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教えて津田先生!DC加入者が知っておきたいアレコレ 第7回「確定拠出年金に関連する年齢あれこれ」

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確定拠出年金(DC)の制度を説明するときは、さまざまな年齢が出てきます。
そこで、今回のコラムでは、年齢を軸にDC制度の概要を整理します。

20歳:DCの加入対象年齢

DCの加入対象者は、原則として20歳以上65歳未満の国民年金または厚生年金の加入者です。

ここに注意

国民年金の第2号被保険者(厚生年金被保険者)はDCに加入できます。そのため20歳未満であっても、厚生年金の適用事業所で働いている人はDCに加入できます。

〈深掘り!〉

学生であっても、国民年金保険料を納付している人は、個人型DC(iDeCo)に加入できます。ただし学生納付特例制度を利用している場合は加入できません。
また、iDeCo加入のメリットの一つは「掛金分が全額所得控除されること」ですが、学生の場合は所得税を納めていない人も多く、このメリットを享受できないことが多いので気を付けましょう。
最近では、新卒で入社する人でも「iDeCoを利用しています」という声が増えてきました。NISAとともに、iDeCoも浸透してきていることがうかがえます。

50歳:企業型DCで加入年齢に上限を設ける場合の年齢

企業型DCでは、規約で定めることで、50歳以上の人を加入対象外とすることができます。これは、50歳を超えて初めて加入すると、60歳時点でDC資産を受け取れない場合があるためです。
一方で、50歳を超えて転職する人も増えているため、受け入れ側の企業にも変化がみられます。年齢で区切らずに全員加入とするケースや、50歳以上を加入選択制とするケースも多くなっています。

ここに注意

60歳時点で通算加入者等期間が10年以上ないと、原則として60歳から受け取ることができません。
通算加入者等期間とは、60歳に達した日の前日が属する月以前までの期間で、次の期間を足し合わせたものです。

  • 企業型DCの加入者期間および運用指図者期間
  • iDeCoの加入者期間および運用指図者期間
  • 他の企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金等)からの資産の移換がある場合は、移換元制度の加入者期間に相当する期間

〈深掘り!〉

50歳を超えて初めてDCに加入した場合、いつから受け取れるかは分かりにくいポイントです。

60歳までの通算加入者等期間 受給開始可能年齢
10年以上 60歳
8年以上10年未満 61歳
6年以上8年未満 62歳
4年以上6年未満 63歳
2年以上4年未満 64歳
1ヶ月以上2年未満 65歳
(60歳以上で新規加入) 加入後5年経過

こうした年齢設定の背景には、拠出から受給までの期間が短すぎると、DCが単なる貯蓄と変わらなくなり、老後資金を準備する制度としての目的に合わなくことがあります。

60歳:60歳までは原則引き出せない、当初の加入者資格喪失年齢

DCは、原則として60歳まで資産を引き出せません。ある調査1によると、制度の特徴として最も認知されていたのは、「60歳まで原則引き出せないこと」でした。
また、「引き出せない」ことを知っていると回答した人は、iDeCo加入者で57%、企業型DC加入者で45%でした。

ここに注意

DCでは、加入者(=掛金拠出のある人)のままでは老齢給付金を受け取れません。受け取るには、加入者資格を喪失していることが必要です。企業型DCで、規約により加入者資格を65歳など60歳超に設定している場合、当該企業に勤務し、DC加入者である間は、60歳になっても在職中は受け取れません。ただし、60歳を超えて当該企業を退職した場合は、受け取ることができます。

1野村アセットマネジメント資産運用研究所「INVESTOR INSIGHTS 2025(確定拠出年金)」

DC制度が始まった当初は、加入者資格を喪失する年齢は一律60歳に達した日、でした。ここでいう「60歳に達した日」とは、民法上の考え方により、誕生日の前日を指します。
4月1日生まれの人が4月2日生まれの人よりも1学年上に組み込まれるのは、この決まりの影響です。
その後、制度改正により、企業型DCでは加入者資格を喪失する年齢が延長されました。

