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2018.09.20 NEW

【前田裕二】80年代生まれに向けてリーダーが語る 私が大切にしていること

【前田裕二】80年代生まれに向けてリーダーが語る 私が大切にしていることのイメージ

今、現場の中心となって働くビジネスリーダーは、人生において、ビジネスにおいてどんなことを大切にしているのだろうか。SHOWROOMの前田裕二氏が「大切にしていること」から、生き方のヒントを見つけよう。

「愛」を持つという究極の合理性

僕がビジネスにおいて一番大事にしているのは、少しウェットかもしれませんが「愛」です。もし3つ挙げていいなら、そこに「運」と「熱」を付け加えます。
組織上のすべての課題は「愛」に帰着すると言っていいほど、本質的に重要な基盤だと考えます。「愛」が不足していると、ネガティブな要素ばかり目につくようになります。結果、本質的に解くべき課題を見誤ってしまうことも多い。そういった意味では、愛を持つことは、正しい問いを見極めるための必要条件であり、究極の合理・目的指向だとも言えます。
たとえば、部下から「もっと情報共有してください」と言われたとき、「情報共有」は本質的な問題ではなく、実は人間同士の心の結びつき=愛情の欠如が最大要因であることが多い。日頃のコミュニケーションを見直して、その人の愛情のコップはちゃんと満たされているのか、徹底的に相手の立場に立って検証することが必要です。しかしこれが難しくて、どんなにできる人でも、意識し続けないと実践できない。愛は奥深いです。

次に「運」。僕は運のよさは後天的に変えられると考えます。
日本経済新聞の「私の履歴書」のなかで、どんな言葉が頻出するかを調べた人がいます。もっとも多かったのは、「努力」でも「がむしゃらに」でもなく、「たまたま」とか「折良く」とか「偶然に」。ここからわかるのは、努力はデフォルトで行うべきことで、いい結果がもたらされたとき、「運がよかった」「周りが助けてくれた」と解釈できる人が成功を掴むということです。周りに感謝すると、自分に何かが返ってきて、さらにパフォーマンスが上がるという好サイクルが生まれる。また、運がいいと思っている人は、ポジティブになりえるものをキャッチする力が強い。「運がいいと思って生きていると、運がよくなる」のです。

最後に「熱」。自分の事業にどれだけ愛情を持っていても、それだけで成功はできません。「愛」は力の向きでしかないんです。「愛」で正しい方向を向いたうえで、「熱」を原動力に大きな力を加えることで、初めて何かを成し遂げられます。
逆に「熱」だけあって、「愛」がなければ、手段を問わずただ事業を成長させようと考えるでしょう。その中で、顧客を欺くような収益の作り方をしてしまうかもしれません。愛を持った人が、正しい方向に大きな熱を注いだら、これはもう最強です。
僕は、人生の時間が有限だからこそ、自分の幸せの原動力が何かを明らかにしたいと考えます。だから徹底的に内省しました。一方で、地図を持たない旅のほうが楽しいという人もいるでしょう。どちらの生き方が優れているかではなく、どちらかに決めることが重要だと思います。
30代ともなれば、社会に出て10年ほど経っているはず。「この10年はもう一度積み重ねる価値がある」と胸を張って言えればいいのですが、もし迷うなら、旅をする、映画を見る、本を読むなど、普段と違う環境で、ゆっくり自分を見つめ直してほしい。そして、この記事と出会ったみなさんには、「自分の幸せな生き方」を定義して、最高の人生を送ってほしいですね。

これからの人生計画ができているか
これからの人生計画ができているかのイメージ

「(これからの人生について)計画したいができていない」という回答が7割を超える結果に。前田氏が勧めるように、意図的に自分を見つめる時間をとるべきだと言えそうだ。

出典:公益財団法人日本生産性本部
第4回「職場のコミュニケーションに関する意識調査」
※係長・主任・職場リーダークラス対象

前田 裕二(まえだ ゆうじ)
1987年生まれ。早稲田大学を卒業後、UBS証券に入社。2011年、UBS Securities LLCに移りニューヨーク勤務を経た後、2013年にディー・エヌ・エー入社。“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」を立ち上げる。2015年に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。ソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受け、合弁会社化。著書に『人生の勝算』。

(制作:NewsPicks Brand Design 執筆:唐仁原俊博 編集:大高志帆 撮影:片桐圭)

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