2025.08.22 NEW

TICAD開催で関心高まるアフリカ関連日本株 野村證券ストラテジストが解説

TICAD開催で関心高まるアフリカ関連日本株 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

アフリカ開発会議が横浜で開催

2025年8月20日から22日にかけて横浜市で開催されるTICAD(アフリカ開発会議)は、日本とアフリカ各国が3年に1度の頻度で実施している国際会議です。今回は協賛企業が登壇するセッションも多く、関連する報道も目立ちます。日本政府は、インドからアフリカにかけての地域を新たな経済圏と位置付け、「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」構想を提唱しました。これは、経済成長の促進や日本企業によるロボットなどを活用した支援を柱とするものです。

日本企業によるアフリカ現地法人の売上高は、2010年代には伸び悩んでいましたが、2020年代に入ってから拡大傾向が鮮明になっています。2019年度の売上高は1.7兆円でしたが、2023年度には2.4兆円と、約4割増加しました。特に、輸送用機械、運輸、卸売業の現地法人売上高が近年拡大しています。

日本企業のアフリカ現地法人売上の推移

日本企業のアフリカ現地法人売上の推移のイメージ (注)海外事業活動基本調査は海外に現地法人を有する日本企業が調査対象(金融業、保険業及び不動産業を除く)。「現地法人」とは、海外子会社(日本側出資比率が10%以上の外国法人)と海外孫会社(日本側出資比率が50%超の海外子会社が50%超の出資を行っている外国法人)の総称。2024年3月期の現地法人の売上高は374兆円。
(出所)経済産業省より野村證券市場戦略リサーチ部作成

アフリカ関連売上高を開示している上場企業は25社と限定的ですが、これらの企業やアフリカ開発協会法人会員企業は「アフリカ関連」企業と位置付けることができます。アフリカ関連の日本企業は、2024年以降の株価パフォーマンスが堅調であり、その相対株価はアフリカ現地株価指数とも連動する傾向があります。

アフリカ関連日本株(vsTOPIX)と現地株価指数

アフリカ関連日本株(vsTOPIX)と現地株価指数のイメージ (注)「アフリカ関連日本株」は、アフリカ関連売上を開示する上場企業、アフリカ開発協会法人会員企業が対象で平均パフォーマンスを算出。
(出所)MSCI、FTSE、ブルームバーグ、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成

今回、「アフリカ関連」企業を、アフリカ関連売上高を開示している、アフリカ開発協会法人会員である、またはアフリカ関係会社を有している企業と定義し、スクリーニングを行いました。建設・プラント、建設機械・重機、自動車・タイヤ、中古車販売、商社などのセクターで該当企業が多い状況です。

アフリカ関連企業
コード 企業名 時価総額
(10億円)
アフリカ関連売上地域 売上に占める当該地域比率 アフリカ現法の数 一般社団法人アフリカ開発協会法人会員
1719 安藤・間 306.6
1860 戸田建設 332.5
1885 東亜建設工業 185.5
1893 五洋建設 303.7
1963 日揮ホールディングス 354.9 アフリカ 4.0%
2325 NJS 56.4 アフリカ 0.3%
2802 味の素 4,066.8 1
3116 トヨタ紡織 442.8 1
3405 クラレ 548.5
4401 ADEKA 329.7 1
4523 エーザイ 1,324.7 1
4578 大塚ホールディングス 4,344.5 4
4613 関西ペイント 429.9 アフリカ 8.3% 1
4997 日本農薬 80.8 1
5108 ブリヂストン 4,721.8 欧州・中近東・アフリカ 19.7% 1
5110 住友ゴム工業 449.7 1
5334 日本特殊陶業 1,058.2 1
5938 LIXIL 541.2 1
6136 オーエスジー 197.6 欧州・アフリカ 23.0% 1
6269 三井海洋開発 489.4 1
6301 小松製作所 4,844.2 中近東・アフリカ 8.3% 1
6305 日立建機 1,028.2 ロシアCIS・アフリカ・中近東・アフリカ 6.2%
6367 ダイキン工業 5,888.7 1
6381 アネスト岩田 64.9 1
6413 理想科学工業 87.6 1
6471 日本精工 380.2 1
6638 ミマキエンジニアリング 59.0 6
6701 日本電気 6,282.4 ヨーロッパ・中東・アフリカ 10.0%
6841 横河電機 1,162.1 中東・アフリカ 17.4%
7011 三菱重工業 13,865.7 アフリカ 1.2%
7013 IHI 2,629.6
7085 カーブスホールディングス 73.4 1
7201 日産自動車 1,235.3 2
7202 いすゞ自動車 1,385.3 2
7211 三菱自動車工業 596.0 1
7261 マツダ 618.1 1
7272 ヤマハ発動機 1,117.4
7282 豊田合成 441.9 2
7593 VTホールディングス 59.2 アフリカ 4.0% 1
7701 島津製作所 1,061.4 1
7731 ニコン 470.7 1
7744 ノーリツ鋼機 182.1 中東アフリカ 2.3%
7752 リコー 774.0 欧州・中東・アフリカ 25.6%
7846 パイロットコーポレーション 188.2 1
8015 豊田通商 4,153.1 アフリカ 15.2% 1
8031 三井物産 9,519.2 1
8053 住友商事 4,930.4 中東・アフリカ 6.7% 1
8078 阪和興業 266.7 1
8098 稲畑産業 183.4 1
8113 ユニ・チャーム 1,881.0 1
9143 SGホールディングス 1,107.9 1
9603 エイチ・アイ・エス 116.2 ヨーロッパ・中近東・アフリカ 8.0%

(注)対象は時価総額500億円以上の全上場企業。(1)アフリカを含む地域の売上を開示、(2)アフリカ関係会社・現地法人が確認できる、(3)アフリカ開発協会法人会員のいずれかを満たす企業を掲載。業績予想はQUICKコンセンサス(東洋経済予想で補完)。その他は実績ベース。2025年8月13日時点。
(出所)各社資料、QUICK、東洋経済新報社より野村證券市場戦略リサーチ部作成

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー – 需給から見た日本株高値更新の解釈(2025年8月14日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

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