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2026.05.11 NEW

日本株の決算前半戦を読み解く 焦点は中東情勢の逆風 vs 企業の値上げ力 野村證券ストラテジストが解説

日本株の決算前半戦を読み解く 焦点は中東情勢の逆風 vs 企業の値上げ力 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

中東情勢の織り込みは企業ごとに異なる

2026年5月1日時点で、2・3月決算企業のうち、時価総額ベースで約35%に当たる銘柄で2025年度本決算が出揃いました。全産業を集計すると、2025年度は3.1%の増収、8.9%の経常増益となり、全体の67%の企業が経常増益となりました。2026年度の会社予想は4.6%の増収、1.9%の経常増益計画です。社数ベースでは全体の69%が期初計画で経常増益を見込んでいるものの、増益幅は1桁台前半が多いのが特徴です。

2026年度会社予想の経常利益がコンセンサスを下回るケースは全体の76%と、例年通り保守的な計画が目立ちます。会社予想が未定の企業は少数であり、その株価反応も必ずしもネガティブではありません。中東情勢に関する開示内容は企業によって異なり、明確な数値を織り込む場合もありますが、多くは現時点の不透明感を示しつつ、価格転嫁への姿勢を強調しています。

不透明な環境下でも、全体の43%の企業が2026年度会社予想(期初計画)で増配を見込んでおり、自社株買いも1割前後の企業で発表されるなど、株主還元姿勢は引き続き強い状況です。2026年度の期初計画は2〜3%前後の経常増益が目安であり、アナリストリビジョン(アナリストの業績予想の方向感)が通常通り下振れることが引き続き想定されます。

焦点は値上げ力、為替前提は保守的

四半期ベースでは、2026年1-3月にかけて売上高とともに売上原価や販管費も前年比で5〜6%増加しました。今後もコスト高や価格転嫁力への関心は高いとみられます。2025年度実績でも、各種コスト増や関税によるマイナス影響を、数量効果や値上げ、その他(構造改革)によって相殺しています。2026年度会社計画も、数量効果と値上げでコスト増を吸収する構図となっています。2026年度の為替前提は、米ドル円が150〜152円前後、ユーロ円が178〜180円前後が多く、外需企業には一定の余裕がある状況です。

2026年度営業利益の会社予想の要因分解(公表している30社の集計値)

日本株の決算前半戦を読み解く 焦点は中東情勢の逆風 vs 企業の値上げ力 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

(注)対象は2026年5月1日までに2025年度決算を公表した2・3月本決算企業で、2026年度営業利益の会社予想の要因分解を開示している30社。前年同期比の増減益を数量要因、価格要因、為替要因、原材料価格要因、販管費・固定費要因、人件費要因などに分類しています。各社の表記は必ずしも一致しませんが、野村證券で分類し直して集計しています。
(出所)各社開示資料より野村證券市場戦略リサーチ部作成

現預金・純資産が積み上がる中で問われるキャッシュアロケーション

2026年3月末時点の現預金は前年比7.7%増、純資産は同9.9%増となっており、バランスシートの有効活用に対する投資家の関心は今後も高いとみられます。株価反応が鈍いケースも多いものの、現預金残高に踏み込んだ説明や、不動産活用を強調する事例もみられます。特に現預金残高の適正値については「月商の数ヶ月分」や「M&A(合併・買収)用資金」を基準にした説明が投資家にも分かりやすく、コーポレートガバナンス・コード(CGコード、企業統治指針)の改訂を先取りした模範例とみなされやすい傾向です。また、既存の中期経営計画などをもとにキャッシュアロケーション(資金配分)計画や投資・株主還元額を決算資料などで示す企業も多くなっています。

減益実績・計画でアンダーパフォーム、自社株買いでアウトパフォーム

決算発表時の株価反応をみると、2025年度に減益となった企業(全体の33%)、2026年度に減益予想の企業(全体の31%)はアンダーパフォームする傾向が強く、逆に自社株買いを発表した企業(全体の10%)、2026年度利益計画がコンセンサス比で強気の企業(全体の24%)は株価が相対的に底堅い点が確認できました。

(編集:野村證券投資情報部)

編集元アナリストレポート

日本株メモ:決算前半戦の定量・定性評価(5/1時点) – 中東情勢の悪影響vs値上げ力、BS効率活用意識の萌芽も(2026年5月8日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

 
   
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