2025.12.24 NEW
2026年の日本株は「午尻下がり」回避へ? テーマはAI・防衛・エネルギーなどに注目 野村證券ストラテジストが解説
2025年の振り返り:世界的に株高が進む
2025年は、政策不確実性が高まるなかでも実体経済と企業経営が強靭さを示し、世界的に株高が進みました。海外では米関税ショックの後に関税政策見直しや米減税法成立が進み、市場に安心感が広がりました(TACOトレード:Trump Always Chickens Out)。国内では参院選後の政局急変と高市政権の誕生があり、為替では米ドル安・円安基調が残る1年となりました。野村證券が2025年の日本株のテーマとイベントとして挙げた「米中の景気と政治・政策」「PB(プライマリー・バランス)目標」「参院選」「日銀ETF(上場投資信託)の出口問題」は、それぞれ材料視され、金融経済も想定以上に動きました。実体経済と企業経営が強靭さを示したことは、2025年の特徴だったと言えます。
1年前に野村證券が2025年の注目テーマとしたなかでは、AI・半導体、データセンター、防衛、原子力が大幅にアウトパフォームしました。一方、宇宙やアニメ・コンテンツは2025年前半にアウトパフォームした後は軟調で、消費・雇用関連テーマは総じて伸び悩みました。
株式市場から見た2026年のマクロ・ミクロの注目イベント、テーマと大局観
2026年は「午(うま)」年です。相場格言的には慎重論もありますが、最高益更新を続ける日本企業のファンダメンタルズの改善が格言に勝ると考えており、日本株全体では利益確定はまだ先とみています。2025年上期決算はBtoB(企業間取引)業種を中心に総じて堅調でした。AI・データセンター需要に加え、人手不足を背景に採算の悪い事業を縮小・停止し、収益性の高い事業へ資源を再配分する動きが広がり、収益性の改善が進みました。この流れは2026年度も続き、最高益更新を見込みやすい環境と考えます。一方で、中国向けビジネスやインバウンドは引き続き逆風を受けやすい見通しです。
ジンクス的議論:干支、米国選挙サイクル
2026年の干支である「午(うま)」の相場格言は「午尻下がり」で、「午年は年の後半、特に年末にかけて相場が下落しやすい」と解釈されています。実際、1950年以降のTOPIX(東証株価指数、配当込み)の平均リターンは午年が 4.0%と十二支で最も低い水準です。ただし、この数値はサンプル数が6前後と限られており、統計的な再現性が高いとは言えません。午年の各年をみると、1990年は金融引き締めや不動産規制に伴うバブル崩壊、米国景気後退が相場に大きく影響し、2002年は米国の不正会計問題や日本の景気後退が響きました。現時点で野村證券は、日米ともに2026年の景気後退は見込んでいません。
| 干支 | 国内株式 | 米国株式 |
|---|---|---|
| 午 | -4.0% | 4.1% |
| 未 | 10.4% | 19.9% |
| 申 | 9.8% | 11.4% |
| 酉 | 20.7% | 0.9% |
| 戌 | 5.1% | 12.4% |
| 亥 | 16.3% | 19.3% |
| 子 | 23.4% | 3.0% |
| 丑 | -3.0% | 19.5% |
| 寅 | 4.1% | 3.3% |
| 卯 | 20.1% | 17.4% |
| 辰 | 24.3% | 13.3% |
| 巳 | 12.4% | 8.8% |
(注)株式は配当込みリターン。
(出所)S&P、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
干支と同様のジンクス的な議論として、米国の選挙サイクル論があります。中間選挙の年は株式リターンが相対的に低いとの見方がありますが、1950年以降の平均リターンでは、TOPIX(配当込み)が+1.1%、S&P500が+6.4%です。ただし、これもサンプル数が15前後に限られるため、統計的な再現性が高いとは断言できません。
| 国内株式 | 米国株式 | |
|---|---|---|
| 中間選挙 | 1.1% | 6.4% |
| 中間選挙翌年(大統領選挙前年) | 15.4% | 18.8% |
| 大統領選挙 | 18.2% | 9.1% |
| 大統領選挙翌年 | 10.2% | 10.2% |
(注)株式は配当込みリターン。
(出所)S&P、JPX総研より野村證券市場戦略リサーチ部作成
人手不足を理由に儲からない仕事を止めれば生産性向上
高圧経済的発想を企業経営面で突き詰めると、人手不足を理由に収益性の低い事業を停止し、収益性の高い事業に資源を集中するだけで、比較的容易に収益性を改善できます。資本財・部材、情報サービス、建設などのBtoB業種を中心に、こうした収益改善のプロセスが始まっており、2026年度も継続するとみています。
BtoC(消費者向け)では、小売・食品セクターを中心に、値上げ後に想定以上の客数減少となるケースが多くみられますが、2026年に実質賃金が上向けば、値上げの持続可能性は高まると期待されます。バランスシート上に積み上がった現預金の効率的な活用も、改めて問われるでしょう。
個別テーマでは、先端半導体需要の拡大に並行して、AIエージェントやフィジカルAIによる利便性向上が期待されます。データセンター向けの電力供給の観点から、SMR(小型モジュール炉)や核融合への期待も高まりやすいとみています。防衛、宇宙、造船では、断続的な政策支援が収益にも好影響を与えやすいでしょう。政策テーマで出遅れているのは、AI(ソフトウエア・コンサルティング)、ペロブスカイト太陽電池、シェルター、大阪副首都構想(大阪の都市機能強化)などです。一方で、日本版CIFIUS(対米外国投資委員会)・外為法強化は、投資家に警戒されやすい可能性があります。また、インバウンドや外国人居住サービス分野では、規制や需給要因による逆風に注意が必要です。
なお、テーマ株・コンセプト株に該当する銘柄が継続的に市場平均を上回り続けるのは容易ではありません。(A)政策サポートなどのニュースフローが断続的に出る、(B)当該テーマやコンセプトが業績改善に実際に寄与すると投資家の確信が強まる、(C)バリュエーション(投資尺度)面での割高感や需給の「混雑」が見られない、などの条件を満たす場合に、持続的なテーマ物色が生じやすいと考えます。
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株メモ:2026年の日本株テーマ&イベント – デフレ時代の歴史的産物の総決算が問われる1年に(2025年12月18日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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