2024.08.05 NEW
日経平均急落、ブラックマンデー超えの4,451円安 市場心理が安定するには
「サーム・ルール」では米景気後退入りが示唆
米雇用統計の下振れを受け、金融市場に動揺が広がっています。米労働省が8月2日に発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数の伸びは前月比+11.4万人に鈍化し、野村予想の同+16.5万人を下回りました。さらに、失業率は4.3%と前月の4.1%から上昇し、2021年10月以降の最高水準となりました。
その結果、直近の3ヶ月平均失業率が過去12ヶ月間の最低水準を0.5%ポイント以上上回ると景気後退局面に入るという経験則「サーム・ルール」が満たされました。
日経平均株価はブラックマンデー超えの4,451円安に
米雇用統計の結果を受け、景気減速懸念が強まり、米国株は大幅に下落しました。また、VIX(変動性指数)も一時20台後半というシリコンバレーバンク(SVB)ショック以来の高水準を記録しました。
ドル円相場は一時1ドル=141円台まで調整しています(2024年8月5日15:10時点)。米雇用環境が悪化する中、FRB(米連邦準備理事会)の対応が遅れることへの警戒が急速に高まり、円の買い戻しが誘発されている可能性があります。
5日の日経平均株価の下げ幅は一時4,700円を超え、終値でも4,451円安となり、過去最大の下落幅を記録したブラックマンデー時の3,836円安を上回りました。当社の日本株ストラテジストは、CTA(商品投資顧問)のショート(売り持ち)拡大が相場の下押しとなっていることに加え、足元にかけてはマクロ系ヘッジファンドの日本株「下攻め」も本格化している可能性が高いと指摘しています。
市場心理はいつ安定する?
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けて、FRBは難しい対応を迫られそうです。現在のような脆弱な市場センチメントが続く場合、0.25%ポイントの利下げでは市場の失望を招くリスクがあります。結果的に、より積極的な緩和を市場が求める展開になる可能性も考えられます。
当社の為替ストラテジストは、市場心理が本格的に安定するためには、少なくとも8月末のジャクソンホール会合を待つ必要があると指摘しています。なお、野村證券では、米国の金融政策について2024年に3回(9月、11月、12月)、各0.25%ポイントの利下げを予想しています。
日本株の本格的な持ち直しに必要なのは?
当社の日本株ストラテジストは、個人投資家からの押し目買いはある程度期待できるものの、少なくとも一時的には海外投資家の日本株投資意欲が低下している可能性が高く、当面の日本株は反発が明確化しにくいとしています。また、日本株の本格的な持ち直しには、「逃げ遅れ」の様相が強まっているCTAの米国株ロング(買い持ち)と、拡大が続いているドル円ショートのポジション調整が完了することが必要だとも指摘しています。
(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)
(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成
- 株式の手数料等およびリスクについて
-
国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。国内REITは運用する不動産の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。国内ETFおよび国内ETNは連動する指数等の変動により損失が生じるおそれがあります。国内インフラファンドは運用するインフラ資産等の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。
外国株式(外国ETF、外国預託証券を含む)の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、契約締結前交付書面や上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。