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2022.10.13 NEW

「数値化」の鬼になる! 数字の視点がビジネスパーソンの明暗を分ける!

「数値化」の鬼になる! 数字の視点がビジネスパーソンの明暗を分ける!のイメージ

普段仕事をするうえで、数字に接する場面は多い。「今月は先月よりも◯件多く契約を取る」「残業時間を◯時間以内に抑える」など、さまざまな場面で数字と向き合う機会があるだろう。

このような数値化を怠ると、仕事を進めるうえで不具合や齟齬が生じることがある。たとえば「売上をもう少しアップさせよう」という目標が掲げられたとして、あなたは具体的にどれくらい上げればよいと考えるだろうか。ある人は2%と考え、またある人は15%と考えるかもしれない。売上を2%上げるための施策と、15%上げるための施策では取り組む内容も違ってくるだろう。

何事も数字で捉えて考えるということは、このような個々の認識を一元化して他者との齟齬をなくすことはもちろん、感情を切り離し、客観的に自分を見ることができるようになるための手段でもある。

今回紹介する書籍「数値化の鬼」の著者・安藤広大(あんどう こうだい)氏は、仕事ができる人の共通点として「数字で考えること」「数値化のクセをつけること」を挙げている。自分を数値化して評価し客観的に受け入れることで、足りない部分を数字で認識して正しく埋めようとするため、成長につながるのだという。

「いかなる時もいったん数字で考える」クセをつけることをゴールとし、数値化することがいかにビジネスにおいて重要かを説く本書を読み解いてみよう。

習慣化してしまえば怖くない! 数値化を身に付けるコツ

数値化するのは、いま自分に何が足りていないのか、どういう課題があるのかを見極めるためだ。

そこで、まずは数値化に慣れるために、1日の行動を数字で振り返ることから始めることをおすすめする。

たとえば、営業で外回りをする人であれば「今日は◯軒回った」、販売職であれば「今日は◯円売り上げた」、そのほか自分の業務に合わせて「プレゼン資料の◯%を作り終えた」など、身近なことを数字にしてみてほしい。そして、それらの数字を前日、先週などと比較し分析することで自分に足りないものが見え、自然と解決策を考えるきっかけとなるだろう。

また、自分のことだけでなく、チームで動く時にも数値化を意識したい。

部下や同僚が、「販売力と企画力を強化します」「モチベーションを倍に上げます」としか言わないときは、ちゃんとそれを具体的に数値化させてください。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.65より引用)

たとえば同僚や部下に「この資料作成『なるはや』でお願い」と頼むのではなく、「◯日の◯時までにお願い」と数字で具体的に示したり、上司から「もっとチームの販売力をUPさせろ」と言われたら、「売上10%UPを目標にします」と具体的に明言することで、チーム内に数字で表すクセがついていくだろう。

×「なるべく早く提出する」
~中略~
○「14時の締め切りに間に合うように提出する」
このように、数字を入れることで、誰にでも誤解なく伝えることができ、物事が前に進むようになります。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.68~69より引用)

「『なるはや』ってどれくらい早めにすればいい?」「販売力をUPって、具体的に何を求められている?」といった双方の認識合わせに費やす労力や時間も、最初から数字で表すことで削減できるといる。自分に対しても周りに対しても、曖昧な言い方をするクセをやめ、数字で言い換えて表現することを習慣化していきたい。

そして重要なのが、数値化する習慣を身に付けると同時に、「どうすれば足りない部分を埋められるか」「どうすれば課題を解決できるか」を考えるところまでをセットで行うこと。そのために必要なのが、PDCAだ。次で詳しく見ていこう。

日々の行動が肝! 成長し成功へとつながるPDCAの回し方

ビジネスは結果ファースト。どのようなプロセスであれ、結果を出して評価されている人こそが「仕事ができる人」だと著者は記している。自分自身やチームを成長させ、結果までのプロセスを効率よく進めるためのPDCAの回し方を例とともに紐解いてみよう(図1)。

図1:PDCAの例

図1:PDCAの例

チームで「半年で経費を10%削減」するという目標(P)を立てたとする。そのためには、たとえば日々の行動(D)として、「各チームの月の残業をそれぞれ10時間以内に抑える」というKPIを設定する。具体的に数字で目標を立てれば、日々の行動に迷いが生じることもなくなる。

1カ月後にチームの残業時間が12時間だった場合、「2時間オーバーしたため、このペースでは未達」という数字に基づいた評価(C)ができる。そこで「チーム内のAさんとBさんの残業が特に多い、2人にヒアリングしたうえで個人の週の残業時間を◯時間に抑える取り組みを考えよう」という、数値化した改善(A)ができるのだ。

このAの部分で、「未達だった……来週から気合を入れ直して頑張ろう」といった、数値目標のない改善ではなく、数値化した分析と改善ができてこそ、初めてPDCAが意味を成してくる。さらにいうと、ここで「2人にヒアリングする前にチームでMTGをしたほうがいいのか……?」など、計画段階で考えすぎないこともポイント。なぜなら、考えすぎると行動を止めて行動量を減らすことになってしまうからだ。まずは行動してみて、そこから判断することが大切。成功している人ほど行動量が多く、同時に数多くの失敗を重ねているものだ。