ここに注意

企業型DCでは、加入者資格の喪失年齢に関する法改正が過去に2度行われています。
まず、2014年1月1日から、60歳以降も同じ事業所で継続して雇用される場合は、規約に定めることで、65歳未満の一定の年齢まで加入者資格を継続できるようになりました。
さらに2022年5月1日からは、国民年金の第2号被保険者(厚生年金被保険者)である限り、加入者資格を継続できるようになりました。あわせて、「年齢」ではなく「時点」で定めることも可能となったことから、例えば「○歳の誕生日の属する月の末日」や「60歳到達後の最初の年度末」などと定める規約も増えています。
ただし、これは規約に定めた場合に限られます。そのため、60歳のまま変更されていない企業型DCも多く、ある調査2によれば、「資格喪失年齢を引き上げた(または引き上げる予定)」とする回答は14.5%にとどまりました。
なお、加入者資格が引き上げられる前に60歳超で企業型DCの老齢給付金を受給している場合は、企業型DCに再加入できません。

2NPO法人DC・iDeCo協会「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査 2025年版(第21回)報告書」

〈深掘り!〉

資格喪失年齢が65歳の事業所に60歳を超えて入社し、企業型DCの加入者になる場合は、注意が必要です。60歳まで勤めた会社の企業型DCをそのまま運用し続けるつもりで、特に手続きを行わずに放置していた場合、転職先の企業型DCに加入すると、前職のDC資産は自動的に転職先の企業型DCに移換されます。これは、企業型DCの口座は一人につき一つしか保有できないためです。
自動で移換されてきた資産は、転職先の企業型DCの掛金配分に沿って運用されます。前職で長期にわたり積み立てたDC資産は、金額も大きいことが想定されます。
ご自身で個人別管理資産移換依頼書を提出し、移換時配分指定を行うことで、移換してきたまとまった資金について、どの運用商品にどのような割合で振り分けるかを指定できるため、意図しない運用を避けることができます。

65歳:iDeCoの加入者資格喪失年齢

iDeCoの加入者資格を喪失する年齢は、2022年5月に65歳まで引き上げられました。
ただし、加入できるのは、国民年金の第2号被保険者(厚生年金被保険者)もしくは国民年金の任意加入被保険者に限られます。

ここに注意

iDeCoも企業型DCと同様に、老齢給付金を受給すると再加入はできません。
また、老齢基礎年金や老齢厚生年金を65歳より前に繰上げ請求して受給している方は、iDeCoの加入要件を満たしていても、iDeCoに加入することはできません。
なお、特別支給の老齢厚生年金を、65歳より前の本来の支給開始年齢で受給した方は加入することができます。ただし、繰上げ請求で、本来の支給開始年齢より前に特別支給の老齢厚生年金を受給した方は加入できません。

〈深掘り!〉

2026年12月以降、iDeCoに加入できる年齢の上限が65歳から70歳に引き上げられます。
現在の加入要件に加え、国民年金の被保険者以外の方でも、iDeCoを活用して老後の資産形成を継続しようとする方のうち、以下の13のいずれかに該当し、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない方は、70歳までiDeCoの掛金を拠出できます。

  1. iDeCo加入者
  2. iDeCo運用指図者
  3. 企業年金からiDeCoに資産を移換する方

なお、2029年11月末までは経過措置として、上記13に該当しない60歳以上70歳未満の方でも、新たにiDeCoに加入することが可能です。
(ただし、老齢基礎年金を受給している方等、一部の方は除く)

75歳:受給開始の上限年齢

2022年4月1日以降、受給開始の上限年齢は75歳となっています。公的年金の受給開始時期の選択肢が広がったことに合わせ、70歳から75歳に引き上げられました。

ここに注意

1952年4月1日以前に生まれた方は、2022年4月1日より前に70歳に達しているため、受給開始の上限年齢は70歳となります。
1952年4月2日以降に生まれた方は、受給開始の上限年齢は75歳となります。

〈深掘り!〉

受給開始の上限年齢が引き上げられたことで、複数の退職給付制度がある場合の退職所得控除の調整ルールは、「前年以前14年」から「前年以前19年」に変更されました。

編集協力:野村證券株式会社 ワークプレイス・オペレーション部 津田 弘美
編集/文責:野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング部

津田 弘美
津田 弘美(つだ ひろみ)

野村證券株式会社 ワークプレイス・オペレーション部
社会保険の専門出版社において、企業年金分野の編集記者として厚生労働省記者クラブ等に所属。その後、野村年金サポート&サービス(現在は野村證券に合併)に入社。業務の傍ら、横浜国立大学大学院において、理論と実務の両面から企業年金制度についての考察を行う。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士課程後期課程修了(経営学博士)。

記事公開日:2026年7月3日

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