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2018.05.07 NEW 変革のメソッド

【生産性向上特集:前編】定時に帰れてる? 自分なりの「集中できるTPO」を見つけよう!

【生産性向上特集:前編】定時に帰れてる? 自分なりの「集中できるTPO」を見つけよう!のイメージ

集中して仕事をすれば、定時で帰れる。わかってはいるけれど難しいもの。いやいや、自分なりの「集中できるTPO」を見つければ大丈夫!

残業禁止の流れが強まり業務時間が短くなるものの仕事量は減らず、仕事を自宅に持ち帰るなど、個人に負担のしわ寄せが行き、本来の目的と違う結果となってしまっているという声も聞こえてくる。
仕事は業務時間内に終わらせて、言葉通りの「残業ゼロ」の生活を送るためには、どのように生産性を向上していけばよいだろうか。

そこで、前編・後編でお届けする本連載では、「個人の生産性向上」をテーマに、前編では「生産性の尺度として『集中力』を取り上げ、集中するためにはどうすればいいのか」について掘り下げていく。

自分のコンディションを気にしないオフィスワーカー

ここ数十年、諸外国と比べて日本企業の生産性の低さが課題になっている。「残業代が青天井」、「終身雇用」、「就職ではなく就社」という日本独自の企業文化の中で、生産性を意識した働き方をする難しさを指摘する声は多い。ただし、本当にそうなのだろうか?

「それだけではない。パフォーマンスを測る尺度がないせいもある」と異を唱えるのは、「人の集中力」も測定できるメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を開発し、『集中力――パフォーマンスを300倍にする働き方(日本能率協会マネジメントセンター)』の著者でもある井上一鷹さんだ。

ホワイトカラーの生産性が上がらない理由が、なぜ「尺度不在」なのかは、アスリートを例にするとわかりやすい。
「たとえば、短距離走のアスリートは自分のベストコンディションを測るための『自己タイム』を持っている。そのタイムを見て、走るフォーム、ランニングシューズ、食事内容、睡眠時間など細かく記録して、より良いコンディションになるように変えていく。ストップウォッチという「物差し」のおかげで、アスリートはパフォーマンスを振り返ることができる。つまり、今後に向けて、PDCAを回すことができるのだ」

一方、オフィスワーカーはどうだろうか。オフィスチェアは会社で支給されたものを使用、お昼ご飯は近場で簡単に済ませて、夜は気づいたら家のソファーで寝ていた…という1日。その上、大事なプレゼンの前日に深酒してしまった…なんて人もいるかもしれない。

「自分のコンディションに真剣に向き合うことを、今までオフィスワーカーはしてこなかった。でも、お酒を飲んだ次の日は仕事に支障が出ることが、数値化されれば、行動が変わっていく。物差しで人は進化していく」

こうした信念のもと、「生産性」を測る一つの指標として、井上さんが着目したのが「集中力」という尺度だった。「JINS MEME」では、搭載されたセンサーでまばたきと視線移動・姿勢の変化をキャッチすることで、集中・活力・落ち着きなどの状態を捉えている。こうした2000人のJINS MEMEユーザーの客観的データをもとに面白い事実が浮かび上がった。

たとえば、「月曜日と金曜日に、深く集中している人の割合が低くなる」というデータがある。休み明けと休み前は集中力が低下するというのは、読者のみなさんも経験があるかもしれないが、そうしたことが数値化されて見えるようになったのだ。
これは、みんなに共通する要素だが、反対に人それぞれで集中できる環境に違いがあることもわかった。結果は次の通りだ。

集中できるTPOは人それぞれ違う

  1. 【Time(時間)】集中できる時間帯は人によって異なる。

    朝型か夜型かは個人差がある。早起きがすべての人の生産性を上げるわけではないし、夜更かしがすべての人にとって悪いわけでもない。

  2. 【Place(場所)】集中できる場所も人によって異なる。

    「公園>喫茶店>オフィス」の順で集中できる人でも、夏や冬は「喫茶店>オフィス>公園」になる場合もある。同じ喫茶店でも、まわりの会話が多い日は集中できなくなる。

  3. 【Occasion(場合)】タスクによって、集中できる時間帯や場所は異なる。

    アイデア発想時は電車や喫茶店、企画やプレゼンなどの資料作成時は自宅というように、時間と場所はタスクに依存する。

このようにデータ結果から明らかになったのは、集中できる時間・場所・場合(TPO)は、人それぞれ違うということ。つまり、集中力を高めるためには、一人一人が自分の「集中できるTPO」を把握することにあったのだ。

把握するための簡単な方法として、井上さんがおすすめしているのは「自己肯定感」の記録だ。仕事が終わった後に、自分の中での1日を振り返り、「やってやった感」を5段階で評価する。ポイントは、業務ごとに記録すると大変なので、1日を終えた帰り道で振り返ること。

ある程度、記録が溜まっていくと
「午前中に喫茶店で資料作成するのが良かった」
「午後にクライアント先で打ち合わせをすると仕事が進みやすい」
などの自分なりの「勝ちパターン」が見えてくる。
集中力を高めて生産性を上げていくためには、この「勝ちパターン」を意識して、日々のスケジュールに組み込んでいくことなのだ。

ただ、そうは言っても日々の業務に追われ、「集中できるTPO」の中の「TIME(時間)」の確保が難しいという声もあるだろう。そこで、後編では「集中する時間」をどう確保するかについて探っていく。今回紹介した「集中できるTPO」を把握したうえで、「集中する時間」を確保できるようになったら鬼に金棒。ぜひ、日々の生活で実践してほしい。

監修:井上 一鷹(いのうえ かずたか)

株式会社ジンズ JINS MEME事業部事業統括リーダー。1983年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業後、戦略コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルに入社し、大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事。2012年にジンズに入社。社長室、商品企画グループマネジャー、R&D室マネジャーを経て現職。学生時代に算数オリンピックアジア4位、数学オリンピック日本最終選考に進んだ経験がある。

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