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2018.07.30 NEW 境界線の越えかた

公開16時間で停止した即時買取アプリ「CASH」を生み出したバンク―光本勇介の事業成功の秘訣

公開16時間で停止した即時買取アプリ「CASH」を生み出したバンク―光本勇介の事業成功の秘訣のイメージ

目の前のアイテムを撮影するだけで一瞬でキャッシュ(現金)に変わる「CASH」。この即時買取サービスを運営する株式会社バンクは、リリースから半年足らずでDMM.comに70億円で買収され、世間を驚かせた。考案した光本勇介は、トライアルアンドエラーを続けながら、“マスのサービス”を世に送り出すことを夢見ている。

まずは、「CASH」で即時買取という市場を選んだ理由をお聞かせください。

私自身、興味がある事業や領域のストックを常に持っているのですが、いろいろな事業を作って出してとしているうちに、「事業の成功は『稼げる市場の選択』と『世に出すタイミング』に尽きる」ということを痛感するようになっていました。

たとえば、10年ほど前にリリースした「CaFoRe」。これは、個人間のカーシェアリングサービスなんですが、当時は「シェア」や「ソーシャル」という概念もなければ、インターネットもスマホもなくて、まったく理解してもらえなかった。つまり、「リリースのタイミングが早すぎた」んです。

そうした経験を踏まえて、昨年の初めに「今年は何がテーマになる年なんだろう。今やるならどんな事業が合うだろう」と考えた結果、「お金」というテーマに行き着いた。それがきっかけですね。ちょうどフィンテックという言葉が世の中に現れたりして、「お金の年になるだろうな」と感じていたんです。

そこで「お金」をテーマに「CASH」を立ち上げられるわけですが、スタッフにはその領域の専門家がいなかったとうかがいました。専門性を持たない領域のビジネスに参入することに、不安は感じなかったのでしょうか?

ないですね。変化を起こすのが怖いという気持ちもわかるんですが、何もしないより、たとえ失敗しても何かにチャレンジして得る経験のほうが大きいじゃないですか。

だから社内でも、「すべては実験。リスクととらえずにチャレンジしまくろう」と言っています。「起業したいけれど躊躇しています」というような相談を受けたときも、同じようにアドバイスしていますよ。

そんなメンバーでリリースにこぎつけた「CASH」ですが、公開後わずか16時間で3億6000万円の現金化がなされ、サービスが一旦停止になりとても大きな話題となりました。激動の一日だったと思いますが、なにが一番大変でしたか?
光本勇介さんのイメージ

サービスを止めた後、くたくたになって家で寝ていたら、朝8時半くらいに宅配業者からの電話で起こされたんですよ。「荷物が届いていますけど、いつオフィスに来ますか」というので、「なぜですか?」と聞いたら「ものすごい量の荷物が届いています。トラック3台分です」と。

オフィスの前の道路にトラックが3台並んで困っているから、とにかく早く来てくれという電話だったんですよね(笑)。当時、私を含めてスタッフが5人しかいなかったので大変でした。

「CASH」のユーザーは、写真を撮った商品を2週間以内に送らなければなりませんが、このルールを守らない人が出てこないとも限らない。どれだけ回収できるかもわからないお金を1日で4億円近く放出した時点で、普通の人間なら「失敗した、やめよう」と思いそうなものですが、光本さんはそうは考えなかった?

当初は1~2ケ月をかけて1億円くらいを動かすイメージだったのが、半日で4億円近いお金をばらまいてしまったので、さすがにドキドキしました(笑)。
でも、いいことであれ悪いことであれ、大きく話題にしていただけるサービスはそう簡単に作れるものじゃない。「もっとお金をばらまいてしまうのは怖い」という理由でやめてしまうのはもったいないと思いましたね。

「ばらまく」という表現からは、最初から「すべてのお金を回収できなくてもいい」と腹をくくっていたような印象を受けますが?

「CASH」は「1億円を世の中にばらまいたら何が起こるだろう」という実験的な要素も含んで開発したサービスです。そんなことをやる人はまずいないので、そこで得た結果は世界で私しか知らないものになる。
仮に1円も返ってこなかったとしても、その結果を知っているだけで5年は食べていけるだろうなと思っていました。

その後、2ケ月をかけて再リリースにこぎつけ、数か月後には70億円という巨額買収に至ります。その間はどのように過ごされましたか?

