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2019.01.15 NEW境界線の越えかた

“逆張り”で社会を動かす―人気YouTuber瀬戸弘司が次に見据えるものとは

“逆張り”で社会を動かす―人気YouTuber瀬戸弘司が次に見据えるものとはのイメージ

「僕はずっと“異物”だったんです……」。そう語るのは、2010年からYouTuberとしての活動を始め、現在チャンネル登録者が150万人を超えるトップクリエイター、瀬戸弘司だ。

長きにわたってYouTubeで活動しているにもかかわらず、近年でも若者の金融リテラシー向上を目的とした新チャンネルに登場し話題になるなど、常に第一線で活躍し続けている瀬戸弘司。彼はいま、新たな形で社会を動かそうとしていた――。

瀬戸さんは青年期のほとんどを演劇に費やされていますね。まずは、大学中退から演劇に専念するまでの経緯についてお聞かせください。

僕は福井県出身なのですが、とにかく東京で「大学デビュー」がしたかった(笑)。ただ、上京して大学に通うためには結構なお金が必要になるので、両親や祖父母を納得させるためにも、「いい大学」を受験しました。無事に東京工業大学に合格しましたが、もくろんでいた「大学デビュー」は思うようにいきませんでした(笑)。

「大学デビューしたい」という思いの根底には、「人前に出たい」とか「自分を表現したい」という欲求がありました。悶々と大学生活を過ごす中、2年生の夏休みのときにようやく、自分の欲求を満たすことができそうな演劇というものに出会ったんです。

それであるとき、新聞の広告を見て劇団東俳にオーディションの書類を出したんです。無事入団できたときは、「やっと(やるべきことが)見つかった」という感じでしたね。

そこから演劇にのめり込んでいき、「大学を中退する」という選択をされました。

はい、あまりにも演劇が楽しくて、結局授業に行かなくなってしまったんです。自分としては卒業することに特にこだわりもなかったので、大学を中退して好きな演劇に専念しようと。

演劇中心の生活に苦労はありませんでしたか?

「芝居を作る」ということはもちろん大変でしたが、それも含めて「とにかく楽しかった」という気持ちが記憶の大部分を占めています。

だけど、お金には苦しみましたね。小劇場ではよくあることなのですが、公演を行う際には一人一人にチケット販売のノルマが課せられるんです。当時、僕には本当に友達がいなかったので、チケットを全然売ることができなくて(笑)。その売れなかった分は当然自己負担になるので、公演をやるごとに借金がたまってしまい、家賃の支払いも毎月ギリギリでしたね。

一人の俳優から“YouTuber 瀬戸弘司”になったきっかけ

苦労してでも、俳優活動を続けていくことができた理由は何だったのでしょうか?

根拠はないけど「そのうち自分は売れるだろう」という自信があったからです。ただ、活動を続けている中で、次第に「やっぱり、売れるっていうのは難しいことだな」と思うようになっていきまして…。25歳頃にはだいぶ焦りを感じていました。

それで、状況を打開するべく「新しいこと」にチャレンジすることにしたんです。

まずは、役者としての幅を広げるために脚本を書き始めました。その試行錯誤の延長で、29歳のときに「映像制作も学んでおいた方がいいんじゃないか?」と思い始めたんです。でも、いきなり映画作品を作るのは大変なので、まずは動画編集というものをやってみようか、と。それで始めたのがYouTubeへの動画投稿。僕にとってのYouTubeは、もがきの果てに見いだした一手だったんです。

それに、演劇はチケットを買って劇場まで訪れた人しか観ることができないけれど、YouTubeの動画は世界中どこからでも無料で見ることができる。個人として顔を売るには絶好の場所でした。

2010年には「ガジェット紹介系YouTuber」と呼ばれるようになりました。配信する動画の題材として「ガジェット」を選んだのはなぜですか?
瀬戸弘司のイメージ

当時、ジェットダイスケさんという方のガジェット紹介動画がYouTubeの中ですごく人気があって、僕もその方の動画をよく観ていたんです。個人的な趣味としてパソコンやその周辺機器、カメラや音楽制作機器などガジェット全般が大好きだったので、ジェットさんの動画が大好きでした。そんなこともあって、自分で動画を制作する際には「好きな題材から始めよう」と思い、ガジェット紹介の動画を制作することにしたんです。

まずは、先行者にならうところからスタートしたわけですね。

でも、ジェットさんの動画が好きだからといって、同じことをやっても仕方ないじゃないですか? だから「その逆をいこう」と思いました。いわゆる「逆張り」ってやつですね。

ジェットさんの動画は編集でスバズバと切っていくようなスピード感がトレードマークになっていましたが、僕はそこで端折られていたような部分……。たとえば、その商品がどういう箱に入っていて、どんな感じで出てくるかなどのプロセスもじっくりと見せることにしたんです。

僕自身、そういう動画を観たいと思っていたし、それをやっている人は誰もいなかった。「じゃあ、自分でやろう」という感じでしたね。タブレット端末を題材にした最初の動画だけで計7本あって、一つ一つの尺も長いのですが、結果としてそれが僕の動画の特徴になっていきました。

「逆張り」の意識が、YouTuberとしての基礎になっているのでしょうか?

いま思うと、子供の頃からそういう感覚が好きだったんですよね。たとえば小学生のときに「ビックリマン」のシールが流行っていたんですが、僕だけ「ドキドキ学園」という別のシリーズのシールを大量に集めていました。周りの誰にも共感してもらえませんでしたけど(笑)。「逆張り」は、もう昔からのクセみたいなもんですね。

YouTubeを始めた頃は、現在のように動画クリエイターとして仕事をすると想像していましたか?

