公的年金制度が必要な理由は? 老後のお金だけじゃないその役割を解説〈現役世代にわかりやすく徹底解説年金制度〉

今回は、公的年金の老後資金だけではない重要な役割について解説します。
公的年金が必要な理由
「年金」と聞くと、なんとなく「老後のお金」というイメージだけが思い浮かびませんか?
公的年金の役割はそれだけではありません。
障害を負った時や、配偶者が死亡した時などにも支給される重要な機能を備えています。
この2つを各々「障害年金」、「遺族年金」と呼びます。また、老後のための年金は「老齢年金」と呼び、3つを総称して公的年金と呼ばれています。
公的年金 | ||
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老齢年金 | 障害年金 | 遺族年金 |
もしも公的年金制度がなかったら
もし、公的年金の制度がなかったとしたらどうなるでしょう?
「老齢年金」・「障害年金」・「遺族年金」が担っている役割の全てを自分自身で用意する必要が出てきます。
自分自身で対処できるから要らないよ、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
対処できるという人でも忙しかったり面倒だったりして結局準備をしない方もいらっしゃるでしょうし、ご自身では対処するのが難しい方もいらっしゃるでしょう。
特に障害年金や遺族年金がカバーしている役割は基本的に事前にわかっていることではなく、突然にやってくるものです。
老齢年金のカバーしている役割にしても、自分自身の寿命を完全に予測することは誰しもできません。
自分自身で長生きリスクを完全にカバーしようとするとかなりのお金をリタイア前に準備しておく必要が出てきますが、これは現実的には非常に困難です。
その点、老齢年金は生涯にわたって支給されるため、最低限の生活が可能な程度はサポートしてくれます。
これを個々人が任意で民間保険会社の提供する商品でカバーするとなると、費用の面では国民全体で行うよりもかなり割高なコストになると思われます。
日本では、こういった機能を国民全体の保険制度・セーフティネットとして用意しているのです。
文責:野村證券株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室 籔内 大助