2026.10.21 NEW
第1四半期の経常利益が「高進捗」の高配当株 時価総額ランキング(2026年10月19日時点)
四半期ごとの利益の「進捗率」は業績の好調さを測るための一つの目安で、株式投資を検討する際に注目しておきたい指標です。第1四半期(1Q)末時点で期初予想に対して、経常利益が高進捗だった銘柄の中で、予想配当利回りが3%以上の銘柄を時価総額ランキングで紹介します。
第1四半期の経常利益が「高進捗」かつ配当利回り3%以上の銘柄をスクリーニング
原油価格の高止まりに加え、為替・金利環境も大きく変化しており、企業業績を見通しにくい状況が続いています。こうした外部環境の変化に対する企業の耐性や適応力を見極めるうえで、四半期ごとの利益の進捗率を確認することは1つの手段です。1Q時点で期初の会社計画に対する利益の進捗率が高い企業には、すでに業績予想を上方修正した企業もありますが、今後も業績が堅調に推移すれば、上方修正される可能性も考えられます。
今回はTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄のうち、時価総額と流動性(売買代金)が高い上位500銘柄で構成されるTOPIX500を母集団として、3月期決算企業の中から1Qの経常利益の進捗率が高く、予想配当利回りが3%以上の銘柄を抽出しました。スクリーニング条件の詳細は以下の通りです。
<スクリーニング条件>
・TOPIX500構成銘柄
・3月期決算企業
・2027.3期1Qの経常利益進捗率が期初会社予想の30%以上
・2027.3期1Qの経常利益進捗率が、前年同期の進捗率を10%ポイント以上上回る(前期1Qが経常赤字の場合は除く)
・2027.3期通期の経常利益会社予想が前期比で増益(黒字転換は除く)
・2027.3期の予想配当利回りが3%以上
業績が順調に進捗しているかを判断するために、期初の会社予想に対して今期1Q経常利益の進捗率が30%以上の銘柄をスクリーニング条件の1つとしています。すでに1Q時点で業績予想を上方修正した会社もありますが、第2四半期以降も業績が堅調に推移すれば、会社が期初に予想した通期の経常利益の水準を上回る可能性があります。ただし、企業によっては季節要因や一過性の要因などによって利益の偏りがあり、進捗率が高く見えている会社もあるので注意が必要です。また、外部環境の影響に左右されやすい企業などは、期初の段階で慎重な業績予想を公表する企業もあります。
そのような注意点も踏まえ、前年同期に比べて進捗率が10ポイント以上改善しているかどうかも、スクリーニング条件に加えています。また、企業の収益力を測るために、経常増益を会社が予想している銘柄に絞っています。予想配当利回りは、予想1株当たり年間配当金を基に計算しています。そのうえで、時価総額の大きい順に銘柄をランキング形式で紹介します。
| 順位 | 銘 柄 コ ー ド |
銘柄名 | 株価 終値 10月19日 (円) |
予想 1株当たり 年間配当金 (円) |
予想配当利回り (%) |
経常利益 期初予想 (通期、億円) |
1Q経常利益 (億円) |
1Q経常利益 進捗率 (%) |
経常利益 (通期、億円) |
期初時点の 経常利益予想 (通期、億円) |
時価 総額 (億円) |
||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | |||||||
| 1 | 9101 | 日本郵船 | 7,361 | 240 | 3.26 | 1,850 | 559 | 712 | 21.94 | 38.50 | 2,111 | 2,500 | 29,836 |
| 2 | 5713 | 住友金属鉱山 | 8,759 | 300 | 3.43 | 2,290 | 379 | 1,180 | 37.90 | 51.55 | 2,557 | 3,240 | 25,291 |
| 3 | 1803 | 清水建設 | 2,023.5 | 77 | 3.81 | 1,480 | 185 | 557 | 25.34 | 37.62 | 1,223 | 1,835 | 14,502 |
| 4 | 6305 | 日立建機 | 5,470 | 190 | 3.47 | 1,330 | 197 | 440 | 14.58 | 33.06 | 1,242 | 1,430 | 11,767 |
| 5 | 4042 | 東ソー | 2,613.0 | 100 | 3.83 | 1,070 | 141 | 343 | 13.28 | 32.06 | 1,068 | 1,070 | 8,494 |
| 6 | 4183 | 三井化学 | 2,114.5 | 75 | 3.55 | 740 | 100 | 477 | 11.06 | 64.47 | 686 | 740 | 8,069 |
