2017.05.25 NEW
マッキンゼーの未来予測。大きく変化する世界で生き残るために読んでおきたい一冊
未来は“予言”できないが、未来を“予測”することはできる。この本に示される未来において、何ができるかを考えたい。
「我々は、直感力をリセットしなければならない」。これは、冒頭に大きく記されている言葉であり、またこの本を貫くメッセージでもある。
第1部では、「世界を変える破壊的な4つの力」について、データに基づいた事実を突きつけ「これまでと全く異なる現実」を直視し、慣れ親しんだ世界に基づく考え方をリセットせよと求めてくる。
一方、第2部では、事実の提示にとどまらず、その力に対してどのように立ち向かうかを説明してくれる。これからの世界の変化を感じ取り、どのようにすれば成功できるのかを示してくれる一冊だ。
世界を変える破壊的な4つの力とは何か?
本書は、4つの破壊的な変化について、具体的な例を挙げて説明している。
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経済の重心移動
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経済の中心は新興国へと移り、どこかにある名前も知られていなかった都市が台頭、地方の都市化が進む。
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テクノロジー・インパクト
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歴史に残るような技術革新が起こる間隔が短くなり、イノベーションが頻発する時代に突入する。
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地球規模の老化
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2030年には、世界34の国々が「スーパー老人国」となり、地球が誕生して初めて、人口成長が停止する。
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「流れ(フロー)」の高まり
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貿易・金融・人々・データが超スピードで相互に結びついていく。
こうした変化は、個別には理解している人も多いだろう。しかし、これらが同時に進んでいくことで、まるで未来は今日の延長線上に存在しないのではないかと思わされるくらいの変化が見えてくる。
変化する世界で、企業は、我々はどのように生き残っていくのか
第2部は、こうした変化に立ち向かう戦略を提示してくれる。例えば、企業については、地域や国単位ではなく都市単位で展開した成功例を提示。また、「すぐに古くなる仕事のスキル」についても警鐘を鳴らし、生まれるスキルギャップへの対応も示してくれる。
もしあなたが、10年後、20年後も同じ企業で今のまま働いていられる確信があるのならこの本を読む必要はないかもしれない。
しかし、いま40歳を超えた人々の多くが、大学を卒業したときには存在しなかった企業、産業で働いている。その事実に少しでも不安を抱くのであれば、この本を手に取り未来を見ておく価値はあるだろう。
■書籍情報
書籍名:マッキンゼーが予測する未来―近未来のビジネスは、4つの力に支配されている
著者 :マッキンゼー・グローバルインスティテュート(リチャード・ドップス、ジェームズ・マニーカ、ジョナサン・ウーツェル)
発行 :ダイヤモンド社