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愛すら数値化する定量化思考とは? ビジネス数学教育家が教える、伝わる言葉の作り方

愛すら数値化する定量化思考とは? ビジネス数学教育家が教える、伝わる言葉の作り方のイメージ

ビジネスシーンにおいて、「あいまい」な表現はご法度。企業活動の前提が利益の追求である以上、利害関係のある相手に向けて語る言葉には、数字に基づいた根拠が求められる。“伝わる”話し方には定量的な視点が不可欠なのだ。

一方で、たとえばサービス業における「ホスピタリティの高さ」など、ビジネスシーンで頻出するにもかかわらず、定量化が困難な概念があることも事実。では、「ホスピタリティの高さ」について説得力をもって語るには、どうすればよいのだろうか。

そうした疑問に対し、「どんな概念でも数字化することができる」「世の中のあらゆるものは定量化できる」と豪語する識者がいる。ビジネス数学教育家、深沢真太郎さんだ。

定量化思考に不可欠な「定義」と「比較」

一見すると数字では表せないと感じる概念も、ある思考回路を働かせることで簡単に定量化することができると深沢さんはいう。そうした「定量化思考」の方法を学ぶにあたり、わかりやすいのが“愛”を定量化する方法の例だ。

「『愛はプライスレス』と言いたいところですが(笑)、“定義”と“比較”という2つの思考回路を用いることで定量化することができます」と深沢さん。どういうことか。

「愛を定量化しようとする場合、まず“愛があるとはどのような状態か”をはっきりさせなければなりません。だから定義する。ここでは仮に、愛の量は誕生日プレゼントの金額に表れると定義してみましょう。少々乱暴かもしれませんが、愛が多ければ多いほど、相手への誕生日プレゼントの金額も大きくなると考えます」

あなたは恋人への誕生日プレゼントに、どのくらいお金をかけることができるだろうか。特定の金額を思い浮かべたら、次に、恋人ではない普通の知人へ渡す誕生日プレゼントにはいくらお金をかけられるかを考え、両者を比較する。そうすることで“愛”を定量化することができる、というのが深沢さんの考えだ。

「私が恋人への誕生日プレゼントを買うとしたら、予算は5万円くらいでしょうか。一方、普通の知人への誕生日プレゼントとなると、正直にいって5,000円くらいしか出ません(笑)。つまり、私の恋人に対する“愛”は、知人への“愛”と比べて10倍ほどの量であるということになります」

もちろん、これは絶対的な正解ではない。上記はあくまでもひとつの考え方であり、ほかにもいろいろな「定義」や「比較」の方法が考えられる。だから面白い。

たとえば「愛」を「一緒にいる時間の長さ」に表れると定義した上で時間の長さを比較したり、もしくは「1日に“ありがとう”と言う回数」に表れると定義した上で回数を比較したり。どのように定義するかによって、最終的に算出される数値は異なってくる。

結論として、この例で言いたかったことは、ものごとを定量化するにはいずれにしても「定義」と「比較」が不可欠であるということだ。特に「定義」は、定量化を含むあらゆる数学的思考の大前提であると深沢さんは強調する。

無駄な会議は「定義」不足から生まれる

たとえば会議。日本の会社は無駄な会議が多すぎるとよくいわれるが、それは多くの会議において「定義」が正しく行われていないからであると深沢さんは指摘する。

「会議を始めるにあたり大切なことは、最初に『この会議は何のための会議なのか』を確認し、会議の目的を定義することです。その会議の目的が、単なる情報共有なのか、意思決定なのか、ブレストなのか、などです」

仮に「今日の会議の目的は10個のアイデアを出すことだ」と定義していた場合、「会議の時間が半分を過ぎたのに、まだ3つしかアイデアが出ていない。後半はファシリテートの方法を変えてみよう」といったように、会議のパフォーマンス向上につなげることができる。

逆にいえば、会議の目的が定義されていなければ、目的もなしにダラダラと時間だけを無駄に消費してしまうかもしれない。「定義」は、あらゆるビジネスシーンにおいて不可欠な行為なのだ。

ビジネスに定量化思考を活かす方法

以上、定量的、数学的な思考における「定義」と「比較」の重要性を解説した。

では、この「定義」と「比較」を使って具体的なビジネスシーンで定量化思考を活用する──たとえば「ホスピタリティの高さ」を説明するにはどうすればいいのか。

次回の記事は、こうした思考法をビジネスに活かすための具体的な方法を詳しく紹介する。

【お話をお伺いした方】
深沢 真太郎(ふかさわ しんたろう)
神奈川県生まれ。ビジネス数学教育家。理学修士。BMコンサルティング株式会社代表取締役。一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。日本数学検定協会「ビジネス数学検定」国内初の1級AAA認定者。予備校講師などを経て、ビジネスパーソンの思考力や数学力を鍛える「ビジネス数学」を提唱する研修講師として独立し、人材育成に従事。企業、大学、ビジネススクールなど、延べ8,000名以上への指導経験をもつ。著書にベストセラーにもなった『数学女子智香が教える 仕事で数学を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など多数。2018年には小説家としてもデビューした。

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