2020.06.04 NEW
無駄だと感じる作業は?――30代が「クリエイティブに仕事ができない」と悩む理由
各社でテレワークの導入などが加速する昨今。今後の働き方が大きく様変わりしそうなこのタイミングで、改めて自分の普段の仕事ぶりを見つめ直してみようと考える人も多いのではないだろうか。
特に若手ビジネスパーソンであれば、会社や上司から与えられた業務をそのまま実行するだけの毎日に、物足りなさや不安を感じることもあるだろう。たとえ同じ仕事でも、そこに何かプラスアルファの価値を生み出せなければ、当然ながら成長して同僚やライバルたちに差をつけることはできない。
仕事に創造的に取り組めない理由とは?
働き方改革のためのプラットフォームを開発・提供する株式会社チームスピリットが1,032人のビジネスパーソンを対象にした調査によると、9割以上の人が「仕事に創造的に取り組みたい」と考えていることがわかった。そういった思いがある一方で、そのうち「創造的に仕事に取り組めていると思う」と回答した人は52.2%(図1)。
つまり約半数の人が、「仕事に創造的に取り組みたい」と思いつつも実際には創造的に取り組めていないということがわかった。
出典:株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」
※全国の20代~50代の男女1,032名を対象にしたインターネット調査。2018年12月19日~12月22日に実施。
ではなぜ、半数近い人が創造的に仕事をしたいのにもかかわらず、取り組めていないのだろうか。
同じ調査で「仕事に創造的に取り組めない理由」を聞いたところ、「心のゆとりがないから」、「人手が足りないから」といった回答がありつつ、一番回答が多かったのは「時間がないから」であった(図2)。ビジネスパーソンの大半が創造的に仕事に取り組めていない理由は、少なからず「時間」が影響しているのだ。
出典:株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」
※全国の20代~50代の男女1,032名を対象にしたインターネット調査。2018年12月19日~12月22日に実施。
また、30代に着目してみると、「時間がないから」の回答が64%となり、他の年代の中でもダントツであることがわかる。30代は、新人から中堅となり部下も増えてくるタイミングにあたるため、創造的に仕事に取り組めていないと感じやすいのかもしれない。
1カ月の40%以上を無駄な作業に時間を費やしている
同じ調査では、大半のビジネスパーソンが普段の仕事に多くの無駄を感じていることも明らかになっている。
「普段の仕事で無駄だと感じる作業はあるか」という質問では、78%の人が「無駄だと感じる作業がある」と回答(図3)。無駄に感じている作業のトップは「社内会議のための資料作成」の38.1%。次いで「業務報告書・日報週報作成」が36.3%で、高い割合となっている(図4)。
出典:株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」
※全国の20代~50代の男女1,032名を対象にしたインターネット調査。2018年12月19日~12月22日に実施。
出典:株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」
※全国の20代~50代の男女1,032名を対象にしたインターネット調査。2018年12月19日~12月22日に実施。
また、「普段の仕事で無駄だと感じる作業」について、実際にどのくらいの時間を無駄にしているかを聞いたところ、「社内会議のための資料作成」には週に平均214分、「業務報告書・日報週報作成」には週に平均132分かけていることがわかった。トータルでみると、これらの無駄な作業に1週間で平均994分、1カ月では66時間以上もの時間が無駄と思える作業に当てられていることがわかった(図5)。
1カ月の労働時間が160時間(20営業日×8時間)とすれば、およそ40%以上を無駄な作業に時間を費やしていることになる。
社内会議のための 資料作成 |
214分/週 |
---|---|
業務報告書/ 日報週報作成 |
132分/週 |
稟議・申請 | 133分/週 |
勤務登録 | 118分/週 |
経費精算 | 98分/週 |
工数計算 | 123分/週 |
その他 | 174分/週 |
週合計 | 994分/週 |
月合計 | 66時間/月 |
出典:株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」から編集部作成
※全国の20代~50代の男女1,032名を対象にしたインターネット調査。2018年12月19日~12月22日に実施。
こんな時代だからこそ普段の仕事ぶりの再点検を!
ここまで見てきたように、仕事に創造的に取り組めないのが「無駄な作業に要する時間」のせいであるならば、そうした無駄な作業をいかに“効率化”するかが大切になる。個人のレベルでも仕事の進め方を工夫することで、無駄な作業を効率的に処理することができるのではないだろうか。
たとえば、普段の仕事を細かにタスク化して優先順位をつけ、スケジュールに落とし込んでいくなど、段取りを整えたり、タイムマネジメントを行ったりすることも有効だ。
どのような時代でも生き抜けるように、ぜひこの機会に普段の仕事の進め方を自分なりに点検し、よりクリエイティブに仕事ができるビジネスパーソンを目指していきたい。
EL BORDE(エル・ボルデ)では、限られた時間内で確実に仕事を終わらせ、アウトプットのクオリティを最大化することができる「段取り力」や、それぞれの作業を視覚化し、優先順位を明確にする「WBS作成術」に関する記事を取り上げている。
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