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2019.09.09 NEW80年代生まれのリアル

80年代生まれのミライ―社会の変化をとらえ未来に備えるために【社会変化編】

80年代生まれのミライ―社会の変化をとらえ未来に備えるために【社会変化編】のイメージ

日本が少子高齢化という大きな課題を抱えていることは、今では小中学生でも知っている常識だ。とはいえ、このまま少子高齢化が進めば社会がどのように変化し、人口減少がどのようなスピードで進むのかなど、具体的な“未来”をイメージできている人は決して多くないだろう。

NRI(株式会社野村総合研究所)が公開している「NRI未来年表2019-2100」の情報を元に、日本の人口減少や少子高齢化を見ていこう。ここには、未来に起こる事象が「政治・社会」「経済・産業」「国際」に分類されて、さらにNRIの予測が掲載されている。

これからの時代を、30代のビジネスパーソンはどう生き抜いていくべきなのか?
NRI未来創発センター長の桑津浩太郎(くわづ こうたろう)氏に、さまざまな予測をもとにお話をうかがった。

人口減少による人手不足

まずは、人口減少と少子高齢化の予測について、EL BORDE(エル・ボルデ)の読者の一例として1985年生まれ(2020年で35歳)の年齢移行と照らし合わせて見ていこう。

下図を見ると、日本の総人口は急激な減少が続き、高齢化も、1985年生まれが57歳になる2042年まで進み続けることがわかる(図1)。

図1:1985年生まれの年齢移行と、日本における人口変化、少子高齢化

図1:1985年生まれの年齢移行と、日本における人口変化、少子高齢化

出典:株式会社野村総合研究所「NRI未来年表2019-2100」から編集部作成

「日本の人口減少はほとんど外れない予測です。人が減るということはマーケットが縮むわけですから、今後の日本経済は厳しい局面に入ることが予想されます。ただし、現在の30代に着目してみれば、今後20年は多くの業界で人手不足が続くので、仕事がなくて困るということは考えにくいでしょう」と桑津氏はいう。

つまり、日本全体でみれば人口減少によって日本経済が衰退していくが、30代においては「選ばなければ職はある」というわけだ。

30代は2つの分岐点に立たされている

さらに、30代の置かれている状況について桑津氏はこう続ける。

「日本の企業のなかで、いまの30代はある意味では金のニワトリであり、今後も中核的な労働力としての価値は相対的に上がっていくはずです。とはいえ、市場が縮小していくなかで金のニワトリにふさわしい処遇がされるとは限りません。

定年が65歳よりもさらに伸びることで、同じ会社にいる40代、50代が居座り続けて、なかなか上のポストが空かないという問題もあります(図2)」

図2:1985年生まれの年齢移行と、人口変化によるキャリアへの影響

図2:1985年生まれの年齢移行と、人口変化によるキャリアへの影響

「また、別の問題もあります。いまや優秀なスキルを持つ学生を採用するために、IT企業が新卒社員に1,000万円も出す時代になっています。後ろの世代を見ると、2020年には小学校でプログラミング教育が始まることからわかる通り、AIなど新しい技術が出てきたことで、高度なデータ分析スキルの重要度が上がっています。そのため、現在の10代や20代の人はそうしたスキルを大学などで勉強して、続々と市場に出てくるわけです(図3)」

図3:1985年生まれの年齢移行と、テクノロジーによるキャリアへの影響

図3:1985年生まれの年齢移行と、テクノロジーによるキャリアへの影響

出典:株式会社野村総合研究所「NRI未来年表2019-2100」から編集部作成

いまの会社で出世を目指しながら定年まで勤め上げる―そんな従来型のキャリアパスを選ぶか、新たにAIなどのスキルを学び直してシフトチェンジするか。「いまの30代はちょうどそうした2つの選択肢の分岐点となる世代です」と桑津氏は指摘する。

