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2023.12.01 NEW

野村證券投資情報部に聞いた 配当利回りの「ファクター効果」が高いのは12月~1月

野村證券投資情報部に聞いた 配当利回りの「ファクター効果」が高いのは12月~1月のイメージ

「高配当株に集中投資する」というスタイルの個人投資家もいるほど、高配当株は投資家に注目されているようだ。しかし、買いたい銘柄があってもいつ買えばいいのか迷っている人もいるだろう。野村證券で個人投資家向けに株式投資の情報を提供している投資情報部に、高配当株のパフォーマンスがいい時期と買う際の注意点について聞いた。

配当利回りで「ファクター分析」した結果は

高配当株は、配当を得る権利が確定する月に注目されがちです。日本では3月決算企業が多く、3月と9月に配当の権利確定日が集中しますが、この時期に配当取り狙いで投資する場合のパフォーマンスはよいのでしょうか。

機関投資家などが株価のパフォーマンスなどを判断する際に使う一つの手法に、「ファクター分析」というものがあります。ファクター分析とは、銘柄母集団を指標の高低でグループ分けし、月初に指標の優れたグループを買い/劣るものを売った際の、月末までのパフォーマンスを計測するものです。

今回は指標を「配当利回り」とし、以下のように計測しました。この結果を「配当利回りのファクター効果」と呼ぶこととします。(注)

  1. 銘柄母集団はMSCIジャパン指数構成銘柄(2023年5月時点で237銘柄)
  2. 前月末時点における今期予想配当利回りの高低でグループ分けし、配当利回りが最高のグループを月初に買い、最低のグループを月初に売ったと仮定した場合の、月末までのリターンを計測している。
  3. 計測期間は、2013年1月~2023年9月。
  4. 取引コストは考慮していない。
  5. 過去のデータに基づく分析であり、将来の成果を示唆・保証するものではない。

(注)ファクター効果は、『買い』ポジションと『売り』ポジションのリターンの合計のため、合計リターンがプラスでも、『買い』ポジションの実際のリターンがプラスとは限りません。また、毎月月初に『買い/売り』ポジションを組み、月末にポジションを解消する前提のため、配当の権利確定日が無い月には配当を受け取ることはできません。

ファクター分析の考え方

データの詳細は割愛いたしますが、配当利回りのファクター効果を月ごと(約10年間の月平均)で比較すると、3月が1年の中で実は最低となっています。9月も下から数えて5番目です。また3月、9月ともに配当利回りのファクター効果の符号はマイナスとなっています。つまり、配当利回りの低い銘柄グループのほうが高い銘柄グループに比べて実際のパフォーマンスはよかったということになります。

配当利回りのファクター効果が、3月、9月ともに良くない理由としては、「個々の企業の配当額は3月、9月の配当取りが話題になる前から広く知られた情報であり、すでに株価に織り込まれていたため」と考えられます。

なお、配当利回りのファクター効果がさえない理由のひとつに月末に配当落ちがあることも考えられますが、実際のファクター効果のマイナス幅(の絶対値)は、一般的な銘柄の配当利回りと比較してかなり大きなものとなっています。 

一方、配当利回りのファクター効果が最も高いのは1月で、以下12月、8月と続きます。
あくまでも仮説ですが、

中間決算が確定

通期業績の着地点が見え始める

その結果、今期予想配当金の信頼性も高まり始める

これらが想定される12月~1月ごろから、株式市場は織り込み始めているのかもしれません。

月ごとに配当利回りファクターのパフォーマンスを分析した結果であり、長期間高配当株を保有する際のパフォーマンスはまた別とはいえ、12月~1月ごろから、3月決算銘柄の株価への織り込みが始まっているということですね。

高配当株 2つの見るべきポイント

高配当株を選ぶ際に、見るべきポイントも教えてください。

よく話題に上がる配当利回りは、株価に対する年間配当金の割合を表す指標です。わかりやすいのですが、この数字だけで投資先を決めるのは望ましくありません。株式投資全般に当てはまる点といえるかもしれませんが、高配当株の場合は特に継続的に稼ぐ力と財務状況。この2点をしっかりと見ておく必要があります。

配当金は通常、企業がその期に稼いだ利益から税金を差し引いた「当期利益」から支払われます。そのため、業績が悪化した際には、配当が減らされる「減配」や配当が無くなる「無配」のリスクがあります。この観点で、継続的に稼ぐ力が企業に備わっているかが重要なポイントとなります。

また、創業100周年記念などで、一時的に配当を上乗せするケースもあります。たまたま高い配当を出した年の配当から計算された利回りだけを見て買ってしまうと、次の期に上乗せ分の配当がなくなって後悔することになるかもしれません。ほかにも一過性の理由で大きく利回りが上がるケースもある点には注意が必要です。

剰余金、自己資本比率も重要

一方、利益が会社の想定を下回った、あるいは赤字に転落してしまった場合でも、過去に稼いだ利益の積み立てである利益剰余金や、資本剰余金(企業が株式の発行などをはじめとした資本取引を行った結果、生じた剰余金から利益剰余金を差し引いた金額)を原資として支払うことも可能です。なお、この2つの剰余金などから計算されるのが配当可能限度額といわれるもので、企業が株主に分配できる限度額となります。

配当の原資である剰余金が潤沢にあるかどうかも、高配当株に投資をする際に押さえておきたいポイントとなります。

剰余金などを確認することが難しければ、自己資本比率で確認するといった方法でも良いと思います。国内の上場企業の平均的な自己資本比率は40%程度ですので、これを目安に投資を検討している企業の財務状況を確認することも可能です。

継続的に稼ぐ力と財務状況という2つのポイントを確認する方法としては、企業のIRホームページに載っている決算短信を確認することをお勧めします。

決算短信の冒頭サマリー部分には、配当計画に加え、利益項目や自己資本比率などの情報がまとまって掲載されており、フォーマットも企業間で統一されているため、他の企業との比較も容易です。増配・減配の場合には、その理由も短信に掲載されているケースが多いと言えます。数年分をさかのぼって読めば、稼ぐ力や財務状況を把握することが可能です。投資の際には決算短信を参考にしてみてください。

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