2024.01.19 NEW
過去の円高時に上昇した銘柄ランキング 4つの傾向で分類すると
2024年、どのような銘柄に注目するといいでしょうか。銘柄を選ぶヒントのひとつは為替です。
2024年はドル円が140円割れを試す可能性も否定できない
2024年の年始は円安傾向となっているものの、FRB(米連邦準備理事会)への利下げ期待の高まりと日本銀行の金融政策正常化への期待は、円高ドル安圧力を強める可能性があります。
日銀がマイナス金利解除に向けた地ならしを行い、市場の織り込みが進む局面で、年内にドル円が140円割れを試す可能性も否定できません。2024年は、円高米ドル安に備えた投資アイデアの検討を行っておくのも一案です。
では、過去に円高が進行した時にはどのような銘柄が上昇したのでしょうか。また、それらの銘柄にはどのような特徴があるのでしょうか。
これを分析するために使った指標が、「対米ドル円ベータ値」です。これは米ドル/円の為替変動に対して、市場全体の変動を超えて動く傾向のある(為替感応度が高い)個別銘柄に注目できる指標です。
ベータ値がマイナスで値が大きい銘柄ほど、円高ドル安の為替変動の影響を受けて上がったということを意味します。また、ベータ値=0は、その銘柄は為替変動の影響を受けなかったということを意味します。
【銘柄ランキング】対米ドル円ベータ値
順位 | 銘柄 コード |
銘柄名 | 対ドル円ベータ値 | グループ |
---|---|---|---|---|
1 | 3923 | ニトリHD | -1.31 | ①円高メリット |
2 | 9843 | ラクス | -1.24 | ④高ROE |
3 | 3769 | GMOペイメントゲートウェイ | -1.15 | ④高ROE |
4 | 3092 | ZOZO | -0.97 | ④高ROE |
5 | 3038 | 神戸物産 | -0.94 | ①円高メリット |
6 | 8035 | 東京エレクトロン | -0.87 | ③高成長期待 |
7 | 5713 | 住友金属鉱山 | -0.84 | |
8 | 9107 | 川崎汽船 | -0.81 | ④高ROE |
9 | 6707 | サンケン電気 | -0.81 | |
10 | 6758 | ソニーグループ | -0.80 | ④高ROE |
11 | 2175 | エス・エム・エス | -0.75 | ④高ROE |
12 | 4689 | LINEヤフー | -0.72 | ②円高無関係 |
13 | 6005 | 三浦工業 | -0.72 | |
14 | 4063 | 信越化学工業 | -0.70 | ③高成長期待 |
15 | 6407 | CKD | -0.68 | |
16 | 7734 | 理研計器 | -0.67 | ③高成長期待 |
17 | 7735 | SCREEN HD | -0.65 | ③高成長期待 |
18 | 4967 | 小林製薬 | -0.65 | ②円高無関係 |
19 | 3436 | SUMCO | -0.60 | ③高成長期待 |
20 | 6976 | 太陽誘電 | -0.60 | ③高成長期待 |
21 | 8919 | カチタス | -0.56 | ④高ROE |
22 | 3902 | メディカル・データ・ビジョン | -0.56 | ④高ROE |
23 | 6080 | M&Aキャピタルパートナーズ | -0.54 | ④高ROE |
24 | 7453 | 良品計画 | -0.52 | ①円高メリット |
25 | 4970 | 東洋合成工業 | -0.49 | ③高成長期待 |
(注1)HDはホールディングスの略。対象はREITを除く(野村アナリストカバー銘柄。レーティングが保留の銘柄は除外している。対米ドル円ベータ値の下位25銘柄を記載。全ての銘柄をグループ化しているわけではない。
(注2)各ベータ値は、直近60ヵ月(5年)の月末ベースの月間騰落率より算出(修正株価を使用)。米ドル円相場は日銀公表値終値(売り気配)を採用。直近値は2023年12月25日。
(出所)東京証券取引所、日本経済新聞社、日本銀行、野村證券エクイティ・リサーチ部より 野村證券投資情報部作成
円高時に上昇したのは「円高メリットのある企業」だけではない
過去(5年間)、円高米ドル安が進行した際に上昇した銘柄は、概ね下記のようなグループに分けられます。
① 円高メリットグループ
小売・食品など、円高により商品や原材料の仕入コストが低下すると期待される業種
② 円高無関係グループ
ヘルスケア、インターネットサービスなど、為替の影響を受けにくいとされる業種
③ 高成長期待グループ
成長期待の高い(実際に過去の増収率が高い)半導体・電子デバイス関連銘柄
④ 高ROEグループ
内需、外需問わず、ROEが高い銘柄
一般的には、①や②のように、他の業種に比べ、円高米ドル安が業績に好影響(あるいは影響が限定的)であるグループの銘柄が上昇すると考えられがちです。
ただ実際には、円高が業績的には不利に働くことが多い高成長期待銘柄や、ブルーチップ性の高い高ROE銘柄も数多く名を連ねています。
ランキングの詳細は、以下の記事をご覧ください。
【銘柄特集】円高時に上昇した銘柄は?対米ドル円ベータランキング(FINTOS!)
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