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2018.08.27 NEW80年代生まれのリアル

“未来の通貨”はどうなる? 80年代生まれのキャッシュレス事情【後編】

“未来の通貨”はどうなる? 80年代生まれのキャッシュレス事情【後編】のイメージ

80年代生まれのキャッシュレス化の進行度を紹介した前編に続き、後編ではキャッシュレス化のメリットと、未来の通貨がもたらす暮らしを大予測!

そもそもキャッシュレス化のメリットは?

前編でご紹介したとおり、日本でも政府が推進するキャッシュレス化の波は、80年代生まれのビジネスパーソンにも徐々にではあるが広がっている。
では、そもそもキャッシュレス化が進むと、私たちの日常生活にはどのようなメリットがあるのだろうか。

もちろん第一に考えられるメリットは、硬貨や紙幣といった現金通貨を持ち歩かずにすむことだ。現金での決済であれば、当然ながら物を買うにもサービスを受けるにも硬貨や紙幣が必要になる。対してキャッシュレス決済であれば、電子データを記録すれば取引が成立する。

銀行の窓口やATMに並んで現金を引き出す必要もなければ、現金の紛失や盗難といったリスクもない。スーパーやコンビニをはじめ各商店でキャッシュレス化が進めば、お釣りのやり取りが省略できるため決済はスムーズに。レジでの混雑は大幅に解消され、店舗の側としても労働コストが削減できるだろう。

また、クレジットカードや電子マネーなら利用履歴の確認も容易。最近では銀行口座やカードの利用状況と連動する自動家計簿アプリなども登場し、家庭での支出や資産を帳簿や通帳なしで簡単に一元管理できるようになっている。

つまり、財布に溜まる小銭や支払い時の煩わしさから開放されるうえ、どこでどうお金を使ったかをきちんと後から追跡できるという点も、私たち消費者にとってはメリットとなるわけだ。

キャッシュレス化で新たなお金の動きが生まれている?

「硬貨や紙幣をつくったり輸送したり、さらには数えて管理したりと、現金を扱うためにはさまざまなコストがかかります。そうしたコストが大幅に削減できるのもキャッシュレス化の大きなメリット。国や企業、消費者にとってもキャッシュレスが現金より合理的で便利なのは間違いありませんし、将来的には日本でもキャッシュレス決済を選ぶ人の割合は高くなっていくはずです」

そう話すのは、博報堂生活総合研究所の三矢正浩さん。

さらには、「キャッシュレスで現金を扱う必要がなくなれば、紙幣や硬貨といった形や既存の使い方のルールに縛られる必要もありません。すでに現在でも、新たな“お金の動き”がどんどん生まれています」と三矢さんは指摘する。

電子化された“形に縛られないお金”は、いつでもどこでも、簡単な操作で使ったり送ったりできる。例えば最近では、個人的なチャレンジや人助け、仲間内でのイベントなどを個人が企画し、賛同者からの数百円単位の小額寄付を募れる“個人向けのクラウドファンディング”も登場。生活者同士で直接お金を送り合ったり、取引したりすることが容易になってきた。

「実際に個人向けクラウドファンディングでよく寄付をするという30代の男性に聞くと、『募金箱に入れたお金は誰からのお金かわからなくなるけれど、アプリでの寄付なら電子データで誰が寄付したかという記録が残る。顔が見える、実名性が高いお金になったぶん、寄付したお金を大切に役立ててもらえるんじゃないかと思えるし、後日お返しがもらえることもある』と。つまり、人にお金を託したり、あげたりすることでつながりや幸せを得る。そんなキャッシュレスな世界ならではともいえる、新しいお金の役立て方や楽しみ方が広がっているんです」(三矢さん)

三矢さんのそんな発言を裏付けるのは、博報堂生活総合研究所が実施した「お金に関する生活者意識調査」。その調査によると、「お金は自分のために使いたい」と考える人は全世代で64.5%(30代は60.3%)。反対に「自分より誰かに役立てて欲しい」と答えた人の割合は全世代で35.5%。ちなみに30代では、全世代の平均よりも4.2ポイント高い39.7%となっており(図1)、そんな新しいお金の楽しみ方が少しずつ広がってきているといえるだろう。

図1:自分か自分以外、お金は誰のために役立てたい?

二者択一で「現在、あなたのお金に対する意識・態度に近いのはどちらか」「10年後、あなたはお金に対する意識・態度をどちらに近づけたいか」を質問。

全世代の平均

全世代の平均

30代

30代

出典:博報堂生活総合研究所「お金に関する生活者意識調査(第3回)」

※全国の20歳~69歳の男女3,600人を対象にしたインターネット調査。2017年11月16日~11月20日に実施。30代の数値については博報堂生活総合研究所の三矢正浩氏より別途提供。

また、同じ調査を見ると、現時点で「生きるために頼りになるのはお金だ」と答えた人は全世代の60.8%に対し、30代は63.0%と数ポイントほど上回る結果に。また、10年後の意識を聞くと全世代の50.9%の人が「生きるために頼りになるのはお金以外」と答えているのに対し、30代は52.6%とこちらも数ポイントほど平均を上回った(図2)。
いまはお金が頼りだけれど、10年後はお金以外(例えば能力や信用)を頼りにしたい――。こうした傾向が他の世代に比べて強いことも、30代の特徴といえるだろう。

図2:生きるために頼りになるのは?