「たとえば30代前半であれば、いまからリスキル(自身のスキル体系の再構築)をしてAIなどの技術を学べば、20代などの若い世代とともにギリギリ新しい波の先頭に立てるかもしれません。一方で30代の後半なら環境を大きく変えるのは年齢的に少し厳しいかもしれませんが、たとえチャレンジして失敗しても職はあります。そういった意味では、いまの会社に居続けるかどうかを考え直し、現状の仕事や会社をきちんと見極めておくことも大切です。

たとえば、いまの仕事がいずれAIに代替されてしまうようなものだったり、社会の変化に会社がついていけそうにない場合は、チャレンジしないリスクの方が大きいといえるのかもしれません」

人間の労働力がAIに代替されるようになると言われているように、30代は将来を見越して、自身の主戦場を見直す必要がありそうだ。

アジアで働くことがより身近になる時代に?

そこで、労働力人口がどんどん減り市場が縮小していく日本では、「華僑ならぬ和橋が増えていくと思います」と桑津氏は予測する。

「あと10年も経てば翻訳機が十分に使えるものになります。これまで日本人はずっと英語を勉強してきましたが、ビジネス的に考えるとこれから有利になるのは明らかに中国語です。最近も日本の寿司職人がマカオのホテルに就職したら年収が何倍にもなったというニュースがありましたが、料理人だったり美容系だったり、何らかのスキルに加えて最低限の中国語ができれば、平日は給料のいい中国で働き、週末は日本に戻るといった選択肢を持つこともできるはずです」

アジア諸国を見ると、インドや中国に限らず、インドネシアなどが現在進行系で飛躍的な経済成長を遂げている(図4)。

図4:予測されるGDPの世界順位(購買力平価ベース、2016年基準の恒常10億米ドルベース)
順位 2016年(実績) 2030年(予測) 2050年(予測)
1 中国
(21,269)
中国
(38,008)
中国
(58,499)
2 米国
(18,562)
米国
(23,475)
インド
(44,128)
3 インド
(8,721)
インド
(19,511)
米国
(34,102)
4 日本
(4,932)
日本
(5,606)
インドネシア
(10,502)
5 ドイツ
(3,979)
インドネシア
(5,424)
ブラジル
(7,540)
6 ロシア
(3,745)
ロシア
(4,736)
ロシア
(7,131)
7 ブラジル
(3,135)
ドイツ
(4,707)
メキシコ
(6,863)
8 インドネシア
(3,028)
ブラジル
(4,439)
日本
(6,779)

出典:PwC Japanグループの調査レポート「2050年の世界」から編集部作成

図4:予測されるGDPの世界順位(購買力平価ベース、2016年基準の恒常10億米ドルベース)
順位 2016年
(実績)
2030年
(予測)
2050年
(予測)
1 中国
(21,269)
中国
(38,008)
中国
(58,499)
2 米国
(18,562)
米国
(23,475)
インド
(44,128)
3 インド
(8,721)
インド
(19,511)
米国
(34,102)
4 日本
(4,932)
日本
(5,606)
インドネシア
(10,502)
5 ドイツ
(3,979)
インドネシア
(5,424)
ブラジル
(7,540)
6 ロシア
(3,745)
ロシア
(4,736)
ロシア
(7,131)
7 ブラジル
(3,135)
ドイツ
(4,707)
メキシコ
(6,863)
8 インドネシア
(3,028)
ブラジル
(4,439)
日本
(6,779)

出典:PwC Japanグループの調査レポート「2050年の世界」から編集部作成

「いまの30代が50代になる未来にはインドネシアがGDPで日本を抜くと予想されています。今後は縮小する日本のマーケットだけでなく、そういった近隣諸国に注目してみることも大切。たとえば30代のビジネスパーソンであれば、旅行でもいいので中国やそうしたアジアの国々に訪れてみると、今後のキャリアパスに役立つ発見があるかもしれません」

日本国内の市場が縮小していくのであれば、海外へと目を向けることも考えられるということだ。

とはいえ、日本においても近い未来には、人口減少・少子高齢化社会ならではのビジネスや、新たなテクノロジーが登場するはず。

続くテクノロジー編では引き続き、30代ビジネスパーソンが知っておくべき“日本の未来”を桑津氏に予測いただく。

参考:

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