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【フォント特集:後編】ワンクリックで資料が改善! 今日から使えるフォント術

【フォント特集:後編】ワンクリックで資料が改善! 今日から使えるフォント術のイメージ

前編では、ビジネス資料の読みやすさは「可読性」「視認性」「判読性」の3つの要素から成り立つこと、そしてその要素をコントロールするために必要なフォント選びの基本を紹介した。

後編では、前編でお話を伺った千葉大学大学院助教の高橋佑磨さんに、実際に二種類のビジネス文章を添削しながら、誰もがすぐに使えるフォント術を教えてもらった。

意外な落とし穴!「疑似ボールド」に用心しよう

高橋さんにチェックしてもらった1つ目の書類は、架空の商業施設のプレスリリースだ(図1)。

まず高橋さんが目を止めたのは、本文に使われているゴシック体のフォント。線が太く可読性の低いゴシックを、ゴシック体のなかでも線が細く可読性の高いゴシックに変換することを提案してくれた。

図1:架空のプレスリリース(Before/After)

図1:架空のプレスリリース(Before/After)

そして次にチェックしたのは、タイトルに使われているフォント。元の書類ではタイトルの視認性を高めようとして太字設定にしているが、よく見ると、文字が潰れてしまっていて読みづらい。

「実は、フォントには文書作成ソフトの太字設定に対応しているものとしていないものがあり、今回使用されていたHG創英角ゴシックUBやMSゴシック、MS明朝などは対応していないものの代表例です。タイトルは太字対応のBIZ UDゴシックなどに変換すべきでしょう」(高橋さん)

高橋さんがいうには、太字対応をしていないフォントを、文書作成ソフトのB(Bold)ボタンを押して太字に設定すると、元の文字をずらして重ねる疑似ボールド処理がおこなわれるため、文字が潰れてしまうことがあるそう。図1のBeforeとAfterを比べてみると、本文の可読性やタイトルの視認性がぐっと高くなったことがわかるだろう。

「太字設定に対応しているフォントの例として、ほかにはメイリオ、ヒラギノ角ゴ、游ゴシック、游明朝、Timesなどがあるので覚えておくと良いでしょう」(高橋さん)

また、タイトルまわりを作成する際にやってしまいがちなのが、文字に輪郭や影をつけたり、立体的にしたり、遠近感をもたせるなどの過剰装飾だ(図2)。

図2:文字を飾りすぎると読みにくくなる

図2:文字を飾りすぎると読みにくくなる

輪郭をつければ字が潰れてしまうし、影をつけると可読性や視認性、判読性が下がってしまう。むしろ悪目立ちして読み手に不快な思いをさえてしまうこともあるので、よほどの理由がない限りはやらないほうが無難だ。

和文には和文フォント、欧文には欧文フォントを使用する

次に見てもらった書類は、架空の動画配信チャンネルが社内に配布するために作成したキャンペーン企画書だ(図3)。

社内向けの書類ということもあり、一見したところ可もなく不可もなくというシンプルな作りにしてあるが、これもほんの少しの工夫で印象が変わる。

「同じ文章内でも、英字はフォントを使い分ける必要があります。本文に使われているMSゴシックをメイリオに、英字をSegoe UIに変換しましょう」(高橋さん)

読み比べると、BeforeはAfterと比べて英字が読みにくく、日本語との並びにも違和感があるのが分かる。実は、和文と欧文が混在する際のフォントの使い分けは、「意外な盲点」なのだという。

図3:架空のキャンペーン企画書(Before/After)

図3:架空のキャンペーン企画書(Before/After)

和文と欧文が混在する文章を書く際、和文フォントのまま欧文を書いてしまうことも少なくないが、和文フォントは欧文を組むためにつくられた文字ではないため、一部の例外を除いて英字で書かれた箇所の可読性が著しく低くなってしまう。和文には和文フォントを、欧文には欧文フォントを使うこともまた、美しい文書を作るポイントの一つなのだ。

ただし、和文と欧文フォントには、“組み合わせの相性”がある。そのため、「和文フォントと欧文フォントを組み合わせる場合は、日本語と英数字が馴染んで見えることがもっとも大切です」と高橋さん。

「日本語がゴシック体なら、それに並ぶ英数字はサンセリフ体(Segoe UI、Arial、Helveticaなど)を、日本語が明朝体なら英数字はセリフ体(Times New Romanなど)を組み合わせると良いでしょう。また、欧文フォントは和文フォントより小さく見えるものが多いので、和文フォントと組み合わせる場合、HelveticaやSegoe UIなど字面の大きい欧文フォントを選ぶときれいに馴染みます」(高橋さん)

わざわざ手動でフォントを選ぶのは面倒だと思われるかもしれないが、フォントの書式設定で日本語用フォントと英数字用フォントをそれぞれ設定すれば、個々の単語ごとにフォントを設定する必要はない。覚えておいて損はないはずだ。

些細なテクニックの積み重ねが「良い資料」をつくる

図3のBeforeとAfterを見比べてみてもう1箇所、このキャンペーンのテーマである「TOUCH YOUR HEART」というフレーズが太字に変わっていることに気づいただろうか。文書全体の文字のサイズや太さに強弱がないと、資料が単調になって内容を把握しづらくなる。「もっとも伝えたいことを相手に直感的に理解してもらえるよう、タイトルや小見出し、強調箇所は太く、大きくすることが大切です」とは高橋さんの言葉だ。

以上、実際の資料を参考に、仕事に活かせるフォント知識を紹介してきた。いずれも“些細なこと”に見えるが、その積み重ねであなたが作成する文書は確実に「良い資料」になるはず。見本となる文書には架空のプレスリリースと企画書を用いたが、あなたが毎日のように作成している通常のビジネス文書にも、当然これらのテクニックが活用できる。今回の記事きっかけに、ぜひ資料作成の方法を見直してみてはいかがだろうか。

【お話をお伺いした方】
高橋 佑磨(たかはし ゆうま)
1983年、東京生まれ。2010年、筑波大学大学院生命環境学科研究科修了、博士(理学)。現在は、千葉大学大学院理学研究院助教。専門は進化生態学で、生物多様性の成立機構や機能について研究。研究発表の資料作成に必要なデザインのノウハウを普及することを目的にウェブベージ「伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン」を運営。2014年には書籍『伝わるデザインの基本 よい資料を作るためのレイアウトのルール』を上梓した。

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