二者択一で「現在、あなたのお金に対する意識・態度に近いのはどちらか」「10年後、あなたはお金に対する意識・態度をどちらに近づけたいか」を質問。

全世代の平均

全世代の平均

30代

30代

出典:博報堂生活総合研究所「お金に関する生活者意識調査(第3回)」

※全国の20歳~69歳の男女3,600人を対象にしたインターネット調査。2017年11月16日~11月20日に実施。30代の数値については博報堂生活総合研究所の三矢正浩氏より別途提供。

キャッシュレス時代には、こんな未来が当たり前に?

キャッシュレス社会とは、現金通貨の代わりに電子化された“お金”で取引が行えるようになる社会であり、そうした社会では既存のお金の枠組みを超える新たな価値を持つ“通貨(あるいは通貨的なもの)”が生まれる可能性だってある。

博報堂生活総合研究所では、未来に生まれるかもしれない、新たな概念や価値を持つお金やそのしくみを「生活者通貨」と定義。生活者のお金についての意識の変化から未来を予測する形で、“自力通貨” “協賛通貨” “遊戯通貨” “連帯通貨”といった4つの生活者通貨コンセプトの仮説を提示している。

「“自力通貨”とはその名の通り、現金の替わりに“自力”をやり取りするというもの。いわば能力の物々交換のようなイメージで、人が自分の能力や信用を元手に取引して生活できる通貨です。そして“協賛通貨”は、個人向けクラウドファンディングのように、自分でできないことを誰かに託して実現してもらうための専用の通貨。“遊戯通貨”は暇なときにお金を送りあって遊ぶなど、お金のやり取りそのものを楽しむための通貨で、“連帯通貨”は特定の地域やグループの連帯を高め、他者とのつながりを深めるための通貨です」(三矢さん)

それぞれの通貨が当たり前になった未来では、一体どのようなことが起こるのだろうか? ここではそんな未来の世界の一端も紹介しておこう。

自力通貨が当たり前になった世界では?

「『貯金』から『貯力』へシフトする」
支払えば減ってしまうお金の「貯金」から、支払っても減らない能力を貯める「貯力」に価値観がシフト。能力は使うたびに貯まるから、経済活動もどんどん活発に。「毎週パンを焼いてもらう代わりに、月に一度はヘアカットをする」といった、自力通貨による月極契約も個人間で行われるようになる。

「自力測定デバイスが登場」
目の前の相手がどんな“自力”を持っているか測定できる専用デバイスも登場。みんなの「できること」は常にオープンになり、求めるスキルを持っている人同士が出会えばすぐに取引が始まるようになる。

協賛通貨が当たり前になった世界では?

「夢を叶える専門チームが現れる」
「すべての世界遺産を旅する」など、人々の夢を叶えるためにクラウドファウンディングを行う専門チームが登場。VRによる疑似体験で、協賛通貨を託してくれた人には体験を瞬時にフィードバック。

「子どもの未来も協賛対象に」
経済的に恵まれないが才能のある子どもたちを支援する仕組みも簡単に。専用アプリで子どもたちから支援者に日々フィードバックを行うことで、血縁を超えて新たな結びつきが出現。「祖父母が100人いる」といった感覚で育つ子どもも珍しくはなくなる?

遊戯通貨が当たり前になった世界では?

「季節の挨拶もナンパも遊戯通貨で」
お中元やお歳暮、年賀状など、季節の挨拶はメッセージ付きの電子マネー(遊戯通貨)を直接送り合うように。また、街を歩いていて気になる異性を見つけたら、メッセージを付けてお茶代を送金。そんなゆるいナンパも流行するかも。

「納税がおひねり化する」
定められた税金以外にも、例えば市長がよいことや面白いことをしたら、市民が「おひねり」を自治体にサッと送金。遊ぶようにお金をやり取りする遊戯通貨が一般化すれば、納税のハードルも下がるうえ、首長の発言力によって各自治体の税収が大きく左右されるようになる?

連帯通貨が当たり前になった世界では?

「持っている連帯通貨で自己紹介」
趣味や嗜好、出身大学など、どんな連帯通貨を持っているかが個人のポートフォリオに。ビジネスでの挨拶でも、連帯通貨を見せ合うことが互いをよく知るために当たり前の光景になるかも。

「各地で通貨対立が起こる」
「●●通貨以外はお断り」という商店や、特定の通貨だけでしか購入できない限定商品なども登場。各地域や特定のスポーツ球団のファンなど、異なる連帯通貨を持つ人々の間でシェア争いや通貨対立が起きる可能性も。

「もちろん、日本で現金を基盤にした経済活動が完全になくなるわけではありませんし、従来どおりのお金の使い方も当然ながら残ると思います。とはいえ、キャッシュレス化が進んだ未来では、生活者がもっと自由にお金の使い道やルールを考えたり、楽しんでお金を使えるようになるはずです」と三矢さん。

いまより便利で楽しいキャッシュレスな未来。多くの人がその可能性に気づいたときには、“現金社会”といわれる日本でも、キャッシュレス化が急速に進むのかもしれない。

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