2024.12.06 update

2024.08.02 NEW

日経平均大幅下落 一時2,000円超安、今後の日本株式市場について3つの視点で野村證券が考察

日経平均大幅下落 一時2,000円超安、今後の日本株式市場について3つの視点で野村證券が考察のイメージ

8月2日の日経平均株価は連日の大幅安となっています。一時、下げ幅が2,000円を超える場面も見られました(2024年8月2日11:00時点)。7月31日に行われた日本銀行の金融政策決定会合で追加利上げが決定されたことに加え、同日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、9月の利下げがメインシナリオであることが示唆されました。この影響で外国為替市場では円高が進行し、1ドル=150円を割り込む展開が続いています。さらに、昨日の米国株式市場では雇用情勢の軟化や製造業の景況感悪化が鮮明となり、主要株価指数が大幅に下落し、その影響が日本株にも波及しました。今後の日本株式市場について、(1)7月中旬までの日本株上昇の背景、(2)日本株決算序盤戦の状況、(3)過去の調整局面突入後の日本株動向、以上の3点を中心に考えていきます。

7月の株式市場ではリターン・リバーサルが目立った

7月の株式市場は、月末の日米金融政策決定会合を挟んで、世界的にリターン・リバーサル(大きく下げ過ぎた銘柄が反発する動き)が強く見られました。特に2024年4-6月に低迷した指数やテーマ、セクターほど7月は堅調で、同年4-6月に好調だった指数やテーマ、セクターほど7月は不調でした。そのため、足元の好不調が将来も続くと単純に考えないほうが良いでしょう。

より重要なことは、こうした選別物色やセクター・ローテーションの背景にある株式ファンドへの資金流入を通じた、リスクテイクにポジティブな流れです。その中で、主要株価指数内において、数ヶ月に一度くらいは日本株への関心が高まりやすいのではないでしょうか。

決算序盤戦は電機・精密、銀行、素材・化学などが堅調

2・3月本決算のTOPIX(東証株価指数)構成企業のうち、2024年3-5月期決算および同年4-6月期決算で7月31日までに公表された分を集計すると、全産業(除く金融・公益)で売上高が前年同期比4.7%増、営業利益が同11.2%増、経常利益が同10.9%増、純利益が同6.4%増となり、増収増益の基調が確認されました。セクター別では、小売や自動車・輸送機が伸び悩む一方、電機・精密、銀行、素材・化学などが堅調でした。

12月本決算企業などを含めると、7月30日時点で2024年度通期の経常利益に関する会社予想の上方修正は43社、下方修正は11社となり、上方修正が優勢です。上方修正を発表した企業には、円安効果を反映した輸出企業のほか、半導体・AI、インバウンド(訪日外国人)、値上げなどを背景とするケースも多く見られます。一方、下方修正は自動車生産の低迷やコスト増を背景とするケースが多く見られます。

決算発表後の株価の反応は比較的素直で、増減益で±2%、四半期EPS(一株当たり利益)のサプライズで±3%、会社予想の修正で±4%前後の反応がそれぞれ見られます。

米景気拡大が維持されるなら、1ヶ月前後を目安にTOPIXの底打ちが見込まれる

当面は、日銀のタカ派(金融引き締めに積極的)姿勢がリスク要因となります。1回分の利上げでTOPIXが1.6%下落するという感応度を基にすると、8月1日から2日にかけてのTOPIXの8%下落は、5回分の追加利上げを織り込んだという見方もできます。銀行株とバリュー(割安)株が日銀のタカ派化へのヘッジとして有効だと考えられます。

次に、過去の調整局面後の日本株動向について確認します。TOPIXは7月11日の高値から8月2日にかけて10%超下落し、「調整局面」となりました。過去50年でTOPIXが直近3ヶ月の高値から10%下落した場面は重複を除き54回ありましたが、その後のTOPIXは3ヶ月間一進一退となった後、150営業日後には+2.9%と上昇しています。

なお、同調整局面において、米景気拡大時(46回)は1ヶ月間一進一退となった後、75営業日後に+1.1%、150営業日後に+4.4%、300営業日後に+6.1%と上昇しています。一方、米景気後退時(8回)は300営業日後に-6.4%と下落しています。野村證券は米景気拡大を予想しており、この場合、1ヶ月前後を目安にTOPIXの底打ちが見込まれます。

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート
・日本株ウィークリー – 日本企業は増収増益維持、慢心&費用に注意(2024年8月1日配信)
・日本株場中メモ – TOPIX調整局面後は・・・米景気次第(2024年8月2日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

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