再リリースまでの2ケ月間は、解決しなければいけない課題が明確だったこともあって意外と落ち着いた生活を送っていました。なので、サービスを停止することになった初日以降は早く再開したいというワクワクのほうが大きかったかもしれません。

ところで、光本さんは青山学院大在学中から個人起業家として活躍されていました。起業のきっかけは何だったのでしょうか?

ビジネスに興味を持ったのは高校1年生の頃。当時はやっていた裏原系ブランドの洋服を買うお金が欲しくて、裏原系が好きな人たちの電子掲示板に「○○のTシャツを買いませんか?」と書き込んだら、地方の人に3分で売れたんです。5000円で買ったTシャツが1万円で売れて、「新しいTシャツが二枚買える! これがビジネスなのか」と興奮しましたね(笑)。

そこから稼ぐ仕組みに興味を持ち始めて、大学時代はインターネットを通じて洋服を売ったり、留学のあっせんをしたり、地方にいる翻訳者の方を募って大手企業の翻訳案件を取りまとめたりということをやっていました。今振り返るとおままごとみたいなものでしたけれど、自分が食べていくくらいのお金は稼げるようになっていましたね。

大学卒業後は広告代理店に4年勤務されたのち、27歳で株式会社ブラケットを設立。カーシェアリングサービスの「CaFoRe」、オーダーメイドシューズ販売の「Shoes of Prey」など、毎年新しい事業を展開されています。このようなビジョンは起業当時から持たれていたのですか?
光本勇介さんのイメージ

何にでも興味を持つタイプではあるのですが、最初にリリースした「CaFoRe」が時代にマッチせず、いきなり倒産寸前になったことが大きかったですね。たくさん事業を展開して、少しずつ稼いでいかないと会社の運営費が賄えなかったんです。

それこそ会社を作って半年とか1年足らずで、サラリーマン時代に稼いだ600万円が200万円になりましたし、会社の預金残高が2万円まで落ち込んで、親から300万円ほど借りて生き延びた時期もありました。

そんな中、誰もが無料でネットショップをつくることができる「STORES.jp」が注目を集めました。

やっと多くの人に使っていただけるサービスを運営できそうだと思ったので、「今が一番の勝負時だ。今やらなくてどうするんだ」と、持っているお金も人もすべてのリソースを投下してチャレンジしました。その時の会社は、スタートトゥデイにM&Aされましたが、結果的に事業規模は3年でかなり伸びました。

次々に新しいサービスを提供している光本さんですが、最終的な野望はどこにあるのでしょうか?

誰もが知っている「マスのサービスを作る」ことです。毎日のようにベンチャー企業が立ち上がって、新しいサービスが生まれているのに、「知っているネットサービスを10個挙げてみてください」と言われると、ぱっと出てこなかったりしませんか?インターネット業界で仕事をしている私ですらそうですから、マスのサービスを作ることって、奇跡だと思っているんです。

「CASH」もたくさん話題にしてもらっていますが、それは情報感度が高い方たちの間でのこと。街を歩いている人の大半は、私の作ったサービスを知りません。いつか、すべての人が知っているようなサービスを作って「それ、俺が作ったんだよ!」って自慢したいですね。

光本 勇介(みつもと ゆうすけ)
2008年、最短2分でオンラインストアを作れるサービス『STORES.jp』などを運営する株式会社ブラケットを創業、2013年にZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイへ売却。その後スタートトゥデイ社に対しMBOを実施、同月、ブラケット社取締役会長に就任。2017年2月株式会社バンク創業、2017年6月に目の前のアイテムを瞬間的にキャッシュに変えられるアプリ『CASH』をリリース。2017年10月に株式会社バンクをDMM.comへ売却。2018年6月には、あと払い専用の旅行代理店アプリ「TRAVEL Now(トラベルナウ)」をリリースした。
アイディアの引き出しはインターネット。「本はほとんど読まず、SNSで流れてくる記事を読むくらい。意識的に情報のソースになりうる人をフォローすると、意外なほどバランスよく情報が入ってくるんです」

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