関投資家が大量に売買する大型株が優位な相場展開が続いている印象があるからです。機関投資家などがあまり注目しない中小型銘柄の中から、大きく値上がりする銘柄を探すことも、株式投資の大きな魅力の一つだと思います。

といっても「何を買ったらいいのかわからない」という方もいるかもしれません。私は、あまり目先の利益を考えず、まずは今、自分が魅力的だと感じている中小型銘柄を買ってみることをお勧めします。

日本の中小型銘柄の株価は総じてかなり魅力的な水準にあると考えています。しかし、繰り返しますが、買ってすぐに株価が上がるかというと、そう簡単なものではありません。これは、中小型銘柄の大半にいえることです。

中小型銘柄探し、3つのポイントは?

中小型銘柄を探す時のポイントのまず一つ目は「自分が知っている業種」「自分の生活に近い企業」から探すべき、という点です。これはかなり重要です。

基本的に、私はビジネスモデルがよくわからない銘柄を買いません。これは中小型に限った話ではなく、大型株も同じです。例えば小売で、自分にとって分かりやすい、あるいは好みの商品を販売している企業に投資してみるのが、一番シンプルでわかりやすいのではないでしょうか。

小売や外食、アパレルなどはビジネスがわかりやすいし、参入障壁がそれほど高くないので、常に新しい業態や商品が生まれてきます。「商品の質がいい」「使いやすくて便利」と感じたら、その会社の株式に投資してもよいのではないでしょうか。

外食なら実際に店舗に行って味わってみてもいいし、小売なら手ごろな商品を買ってみてもいい。また、消費者に近い業界は、常に顧客がいるので「業界が成熟しきること」はないとも思っています。

また、皆さんの生活にも近い、観光業や運輸業・ロジスティクスといった業種は、企業の特徴さえつかめれば、タイミングを見計らいながら売買することもできます。これは非常にわかりやすく、例えば観光業は外国人観光客、インバウンドが増えれば、業績は当然伸びますよね。

二つ目は「経営者が魅力的であること」です。中小型銘柄の多くは「会社=経営者」といっても過言ではありません。会社の命運の大部分が社長の手腕にかかっています。まず、商品やサービスなどに関心を持ったら、提供している会社の社長の考えを知ることができるセミナーや書籍、記事などの情報に触れてみてもよいのではないでしょうか。

情報に触れ、より興味が高まったら100株、1単元だけ買って、株主総会に出てみるとよいと思います。大企業の株主総会には大勢の株主が足を運びますが、中小型銘柄、いわゆる中堅企業の株主総会は来場者がわずかしかいないというケースもあります。以前私が出席したある会社の株主総会には、私を含めて3人しか出席者はいませんでした。残りの2人は、社長の友人でした(笑)

結局、私しか質問しなかったので、総会自体は10分ほどで終了したんです。でも、社長らと名刺交換することもできました。この社長が面白くて、でも仕事に対する態度は真面目で、ちゃんとビジョンを持っている人だったので、「この会社は成長する」と直感しました。予想通り業績も株価も伸び、成長しましたね。

最後の一点は、当然ですが業績です。上場以降、コンスタントに増収増益を達成できているかです。企業にとって、当然成長率が重要です。だから、売上高や利益率の伸びや、利益率の水準が高いかどうかを見ておかなければなりません。その企業が属するセクターにも勢いがあって、なおかつ企業の業績もよければなおよいですね。

注目した会社の株価が15倍に

私の経験をお話ししましょう。あるアウトドア関連の製品を製造している企業があり、訪問する機会があったのです。経営者と話すこともでき、商品も組織もしっかりしているなと感じて、この会社はきっと成長すると確信しました。

私はどちらかというとインドア派なので、こういった領域には関心がなかったのです。でも実際に衣類などの商品に触れ、なんとなくよさそうだと感じたので、実際に買って着てみたのです。そうしたら、思った以上に質が高くて。この企業の業績は伸びると信じて、7~8年前から注目し、投資していました。

その企業がいい商品を作り続けていることはわかっていたのですが、株式を買ってもなかなか上昇しませんでした。「コロナ禍でアウトドアがブームになる」というカタリスト(株価が変動するきっかけ)によって、2020年ごろから株価がじりじりと上昇し始め、2021年秋ごろには一時、最安値の15倍ぐらいまで値上がりしました。

カタリストがいつもたらされるのかはわかりません。そういった意味では、株価指数(インデックス)に連動する投資信託などを積み立てる投資のほうがより堅実といえるかもしれません。

しかし、良質なモノやサービスの提供を地道に続けている会社は、何かをきっかけに注目され始めると、株価が急騰するケースがあります。これが中小型銘柄に投資する醍醐味(だいごみ)です。私は、まだ割安で買えそうな中小型銘柄がたくさんあると見ています。

皆さんも、「大化け」するかもしれない中小型銘柄探しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

エコノミスト エミン・ユルマズ
1996年国際生物学オリンピック(ウクライナ・アルテク)優勝。2004年、東京大学工学部化学生命工学科卒業。2006年、東京大学新領域創成学科修士課程修了。同年、野村證券入社。企業情報部に配属、M&Aアドバイザリー業務に従事。2009年、同社・機関投資家営業部配属。2010年、同社・外国株式営業部配属。2014年、野村證券退社。2015年、四季リサーチ入社。2016年、複眼経済塾取締役・塾頭就任。

※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。
また、本コラムは参考情報の一つとして提供することを目的として制作されたものであり、当社において内容の正確性・適切性等は確認しておらず、将来の成果を示唆・保証するものではありません。

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