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本質を掴んで端的に伝えろ!「要約力」こそが最強のビジネススキルである理由

本質を掴んで端的に伝えろ!「要約力」こそが最強のビジネススキルである理由のイメージ

「読書やセミナー通いを熱心にしているのに仕事に活かせている気がしない」「気合いを入れて説明しても、“話がわかりづらい”といわれる」。若手ビジネスパーソンが陥りがちな“2大空回り”ではないだろうか。

前者はインプットが、後者はアウトプットがうまくできていないわけだが、じつは必要なスキルは同じ。それが、物事の“本質”をすばやくつかみ、短い言葉にまとめる「要約力」だ。

インプットとアウトプットの質が飛躍的に向上する「要約力」。その身につけかたを、著者累計41万部超、ベストセラー『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』(サンマーク出版)などの著書で知られる、浅田すぐるさんに聞いた。

“消費”型の学習を、“投資”型に変えよう

なぜ「要約力」を身につければ、インプットとアウトプットの質を向上させることができるのか。浅田さんはその理由を次のように説明する。

「まずはインプットについて考えてみましょう。書籍やセミナーで学んだことを仕事に活かせていないとすれば、それは学んだ内容を忘れてしまっているからです。『いやいや、自分はあのビジネス書を読んで感銘を受けた、忘れるはずがない』と反論したくなるかもしれません。でも、その書籍の内容を説明するよう促されると、言葉に詰まってしまう人も多いのではないでしょうか。

うまく説明できないのは忘れているからです。なぜ忘れてしまうかというと、自分なりに内容を咀嚼できていない、つまり要約できていないから。“投資”型の学びではなく、“消費”型の学びになってしまっているのです」

“投資”型の学びではなく、“消費”型の学びになっている――そう言われて耳が痛い人も少なくないだろう。では、“投資”型の学びに切り替え、学んだことを忘れないためにはどうすればいいのか。浅田さんによると、そこで必要になるのが「要約」の3ステップだという。

1:目的の明確化
2:思考の整理
3:端的な要約

「たとえば読書の場合、最初になぜその書籍を読むのか、読書の目的を明確にする。そして内容について咀嚼したうえで思考を整理し、その書籍がどういう内容なのか、端的に要約する。言い換えると、目的に沿って読書を進めたうえで“勘所”をつかみ、自分の言葉で表現する。これができれば内容を簡単に忘れることはありません

では、具体的にはどのように実践すればいいのか。書籍を読みながらあちこちに付箋を挟んでいく? セミナーの音声を録音してあとで聴き返す? 浅田さんによると、必要なのは1枚のメモ用紙とペンだけなのだという。

だれでもできる「紙1枚」の要約法

ここでは読書を例に、具体的な方法を見ていこう。

まずはB5サイズ、またはA4サイズの紙を用意し、ペンを使って図1のようにフレームをつくる。最上段に書籍名とテーマ、なんのためにその書籍を読むのか「目的」を記入する(目的の明確化)欄をもうける。読書を始める前に、まずはこの欄を埋めることが特に重要だと浅田さんはいう。

図1:要約用フレーム

図1:要約用フレーム

※『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』の「1シート・ラーニング・システム」をもとに編集部作成

「仕事に活かすためにビジネス書を読む場合などは、特に『目的』が重要な機能を果たします。なぜなら『目的』が明確になることで、目的達成に役立ちそうな情報だけを効率的にピックアップすることができるからです。

書籍を読んでも仕事に活かせない人は、『目的』が曖昧なままダラダラと読み進めているケースが多い。たとえば私の著書『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』を読む場合、目的は『20字で伝える方法を知る』といったところでしょうか。この『目的』を忘れないよう紙に書いておくことで、要約の効率は大幅に向上します」

目的を明確にしたうえで読書を進め、ひと通り読み終えたら、次は書籍の中から目的に役立ちそうなキーワードやフレーズを拾い出し、フレームのなかに書き出して「思考を整理」していく。

フレームの数の目安は8個~16個。前述した浅田さんの書籍の場合、「要約力とは説明力」「本質はシンプル」「2W1Hを意識する」などのフレーズでフレームを埋めていくことができるだろう。

図2:目的に役立つフレーズを書き出し、思考の整理をする

図2:目的に役立つフレーズを書き出し、思考の整理をする

※『すべての知識を「20字」でまとめる 紙1枚!独学法』の「1シート・ラーニング・システム」をもとに編集部作成

ひと通りキーワードやフレーズ出しを終えたら、次はそれらを用いて考えをまとめていく。フレームのなかにある同じ意味の言葉に丸をつけたり、線でつないだりしながら、最終的な考えを20字前後で言語化し、最下段に記入する。この「要約」する行為が学習法の肝になるのだが、それにしてもなぜ「20字前後」の短い言葉にまとめるのだろうか?

