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2018.12.10 NEW読み方の角度

スモール・スタート あえて小さく始めよう―何かを始める第一歩を踏み出すために

スモール・スタート あえて小さく始めよう―何かを始める第一歩を踏み出すためにのイメージ

「このまま今の会社に居続けるのは難しいかもしれない」とモヤモヤしたときの解決策。それは、小さくてもいいから、まず動き始めることだ。

働き方改革が叫ばれる中、多くの企業が労働時間の見直しや生産性向上に取り組み、有給の取得推進や在宅勤務などの事例も少しずつ増えてきた。だがその一方で、安定した企業といわれていた会社にすらリストラの波が押し寄せ、「一つの企業で定年まで勤め上げる」という考え方が通用しなくなってきたことも事実。副業や兼業が大きな注目を集めている背景には、「このまま今の会社に居続けるのは難しいかもしれない」というビジネスパーソンの危機意識がある…という見方も、あながち間違ってはいないのかもしれない。

そうした状況の中、「何かはじめなきゃ」「変わらなきゃ」と思いつつ、なかなか動き出せずにいる人も多いはず。そんな人たちの背中を押してくれそうな一冊が、この『スモール・スタート あえて小さく始めよう』である。

「小さく始める」とは、「まずは動く」ということ

本書を手掛けた水代優氏は、会社員として働きながら葉山の海の家で副業をスタート。最終的には独立してイベントのプロデュース、コミュニティづくり、カフェの運営、地域や企業のPRなど、「人をつなぎ、場を盛り上げるため」の活動を行っている人物。本書に綴られているのは、そうした経験をもとに書かれた、リスクを最小限におさえながら副業や兼業、起業などのアクションを起こすためのノウハウだ。

本書における「スモール・スタート」とは、何をするにも文字通り「小さく」始めることで、それは「まずは動くということ、静を動に変えるということ」という言葉に置き換えられると筆者は言う。

ビジネスパーソンという立場のままでいいから、本業以外のことをちょこっとやってみる。ネットオークションを使った副業でもいいし、興味のあるコミュニティに参加してみることでもいい。冒頭で述べたような“変化の波”が押し寄せる時代だからこそ、同じ場所でじっとしているのではなく、まずは小さく、素早く、たくさん動いてみようというわけだ。

そうは言っても、「何をどう始めればいいかわからない」という人もいるだろう。筆者はそうした疑問に対して、「『やりたいこと、やらなくてはいけないことのある誰か』を助けるところから始めてみるといい」とアドバイスを送る。

「何とかしてくれない?」に応えるところから始めてみよう

「やりたいこと、やらなくてはいけないことのある誰か」を助けること。言葉を変えれば、他人の「何とかしてくれない?」に応えることでもある。何か始めようとする場合、一般的には自分にとっての「好きなこと」や「得意なこと」から始めたくなりそうだが、あえてそうしないことの意図はどこにあるのか?

それは、他人から「何とかしてくれない?」と頼られる仕事こそ、うまくいくためのビッグチャンスになる可能性があるためだ。
頼られて始める仕事のメリットは主にふたつ。ひとつめは、自分が気づかない強みを見つけられることだ。実際、筆者は自身のことを「カッコいい空間作りが得意」だと思っていたが、独立後、役所などとの面倒な調整が必要な空間デザインの仕事をこなすうちに、自分の強みが「調整力」にあったことを認識できたと言う。
ふたつめのメリットは、自分のためではなく「誰かのため」に動くほうが、心が折れず、頑張り続けることができるということ。つまり、人は誰かのためなら、より頑張れるのだ。付け加えるなら、誰かに何かをお願いする場合も「自分のことでなければないほど、頭を下げることに抵抗がなくなるし、図々しくなれる」という。

何か始めようとする際は、自分自身で何とかしようと思うのではなく、あえてまわりに身を委ねてみるのも手。本書がおすすめするそうした方法なら、新しい一歩を踏み出すことへのハードルが少し低くなったように感じるのではないだろうか。

リスクを恐れるより、失敗の精度をあげることを考えよう

とはいえ、頼られた仕事であっても、何かを始めようとする際には、どうしたって「失敗したらどうしよう」という思いがつきまとうもの。だからこそ「小さく」始めることが肝要なのだが、それでもリスクを避けて通ることは難しい。この点について、筆者は「リスクはゼロにはできません。でも、減らすことはできます」と言い、その上でリスクとの向き合い方に言及している。

リスクを減らすための手段として、筆者が強調しているのは「リハーサルをして、崖を照らすこと」だ。たとえば、本格的に始める前に、友人の手伝いをやってみる。そうすることで、目的地までの飛距離や障壁をイメージできるのだ。
リスクを怖がってしまうのは、目的地までの距離とそこまで飛ぶための脚力が自分に備わっているかどうかわからないため。その不安を払拭するには、事前に経験を積んで、距離と脚力を把握すること、つまり崖を照らせばいいだけのことだと筆者は言う。店を出すのが目的地であるなら、どのくらいコストがかかるのか? 下準備にはどのくらいの時間が必要か? 関係各所に許可を得る必要はないのか? そうしたことをひとつずつ調べたり、教わったりしながら崖を照らしていく。そうやって崖が見渡せたら、あとは脚力アップに向けた対策を講じればいい、というわけだ。

大きく構えずに、読み進めてみよう

本書では、「会社員のうちに『ライフシフト』する方法」や「100年時代にサードプレイス(自宅や職場以外の居場所)を持つことの大切さ」などについても触れており、「45歳くらいから少しずつ準備をし、50歳で会社を辞めるのがいい」といった具体的な提言も行っているが、全体を通してのテーマは、あくまで「小さく」動くこと。

そのため、一大決心が必要なライフシフトを求めている人には、多少物足りなく映るかもしれないが、新しいアクションを起こすためのコツやきっかけがほしい人には、価値のある内容。大きく構えすぎず、「小さく」構えながら読み進めることをおすすめしよう。

スモール・スタート あえて小さく始めようのイメージ

■書籍情報

書籍名:スモール・スタート あえて小さく始めよう

著者 :水代 優(みずしろ ゆう)
good mornings株式会社 代表取締役。2002年より株式会社IDEEにて新規出店を手掛ける。2012年にgood mornings株式会社を設立。東京・丸の内や日本橋をはじめ、全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く手掛ける。「食」や「カルチャー」を軸にしたクリエイティブな空間の企画運営やメディア制作を得意とし、さまざまなコンテンツを織り交ぜ街に賑わいをつくり、地域コミュニティの拠点を創出している。現在は都内に各々のコンセプトを有する3拠点を企画運営、その他企業や行政と共にエリアプロデュースやプロダクトディレクションを手掛ける。近年はブックディレクターとしても活動。日本橋浜町に自身がセレクトする本屋「Hama House」を出店。

※本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。

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