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2026.07.27 NEW

株や不動産で大きな売却益、2027年から追加課税の可能性も あなたは大丈夫?「ミニマムタックス」 野村證券投資情報部が解説

株や不動産で大きな売却益、2027年から追加課税の可能性も あなたは大丈夫?「ミニマムタックス」 野村證券投資情報部が解説のイメージ

所得が非常に高い人の所得税負担が一定水準を下回らないようにするための追加課税制度である「ミニマムタックス」の対象者が2027年分以降、拡大します。通常の所得税計算による税額(基準所得税額)が、法律上定められた最低税額(ミニマムタックス)を下回る場合に、その差額を追加で納める仕組みです。判定の際には、給与や事業所得等に加え、株式譲渡益や配当、不動産譲渡益も合算します。このため、金融所得や不動産譲渡益が大きい人に特に影響が出やすい制度となりますので、対象者は注意が必要になりそうです。野村證券投資情報部が解説します。

持ち株が値上がりした人や会社オーナー、相続税の対象者は要注意

今回の課税強化策は、いわゆる超富裕層や事業売却等で大きな所得がある人が対象になりやすい制度です。ただ、長年積み立てた持ち株が株高で大きく値上がりした人や事業のオーナーなども、急きょ検討が必要になる場合が出てくるかもしれません。対象になりやすいのは、以下のような人と想定されます。

まず、上場株式を売却したり、長期保有していた不動産を売却したりして大きな利益が出た人です。また、非上場会社のオーナーがM&A(企業の合併・買収)で自社株を売却した場合や、相続税の納税資金を確保するため、自社株を会社に買い取ってもらったといった場合も当てはまりそうです。さらに、将来的には分離課税の対象となる「特定暗号資産」で多額の譲渡所得が生じた人なども、確認する必要が出てくるでしょう。

株や不動産で大きな売却益、2027年から追加課税の可能性も あなたは大丈夫?「ミニマムタックス」 野村證券投資情報部が解説のイメージ

(出所)野村證券投資情報部作成

控除を減額、負担率は引き上げで対象広がる

次に、2027年以降に見直しされるミニマムタックスの判定式を詳しくみておきます。下図のように、基準所得税額は変わりませんが、これを上回る場合に限り差額分の納税を申告する必要が出てきます。

株や不動産で大きな売却益、2027年から追加課税の可能性も あなたは大丈夫?「ミニマムタックス」 野村證券投資情報部が解説のイメージ

(注)復興特別所得税は考慮していない。
(出所)国税庁、各種報道資料より野村證券投資情報部作成

2026年までは、給与所得や不動産所得、退職所得、譲渡所得などを合算した基準所得金額から3.3億円を控除し、22.5%の最低負担率を掛けたものと基準所得税額を比較していました。

2027年からは、給与所得や不動産所得などを合算した基準所得金額は同じですが、そこからの控除額が1.65億円に減額され、さらに30%に引き上げられた最低負担率を掛けたものと基準所得税額を比較することになります。このため、金融所得や不動産譲渡益が大きい人の所得税負担が増えやすいというわけです。

株や不動産の売却益が大きい人は特に影響出やすく

最後に、実際にはどれほど加算される税額が増えるのか、例を挙げて試算してみます。

株や不動産で大きな売却益、2027年から追加課税の可能性も あなたは大丈夫?「ミニマムタックス」 野村證券投資情報部が解説のイメージ

(注)1万円未満は四捨五入し、加算される税額は復興特別所得税を加味している。所得控除や税額控除を加味せずに計算する等、一定の仮定を基に計算しているため、試算結果は概算額となります。個別のお取扱いについては、ご自身の責任において税理士などの専門家または所轄の税務署等にご確認ください。
(出所)野村證券投資情報部作成

まず、収入が年金(雑所得)500万円で、株式売却益が5億円あるAさんのケースです。2026年までは、通常の所得税額である基準所得税額は7,716万円、ミニマムタックスは3,938万円で、加算される税額は0円です。

ところが、2027年以降は、基準所得税額は変わらないものの、ミニマムタックスが1億200万円に上がることにより、2,536万円の税額が加算されることになります。

次に、株式売却益が5億円、保有期間5年超の不動産譲渡益が同じく5億円あるBさんのケースです。2026年までは、基準所得税額が1億5,315万円とミニマムタックス(1億5,075万円)を上回り、加算される税額は0円でしたが、2027年以降はミニマムタックスが2億5,050万円に上がり、加算される税額は9,939万円と1億円近くまで膨らみました。

以上のように、2027年分以降、ミニマムタックスの対象者が拡大する見通しです。ご自身が対象になりそうかどうか、心当たりのある人は今のうちから準備しておくと良いでしょう。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
※本記事は一般的な説明であり、個別の税務の詳細については、税務署や税理士等、専門家にご相談ください。

<監修>税理士法人大手町トラスト

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