また、著者はPDCAの考え方として、「とりあえず今日は目標を決めたから、明日から取り組もう」と先延ばしにせず、素早くCとAまでたどり着けるよう即行動に移すことを挙げている。

計画を立てただけで満足し、「明日から頑張ろう」と思う人が多すぎます。
計画は、実際に行動が伴って初めて意味を持ちます。
計画での数字と、実際にやってみた数字。それを比較し、素早く不足を埋めるアクションに移ることが何より大事です。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.81より引用)

目標(P)を設定したら、それに向けて迷わないよう行動(D)できるようにKPIを設定。そして数値化した評価(C)に基づき、数値化した改善策(A)を実施する。これが、数値化の強みを生かした結果を出すためのPDCAの回し方といえるだろう。

伸び悩む人が陥りやすい「確率」と「平均」のワナ

ここまでで、何事も数字にして考えることが大切ということがわかった。しかし、なかには“非常に厄介な数字”もあるという。前述の「行動量」を大幅に下げ、成長を止めてしまう2つの数字を見てみよう。

・「確率」のワナ:特に中堅プレーヤーが陥りやすい!「確率」で安心してはいけない理由
成約率80%の人と、成約率50%の人。この確率だけを見ると、誰しも前者のほうが仕事ができると思うだろう。しかし、確率ではなく割り算前の状態に戻して、同じ期間で「10軒回って8件成約した人」と「50軒回って25件成約した人」と考えたらどうだろうか。今度は誰しも後者のほうを評価するだろう。

行動量を増やすために足し算や掛け算をしていた人が、今度は「割り算」をします。
達成率、契約率、成功率など、「%(率)」にこだわるようになります。
これが、非常に厄介な数字なのです。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.129より引用)

経験を積めば積むほど、仕事でカンが働くようになり、「これは失敗するかもしれない」と行動をセーブしてしまうことも。そのため安全な方法を選びがちになって行動量が減り、「成約件数は少ないけれど成約率だけは高い」という状況に陥ってしまうのだ。

いくら「確率では勝ってる」と言っても、8件と25件では、その差が3倍です。
こうした誤解を生む数値化によって安心してしまう中堅プレーヤーが、ものすごく多くいます。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.131より引用)

このような「確率」によって安心してしまうことこそが、伸び悩む原因のひとつだという。「量より質」ではなく、「高い行動量はキープしたまま確率も上げていく」のが正しい方法であると著者は強調する。

・「平均」のワナ:「数値化の鬼」になるには、都合のいい平均値に甘えないこと
売上1,000万円のAチーム、売上600万円のBチーム、売上200万円のCチームがあったとしよう。3チームの売上平均は600万円だ。この結果を受けたBチームが「平均に達しているからまあOKだろう」と思ってしまうと、そこで成長は止まってしまう。

確率と同様に、平均も机上の空論の数字でしかありません。
~中略~
平均のような都合のいい数字を見るクセはやめるようにしましょう。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.151~152より引用)

Bチームには、今期たまたまお得意さまからの依頼が集中し、新規開拓をする必要がなく比較的余裕を持って仕事が進められたという有利な条件が揃っていたとしたらどうか? このまま平均値に甘えてしまうと、まともな評価も改善もできず、成長も望めない。個人としても会社としても、大きな機会損失になりかねないだろう。

行動量にフォーカスできるプレーヤーは、いつまでも成長し続けることができます。自分を甘やかす「数値化」をしないように、気をつけましょう。
(安藤広大『数値化の鬼』<ダイヤモンド社>P.160より引用)

「既存顧客からの発注量はキープしつつ、新規顧客を獲得してトータルの受注数を増やそう」など、行動量にフォーカスすること。これこそが伸び悩みと無縁で成長を続けられるコツである。

数値化の鬼になり、自らの成長を止めないビジネスパーソンへ

目標を定め、日々それに向けて行動を続けること。その際、常に数値化して数字に向き合うことで、必然的に「自分の不足」と向き合い、それを埋めるために試行錯誤して大きく成長できるということがわかった。

数字から逃げないことがビジネスにおいていかに重要かということを説く本書では、「仕事のどこを改善すればよいのか」を見極めるための「変数」の話や、「長期的に見るべきか短期的に見るべきか」の話、そしてプレーヤー目線ではなくトップや管理者として部下をどう評価し、どう伸ばすかといった話題など、数値化して仕事を動かすさまざまなコツを掲載している。数値化についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてはいかがだろうか。

数値化の鬼

■書籍情報

書籍名:数値化の鬼

著者 :安藤 広大(あんどう こうだい)
株式会社識学の代表取締役社長。1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11カ月でマザーズ上場を果たす。2022年8月時点で、約3,000社以上の導入実績があり、注目を集めている。主な著書に、36万部を突破した『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)がある。

出版社:ダイヤモンド社

※本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。

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