2025.12.19 NEW
2026年は米中間選挙に注目 経験則では秋に株価上昇、背景は? 野村證券・坪川一浩
撮影/タナカヨシトモ(人物)
2026年の株式市場を展望する上で、2026年11月に控える米国の中間選挙は重要イベントの1つです。米中間選挙が実施される年の世界の株価は、年間を通してどのように変動する傾向があるのでしょうか。野村證券投資情報部シニア・ストラテジストの坪川一浩が過去の米国株、世界株のパフォーマンスを検証し、米中間選挙のアノマリー(経験則)を解説します。

中間選挙の年、米国株は秋口に持ち直しやすい傾向
- トランプ政権の2年目にあたる2026年は米国で中間選挙が控えています。中間選挙が実施される年の株価の値動きには、どのような傾向があるのでしょうか。
-
米国大統領選挙は4年ごとに実施され、中間選挙はその中間となる2年目の11月に実施される上下両院選挙です。連邦議会の下院の全議席と上院の全議席の約3分の1が改選されます。2026年の投開票は11月3日に予定されています。
中間選挙と株式市場にはアノマリー(経験則)があり、一般的に中間選挙の年は株価が下がりやすいと言われています。実際に過去の米国株の値動きを見てみましょう。下のグラフは1950年以降の年初来のS&P500のパフォーマンスを検証したものです。
(注)データは月次で、直近値は2025年10月末。全ての年、大統領1年目、大統領2年目(中間選挙の年)は1950年から2025年10月のデータによる平均値。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
-
上から、ピンク色が2025年、その下のグレーの点線がすべての年の平均、その下の黒い色が大統領1年目の平均。赤色が大統領2年目で中間選挙の年の平均です。一番下が2018年で、第一次トランプ政権の中間選挙の年です。
現職大統領が率いる政党にとって中間選挙は厳しい結果となることが少なくありません。過去の経験則に従えば、米国株は夏ごろまで上値の重い展開が続きますが、中間選挙を見据えて積極的な政策を打ち出すとの期待が高まり、秋口から株価が持ち直す傾向が見られます。
しかし、第一次トランプ政権の中間選挙の年である2018年は経験則とは異なる結果となり、過去の平均値以上に米国株が下落しました。トランプ政権の減税策が米国株を下支えしていましたが、関税政策や対中強硬姿勢を強めたことやFRBによる利上げが、株価の下落に繋がりました。
- この中間選挙のアノマリーは、米国株以外の日本株や欧州株などにも当てはまるのでしょうか。
-
米国を除いた世界株の株価指数を用いて傾向を確認していきましょう。下の図表は1970年以降の年初来のMSCI世界株(米国を除く)のパフォーマンスを検証したものです。
(注)データは月次で、直近値は2025年10月末。全ての年、大統領1年目、大統領2年目(中間選挙の年)は1970年から2025年10月のデータによる平均値。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
-
こちらも中間選挙の年の株価は9月にかけて軟調に推移した後、戻す傾向にあり、米国株と同様の傾向が見られました。ただ、2018年については、米国の関税政策による世界景気への悪影響が懸念され、米国株以上に下落しました。
中間選挙を見据えたトランプ政権の外交や生活支援策に注目
- トランプ大統領は前回の中間選挙での経験も踏まえ、2026年はどのような政権運営が予想されるでしょうか。
-
2018年と同じ轍を踏まないように、2026年の中間選挙に向けて、トランプ大統領は対外的な強硬姿勢を控える一方で、減税の効果をアピールし、また新たな生活支援策の実施を目指すのではとの見方もあります。世界経済への影響が懸念されていた米中対立については、両国が課す可能性のあった追加関税の発動は1年間延期され、緊張緩和の方向に進んでいます。
中間選挙の前哨戦とされる11月の地方選挙の結果は、トランプ政権にとって厳しいものとなりました。11月4日のニュージャージー、バージニアの州知事選挙、ニューヨーク市長選挙では、いずれも民主党候補が勝利する結果となりました。インフレが進む中で、「アフォーダビリティー(無理のない暮らしの実現)」が選挙での争点となりました。中間選挙においても、物価高対策が争点となる可能性があります。
また、トランプ政権はFRBに利下げを促しており、緩和的な金融政策が景気や株式市場を下支えする可能性があります。2026年5月にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が任期を迎え、トランプ大統領との距離が近いハセットNEC(米国家経済会議)委員長が新議長の有力候補の一人として名前が挙がっています。
しかし、中間選挙を控えているとはいえ、トランプ大統領の言動一つで先行き不透明感が高まるリスクは残るでしょう。ただ、不透明感が意識される局面では、AI関連の投資需要が今後も景気や企業業績を支えるとみています。S&P 500 指数構成企業のEPS(一株当たり利益)は、2026年も二桁増益が予想されており、相場を下支えするとみられています。
2026年の米国株や世界株を占う上で、トランプ政権の動向と中間選挙の趨勢が注目されます。中間選挙のアノマリー通りになるとは限りませんが、過去の株価推移の傾向を把握しておくと、相場変動時の判断材料として役立つかもしれません。
- 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト
坪川 一浩 - 2018年より投資情報部に在籍。主に債券、クレジット、REIT、アジアを中心としたグローバルの経済・為替・株式に関する市場動向や投資環境を分析し、投資アイディアを提供。
※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
- 手数料等およびリスクについて
-
当社で取扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、年金保険・終身保険・養老保険・終身医療保険の場合は商品ごとに設定された契約時・運用期間中にご負担いただく費用および一定期間内の解約時の解約控除、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきます。信用取引、先物・オプション取引には元本を超える損失が生じるおそれがあります。証券保管振替機構を通じて他の証券会社等へ株式等を移管する場合には、数量に応じて、移管する銘柄ごとに11,000円(税込み)を上限額として移管手数料をいただきます。有価証券や金銭のお預かりについては、料金をいただきません。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。
- 株式の手数料等およびリスクについて
-
国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。国内REITは運用する不動産の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。国内ETFおよび国内ETNは連動する指数等の変動により損失が生じるおそれがあります。国内インフラファンドは運用するインフラ資産等の価格や収益力の変動により損失が生じるおそれがあります。
外国株式(外国ETF、外国預託証券を含む)の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、契約締結前交付書面や上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。