| 7 | 5444 | 大和工業 | 12,545 | 400 | 3.19 | 680 | 104 | 222 | 18.63 | 32.58 | 652 | 870 | 7,778 |
| 8 | 5076 | インフロニア・ホールディングス | 2,335.5 | 132 | 5.65 | 854 | 117 | 1,112 | 22.74 | 130.20 | 1,072 | 1,224 | 6,886 |
| 9 | 6471 | 日本精工 | 1,033.5 | 34 | 3.29 | 400 | 49 | 147 | 25.76 | 36.63 | 380 | 480 | 5,168 |
| 10 | 5714 | DOWAホールディングス | 8,330 | 350 | 4.20 | 800 | 86 | 325 | 25.34 | 40.66 | 543 | 800 | 5,164 |
| 11 | 8304 | あおぞら銀行 | 3,185 | 100 | 3.14 | 370 | 80 | 139 | 26.69 | 37.60 | 272 | 370 | 4,452 |
| 12 | 3941 | レンゴー | 1,594.5 | 50 | 3.14 | 440 | 105 | 189 | 26.21 | 42.96 | 374 | 440 | 4,322 |
| 13 | 4114 | 日本触媒 | 2,621.0 | 140 | 5.34 | 275 | 63 | 142 | 31.42 | 51.48 | 215 | 275 | 3,932 |
| 14 | 4118 | カネカ | 6,174 | 210 | 3.40 | 320 | 60 | 138 | 15.89 | 42.97 | 289 | 320 | 3,890 |
| 15 | 4061 | デンカ | 3,085 | 100 | 3.24 | 200 | 17 | 95 | 8.79 | 47.38 | 193 | 200 | 2,732 |
(注1)今期予想配当利回りは2026年10月19日時点。1株当たり年間配当金の予想は東洋経済新報社で、予想値がレンジの場合は下限値。経常利益予想は会社の2027.3期、期初時点の予想。期初の会社予想が未定だった東ソー、日本触媒は1Q時点の会社予想の数値。
(注2)国際会計基準(IFRS)を採用している銘柄については、経常利益ではなく税引前利益を参照している。
(出所)東洋経済新報社より野村證券投資情報部作成
化学や非鉄金属、建設業など幅広い業種がランクイン
化学や非鉄金属、建設業など幅広い業種がランクインする結果となりました。時価総額上位5銘柄の1Q決算の状況をまとめました。ぜひ参考にしてください。
日本郵船(9101)
8月の1Q決算発表前に、持分法適用会社であるコンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」のほか、ドライバルク事業、エネルギー事業の好調などを反映し、会社計画の通期の業績予想を上方修正しました。
住友金属鉱山(5713)
米国モレンシー銅鉱山の価格差や菱刈金鉱山の数量差、電池材料や機能性材料を中心に上振れ、1Q税前利益は野村證券の従来予想を上回りました。会社計画の通期の業績予想も上方修正しました。
清水建設(1803)
国内建築の工事進捗や開発事業における物件売却が想定を下回ったため、1Qの営業利益は野村證券の従来予想を下回りましたが、会社計画の通期の経常利益予想を上方修正しました。清和綜合建物の株式を追加取得し、同社の持分法適用関連会社化に伴い、1Qに負ののれん相当額355億円を持分法による投資利益に計上したことが要因です。
日立建機(6305)
1Qの調整後営業利益は野村證券の従来予想を上回りました。関税還付の影響のほか、円安とブランドプロモーションコストが野村予想よりも発生しなかったことが主要因と見られます。会社計画の通期の業績予想を上方修正しました。
東ソー(4042)
期初の時点では中東情勢の影響が見極めづらく、不確定要素が多いことから、通期の業績予想を未定としていましたが、1Q決算発表時に公表しました。1Qの営業利益は野村證券の従来予想を上回りました。
なお、インフロニア・ホールディングス(5076)については、1Qの経常利益進捗率が期初会社予想ベースで100%を大きく超えて進捗していますが、保有金融資産の価値上昇による金融収益の増加が影響しています。
野村證券投資情報部(2026年10月19日時点)
※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。
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