「書籍の内容を短い言葉にまとめるには、書かれてあることを噛み砕いて自分なりの言葉に変換していく必要があります。そうすることで本質を理解できますし、自分で考えた短いフレーズなら覚えていやすい。書籍の内容を頭のなかに接着するには“要約”がいちばん合理的なんです

この紙1枚を使った方法は読書だけでなく、セミナーや講演会にも応用可能だ。最初は少し面倒に感じても、紙とペンを用意してぜひ実践してほしい。トレーニングを繰り返すうちに、紙とペンなしでも物事の本質をすばやく理解し、要約することができるようになるはずだ。

「2W1H」でアウトプットの質を高める

インプットに必要なこれら要約の3ステップは、そのままアウトプット時にも必要になると浅田さんは続ける。

「わかりやすく伝えるためには、なぜそれを説明するのかという目的に沿って思考を整理し、端的に要約して伝える必要がある。インプットの場合と同じですね」

たとえば会議で意見を求められたときや、クライアントへのプレゼンの際など、ビジネスシーンでは「端的でわかりやすい説明」を求められることが多い。これはつまり、「要約」して伝える必要があるということだ。

「では、人に説明する際にはなにを要約すればよいのか。それは“3つの疑問”――What? Why? How? です」

この「2W1H」の法則は、会社員時代に上司や同僚からありとあらゆるツッコミを受けたという浅田さんが編み出した対処法。この3つの疑問に対する回答を網羅して説明するようになってからは、ツッコミを浴びせられることがほとんどなくなったのだという。

「たとえば企画の説明をする際に必要なのは、『何の企画なのか?(What)』『なぜ企画するのか?(Why)』『どのように進めるのか?(How)』の3つ。あらかじめこの3つの疑問が解消されるよう説明すれば、相手はだいたい満足してくれるはずです」

What?=企画の概要、打ち合わせ結果、問題の明確化、現状把握など
Why?=企画の背景、出張目的、真因分析など
How?=予算、発注先、スケジュール、今後の対応など

だらだらと話すと「要するに?」と言われてしまう。それを避けるためにも、上記3点をおさえて端的に説明する。そうすれば、自分も理解したうえで相手にも理解できる、よいアウトプットが可能になるはずだ。これを要約の3ステップにあてはめると、以下の通り。

1:目的の明確化 なぜ説明するのかを明確にする
2:思考の整理 目的に沿って2W1Hを整理する
3:端的な要約 要約して伝える

もちろん、端的に説明しても相手から質問が飛んでくることはあるだろう。その際にも「あらゆる疑問に対する答えを20字くらいで提示できるようになっておきましょう」と浅田さんは念押しする。

口頭で質問された際もできるだけ短く――20字前後にまとめて答えられるよう、それぞれ紙に書き出して要約するトレーニングをしておきたい。それだけで、あなたの伝える力、アウトプットは大きく改善するはずだ。

「動詞」を「動作」に変換する

ちなみに、浅田さんは複数の著書で「(書籍で学んだ内容を)行動に移したいなら『動詞』を『動作』に変換する」ことを提唱している。

書店に並んでいるビジネス書のほとんどは、学んだことを「行動」に移せる書き方になっていないからだ。

そこで、「動詞」を「動作」に変換してみる。たとえば「目的を意識する」と書籍に書かれていたならば、「意識したい目的が書かれた紙を繰り返し見る」、「組織に浸透させる」を「浸透させたいメッセージを毎日唱和する」など、具体の動作へ変換する。そう意識しながらビジネス書を読む習慣が身につけば、それだけで読書の効果が仕事の成果に現れやすくなるというのだ。

その観点から、この記事を読んだビジネスパーソンにしてほしい「動作」はなにかと尋ねたところ、「紙1枚とペンを用意すること」という答えが返ってきた。まずは、本記事の内容をフレームに書き出し、20字に要約してみるところから始めてみてはいかがだろうか。

【お話をお伺いした方】
浅田 すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス株式会社 代表取締役。愛知県名古屋市出身。トヨタ自動車株式会社入社後、海外営業部門に従事。米国勤務などを経験したのち、6年目で同社のグローバル企業ウェブサイト管理業務を担当。その後、株式会社グロービスへの転職を経て独立。社会人教育の世界で講師や作家として活動している。最新刊は『説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚!」プレゼン』(日本実業出版社)。

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