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2017.08.03 NEW 変革のメソッド

「ビッグマック指数」って聞いたことある? 日常生活から考える「為替の基本」

そもそも為替を知ることのメリットは何? まずは、ビッグマックから為替の世界を覗いてみよう!

ビッグマックから世界経済が見える?

日本に進出してはや46年。すっかり日本人の生活に根付いたともいえる「マクドナルド」。特に若い読者の中には、ガッツリ食べたいということでビッグマックを選ぶ人も少なくないかもしれない。だが、そんなビッグマックから「世界経済や為替」を見る「ビッグマック指数」という言葉があるのをどれくらいの人が知っているだろうか。この記事では、ビッグマックを通して、為替の基本を理解してみたい。

ビッグマック指数とは何か?

マクドナルドは世界100カ国以上に展開する、言わずと知れたグローバルカンパニーだ。全世界、多少の違いはあれども、同じ商品を販売している(インドのマクドナルドにはカレーがある!)。定番商品のビッグマックは、ほぼ同じ材料で、同じように生産されている。

同じものを同じように作っているのであれば、通貨の違いはあれ、同じ値段になるであろうという「一物一価」という経済学の考え方がある。
そこで、各国のビッグマックの価格を比較し、世界各国の総合的な購買力(貨幣価値。貨幣の、財やサービスを購入することができる能力 )を見ようというのが、イギリスの経済誌が発表している「ビッグマック指数」だ。

例えばビッグマックが、アメリカで4ドル、日本では300円だとした場合、「4ドル=300円」、つまりドル円のビッグマック指数は「1ドル=75円」が適切な為替レートとなる。
このように、実際の物の価格をもとに、「物価が釣り合っている状態」のことを「購買力平価」という。

だが、実際の為替レートが「1ドル=110円」だとすれば、購買力平価と差が出てくる。であるならば、為替レートを見直してみようという議論になる。こうした、為替の検討材料の一つとして使われる指標が「ビッグマック指数」なのだ。

そもそも為替ってなに?

ビッグマック指数がなんとなく理解できたところで、本題の「為替」に移っていこう。
まず、普段何気なく使っている「為替」という言葉だが、一般的には「外国為替」の略称として使われることが多い。「為替取引」といえば、「円」と「ドル」などの2種類の通貨を交換する取引のことを指し、取引する場を「外国為替市場」、通貨の交換比率のことを先ほども出てきたが「為替レート」と呼ぶ。

また、このレートが変動することを「円高/円安」と言う。例えば、1ドルのボールペンを今まで100円で購入できていたとしよう。もし、そのボールペンが120円になっていたら、「円安/円高」どちらだろうか?

答えは「円安」。非常に混乱をしやすいが、理解するためには、「高い/安い」を通貨の価値に置き換えて考えるといい。

為替レートが1ドル=120円だとすると、今まで100円で買えていたものに対して、20円多く支払っていることになる。つまり、「同じものを買うのに、より多くの円を出している状態」=「円の価値が下がった」と考える。これが「円安」だ。

反対に、1ドル80円になったとすれば、「今まで100円を出さなければ買えなかったものが80円で買えるようになった状態」=「円の価値が上がった」と考える。これが「円高」だ。

為替レートはなぜ動く?

ところで、1ドルが80円になったり、120円になったりするのはなぜか?
答えはシンプルで、「円」と「ドル」の交換において、「円」が欲しい人が多いと「ドル」が安くなり、「ドル」が欲しい人が多いと「円」が安くなる。つまり、需要と供給のバランスで決まるのだ。

「円」を欲しがる動機として、以下のような場合が考えられる。

  • 日本の経済が好調で株価が上がっている時
    →海外の投資家が「円」を買って、日本株式を購入し、日本での投資を試みるため。
  • 日本の株価が横ばいであっても、他国の株価が大幅に下がっている時
    →他に投資先がないため、株価も為替レートも比較的安定している日本に逃げてくるため。

また、その他のレートの変動理由も忘れてはならない。各国の金利や政治情勢、景況調査の結果なども関係してくる。為替レートの変動は、複雑な方程式のようだが、ずっと動向を追っていると、関係性が見えてくるものだ。

為替は企業の業績にどう影響する?

さて、為替への興味が広がってきたと思うが、結局私たちの生活の中で、為替の変動がどう影響しているのだろうか。
ここからは為替をより身近に感じるため、企業への影響、私たちの暮らしへの影響を見ていこう。

「円安が進み、輸出関連企業の業績が軒並み上がりました」といったニュースを聞くことがある。これは「円高/円安」の仕組みがわかっていれば、どう企業の業績に影響が出たのかが理解できる。

例えば、ある自動車メーカーが、車を米国に1台1万ドルで輸出していたとしよう。1ドル100円の場合、1万ドルの車は、日本円に換算すると100万円で売れることになる。これが円高に振れ、1ドル80円になった場合はどうだろう。同じ1万ドルの車なのに、日本円に換算すると80万円にしかならないことになる。逆に1ドル120円の場合、日本円に換算すると120万円で売れたことになる。

このように「円安」になると輸出関連企業の業績は向上する。ただ一方で、輸入企業にとっては、輸入する物品の値段が上がることになるので、業績に悪影響をおよぼすことになる。また、「円高」に振れた場合には、この影響は逆転することになるので、どちらも良い点・悪い点があるということだ。

私たちの暮らしへの影響はどうなるの?

一方で、「円安/円高」は私たちの生活にどう影響してくるのだろうか? あまり影響を受けたという実感は持てていない気もするのだが。経済アナリストの中原圭介さんに聞いた。

「残念ながら、ここ数十年、為替の値動きは個人の生活に影響していません。バブル崩壊以降、為替は1ドル70円台〜140円台まで動いているにも関わらず、サラリーマンのお小遣いは横ばいです。2003年以降はずっと3万円〜4万円の間を行き来している状況です」

つまり、1991年に起きたバブル崩壊以降の動きを見る限り、70円規模の相場変動なら、私たちの暮らしに大きな打撃があるわけではないとのこと。なぜそんな現象が起きているのだろうか。高度経済成長期では、円安で庶民の暮らしも潤ったと聞いたのだが…。

「一般的な庶民の食卓に出てくる食べ物の7、8割は輸入品と言われている現在、かつてのように『円安で輸出企業が潤う→給料が上がる→暮らしが豊かになる』の構図は成立しません。円安の場合は、『輸出企業が潤う→給料が上がるが、生活コストも上がる→暮らしは変わらない』。円高の場合は、『輸出企業が苦しくなる→給料が下がるが、生活コストも下がる→暮らしは変わらない』。複雑化するグローバル経済では、この2つの構図で動いています」(中原さん)

「円高/円安」を身近に感じるのはどんなとき?

では、為替に興味を持ち、「円高/円安」の動きを身近に感じたい場合、どうすればいいのだろう?

「円高は消費と密接に関係しているので、変化を実感しやすいと思います。スーパーやデパートなどにショッピングに出かけると、輸入品が安くなっていることも。思い切って海外旅行に行ってみるのもいい。両替するだけで為替相場の違いを体感できる海外旅行はオススメです」(中原さん)

国内では「円安/円高」を身近に感じられなくなっている昨今、「円高」になったら海外へ飛び出してみるのが良さそうだ。その際には、為替のチェックを忘れないようにしたい。海外のビッグマックが本当に日本と同じ味なのか、体感してみるのもおもしろいだろう。

監修:中原 圭介(なかはら・けいすけ)

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析。その予測の正確さには定評がある。

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