いえ、まったく思っていませんでした。そもそもYouTubeでの活動は、趣味も兼ねた、役者としての幅を広げるための映像制作の勉強の一環でしかありませんでしたね。

「動画をつくるということが仕事になるかもしれない」という感覚を抱いたのはいつ頃からですか?
瀬戸弘司のイメージ

YouTubeの動画アップを始めて1年半くらい経った頃でしょうか。収益化できるようになったんです。収益化が始まると、「お、結構もらえるんだな」となった(笑)。

アルバイトをがんばっていた時期があるのですが、YouTubeの収益がそのアルバイトの額を追い越したタイミングがあったんです。たしか、YouTubeでの収益化がはじまってから1年後ぐらいだったと思います。

同じ頃、YouTuber同士で「俺たちこれから、すごいことになるかもしれない……!」と話していたことがあり、夜明け前の熱量のようなものを感じたのを覚えています。

「役者としての幅を広げよう」という思いからスタートしてみたら、そこに収益がついてきた。そのことに対する達成感はありましたか?

うーん、当時そういった感覚はありませんでしたね。周囲の状況が目まぐるしく変化していく状況の中、とにかく楽しく忙しく、目の前のことをひたすらやっていたとういう感じでした。

“逆張りYouTuber”が見据える、次のステップとは

現在、YouTuberの方々が持つ社会的影響力や経済効果には、目を見張るものがあります。瀬戸さんもその中のお一人なわけですが、現在の状況をどのように感じていますか?

いまの状況については、「うわー、みんな集まって来ちゃった」みたいに感じています(笑)。これもまた「逆張り」の一種なんですが、僕は「多くの人が集まっているところにはいたくない」という気持ちがあるんですよ。僕はずっと“異物”だったんです。

先ほどの子供の頃の話で例えるなら、「ドキドキ学園」を集めていた子供だったにも関わらず、いまは僕自身が「ビックリマン」になってしまった、といった感覚があるんです。だから、「次のステップ」を目指さなくてはと。そう最近は思っています。

新しい展開を模索されているという瀬戸さんですが、今年8月に開設された若年層の金融リテラシー向上を主目的としたYouTube動画チャンネル『マネーの亀【MANEKAME】』にご出演されていることも話題となっています。もともと資産運用や株式といったものには興味をお持ちだったのでしょうか?
瀬戸弘司のイメージ

ニュースを見ていると、株価の話題が必ず出てくるじゃないですか。それを聞いてはいるけど聞こえてないフリというか、聞き流しているような状態でしたね(笑)。

ただ、僕は奨学金で苦しんだ経験もあったので、投資や資産運用について「いつか勉強しなきゃ」とか「大人になったから知っておかなきゃ」という気持ちがずっとありました。なので、マネ亀の出演の話をいただいたときは「ちょうどいい機会だ!」と思い、オファーを受けましたね。

資産運用を始める前は、堅苦しくて難しい印象がありましたが、いざ始めてみると、1つのSNSを使い始めるくらいの感覚でした。

収録を重ねていく中で、瀬戸さんご自身の金融に対する考えに変化はありましたか?

自分でも驚きなんですが、「ニュースを見る意識」が変わりました。ある企業が新商品を発表したと聞くと、「じゃあ株価はどう動くんだ?」と意識してニュースを見るようになったり、所有している株式の価格や日経平均株価が落ちていたら、「落ちた理由は何なんだろう?」と注意深く説明を聞くようになったりしました。

ご自身でも驚く変化があったんですね! 今後、番組を通して視聴者にどんなことを伝えていきたいですか?

資産運用の知識は「知らないより、知っておいたほうがいいよ」ということですね。

YouTubeとかSNSを使っている若者のなかでも、自分のように奨学金返済とかでお金に苦しんでいる人ってたくさんいると思うんです。だから、僕みたいな金融リテラシーの低い人が資産運用を始めて、成長していくありのままの姿を配信していくことに意味があるんじゃないかと思っています。

そこでも「逆張り」の精神が効いてくるんですね!

SNSで「#資産運用」というハッシュタグをつけた投稿が流行ったりする社会になったら面白いと思うんですよ。まだ手探りしている最中ですが、資産運用をもっとSNSみたいに手軽なものとして捉えてもらえるために、僕がきっかけを作ることができればと思っています。

では最後に、EL BORDE読者へのメッセージをお願いします。

僕がテンション高く喋っている動画を見て、多くの方は「楽しそうだな」と思うかもしれません。でも、みなさんと同じで、大変なことだらけです。簡単なことなんてありません。だから、「お互いがんばりましょう」という感じですね。

瀬戸さんが現在出演中のYouTube動画チャンネル『マネーの亀【MANEKAME】』。2018年8月の開設後、チャンネル登録者数は30,000人を超える。
金融知識や資産運用についてよくわからない…というEL BORDE読者も多いはず。毎週更新される動画を見ながら、瀬戸さんとともに楽しく金融リテラシーを身につけてはいかがだろうか。

瀬戸 弘司(せと こうじ)
1980年生まれ、福井県出身。東京工業大学を中退後、29歳まで劇団員として活動を行う。映像について学びたいと思ったのがきっかけでYouTube投稿を2010年4月に開始。今では編集上手といえば瀬戸弘司と言われるほど、クオリティの高い動画を作り続けている。現在では音楽制作も行うなど、活動は多岐にわたる。

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