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2019.03.11 NEW

【地方移住特集:後編】年収400万円未満でも2拠点生活! デュアルライフの実態

 【地方移住特集:後編】年収400万円未満でも2拠点生活! デュアルライフの実態のイメージ

前編では、“地方移住願望”を持つ若者が多いこと、また具体的に、どういった地域が人気を集めているのかなどについて調査データを紹介した。

続く後編では、近年流行の兆しを見せている新しいスタイルの地方移住、“デュアルライフ”について紹介しよう。

デュアルライフ開始者の約6割が20代と30代

生活拠点を完全に移す“地方移住”に対し、デュアル(2つの)という言葉通り、都心と自然豊かな里山など、2拠点での生活を楽しむ移住スタイルであるデュアルライフ。

このデュアルライフを実施する人が、近年増え始めていることをご存知だろうか?

株式会社リクルート住まいカンパニーが実施した調査によると、2018年にデュアルライフを開始した人は全国で推計17.1万人。その数は2011年と比べて、なんと2倍近くにもなっている(図1)。

図1:デュアルライフ開始者(推計)の推移

図1:デュアルライフ開始者(推計)の推移

出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」
※2011年以降に2拠点生活を開始した、現在2拠点生活を実施あるいは中止している全国の20代〜60代の男女を対象に調査。
※デュアルライフ開始者(推計)は全国20〜60代男女の人口(平成30年6月時点)79,148万人に各年における全国の20〜60代男女の2拠点生活開始者の割合に乗じて推計

とはいえ、いくらデュアルライフを始める人が増えていると聞いても、それは豪華な別荘を所有する富裕層や、老後資金に余裕のあるシニア層のことであって、自分には関係ないと考える読者も多いかもしれない。

しかしなんと、デュアラー(2拠点生活実施者)の世代別割合を見てみると、なんとその半数以上を30代以下の若い世代が占めているのだ(図2)。

図2:デュアラー(2拠点生活実施者)の実態(年代)

図2:デュアラー(2拠点生活実施者)の実態(年代)

出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」2018
※現在2拠点生活を実施している東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住の20代〜60代の男女を対象に調査。

また更に驚いたことに、デュアルライフを実施するかどうかは、年収とも関係がないようだ。デュアラーの世帯年収は400万円未満が16%、400万円〜600万円未満が19%、600万円〜800万円未満が18%と、800万円未満の世帯が半数を超えているのだ(図3)。

図3:デュアラー(2拠点生活実施者)の実態(世帯年収)

図3:デュアラー(2拠点生活実施者)の実態(世帯年収)

出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」2018
※現在2拠点生活を実施している東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住の20代〜60代の男女を対象に調査。

無理ない範囲で始めるデュアルライフ

なぜ金銭的に余裕がない人でも2拠点生活が可能になったのか。

近年、地方では過疎化によって空き家の数が増加しており、そうした物件の価格も低下傾向にある。さらにはインターネットによって地方の物件が検索できるようになったうえ、シェア文化が浸透したことで、これまで眠っていた地方の空き物件の利活用が進んでいるのだ。

たとえば、月に2万円程度の家賃で田舎町の広大な物件を借りて週末を過ごす、あるいは里山の古民家を格安で2拠点目として購入し、使わないときには民泊として貸し出す、など。地方の空き物件を上手に活用して週末だけの移住を行うことで、潤沢な資金がなくとも自らの所得やライフスタイルに合わせて、無理なくデュアルライフを実施することができるのだ。

実際に、リクルート住まいカンパニーの調査によると、「2拠点目への年間滞在日数」は30日以上〜60日未満が最多で24%、次いで60日以上〜90日未満、20日以上〜30日未満が21%となっている(図4)。

また、「2拠点目への移動時間」は1時間以上〜2時間未満が43%でダントツのトップ(図5)。移動も滞在も無理のない範囲で、上手にデュアルライフを実施している人たちの実態が見えてくる。

図4:2拠点目への年間滞在日数

図4:2拠点目への年間滞在日数

出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」2018
※現在2拠点生活を実施している東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住の20代〜60代の男女を対象に調査。

図5:2拠点目への移動時間

図5:2拠点目への移動時間

出典:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」2018
※現在2拠点生活を実施している東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に在住の20代〜60代の男女を対象に調査。

国や自治体、学校がデュアルライフを推進

都会での生活では満喫できない趣味を追求したい人や、自然の中での暮らしや子育てに憧れる人にとって、さらには本格的な地方移住を目指す際の“プレ移住”としても、気軽に始められるデュアルライフはうってつけの選択肢となりそう。

実は近年、国土交通省もそうした二地域居住を推進している。2016年度と2017年度には、「二地域居住等推進モニター調査」を実施。官民が連携した先駆的な取り組みに対して助言やプロジェクトの立ち上げ費用支援などを行っているのだ。

具体的には、お試し住宅を利用した二地域居住体験(千葉県銚子市)や、現地体験コンテンツの紹介やマッチングサービス構築(長野県富士見町)、古民家リノベワークショップ(千葉県南房総)などなど。

さらに徳島県では、首都圏をはじめとする3大都市圏の公立小中学校に通う子どもたちが、サテライト校(副籍校)として徳島の小中学校に通える“デュアルスクール”がスタートしている。

働き方の多様化が加速するなか、こうした学校や各自治体での取り組みがさらに広がれば、より多くの人が当たり前に都会と地方の“2拠点”を行き来するような時代が来るのかもしれない。

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