2025.02.07 NEW

日本企業の3Q決算では総じて増益基調が継続 株価も業績に素直に反応 野村證券ストラテジストが解説

日本企業の3Q決算では総じて増益基調が継続 株価も業績に素直に反応 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

日本企業の決算発表が本格化しています。その序盤戦の状況について、野村證券のストラテジストが解説します。

幅広いセクターで増収増益基調を維持

東証プライム市場に上場する2・3月本決算企業1,207社のうち、2025年2月5日時点で546社の直近四半期決算が公表されています。これは、社数で33.4%、時価総額で48.8%を占めます。金融と公益を除くベースでは、1Q(第1四半期)から3Q(第3四半期)までの累計で、売上高が前年比4.6%増、営業利益が同10.2%増、経常利益が同9.1%増、最終利益が同7.2%増となりました。

3Qの3ヶ月間でも、売上高が前年比3.4%増、営業利益が同横ばい、経常利益が同26.7%増、最終利益が同27.5%増となり、総じて増益基調が続いています。2Q(第2四半期)に為替差損を計上した輸出企業の多くが、3Qに為替差益を計上したことが、経常利益や最終利益の押し上げ要因の一つとなりました。営業利益は横ばいだったものの、自動車・輸送機、医薬品、小売といった一部の業種を除き、多くのセクターでは営業増益となっています。

四半期企業業績集計値(除く金融・公益、2月5日時点)

四半期企業業績集計値(除く金融・公益、2月5日時点)のイメージ (注1)対象は2・3月期本決算の東証プライム上場企業(除く金融・公益)で2025年2月5日までに2024年度第3四半期決算(2024年9-11月期または10-12月期決算)を公表した企業。凡例の前年比数値は直近四半期の前年同期比。
(注2)売上は左軸、それ以外は右軸。
(出所)QUICKより野村證券市場戦略リサーチ部作成

株価は業績に素直に反応している

幅広いセクターで通期会社予想に対する達成率が高く、通期会社予想の上方修正が優勢な状況です。決算発表後の株価の反応については、四半期実績が市場予想(コンセンサス)を上回ったか下回ったか、また企業が通期業績予想を上方修正したか下方修正したかに対して、素直に反応している状況です。

野村では、トランプ大統領の就任に関連する材料が一巡するにつれて、徐々にリスクを取る動きが活発化し、相場変動を決める要因「ファクター」では業績関連が有効になると考えています。これを踏まえて、好業績の銘柄が相対的に優れたパフォーマンスを見せるなど、直近の決算では「順張り」の動きが優勢になると予想しています。

決算説明会におけるトランプ大統領や関税に関連するコメントを抽出すると、化学、機械、電子部品、自動車・自動車部品、商社、海運といったセクターで言及されていることが確認されています。相対的にみると、海運では迂回輸送需要などのメリットもあるなど、悪影響は限られるようです。一方で、メキシコやカナダで事業を展開する企業の間では、依然として警戒感が強いことがわかりました。

来週、決算発表はピークを迎えます。主要企業では、2月12日にソフトバンクグループ(9984)、2月13日にソニーグループ(6758)、本田技研工業(7267)、日産自動車(7201)などの決算発表が予定されています。

(編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

編集元アナリストレポート

日本株ウィークリー – 関税リスクを抱えつつQ3決算は無事通過へ(2025年2月6日配信)

(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。

※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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