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2018.07.26 NEW

「原因」と「結果」の法則―人生を主体的に生きるため読んでおきたい古典的一冊

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変化の激しい時代に、状況に翻弄されず歩んでいくのに必要な視座を養うために、いま改めて読んでおきたい一冊。

テクノロジーの発達やグローバリゼーションなどを要因として、私たちを取り巻くビジネス環境は目まぐるしく変化し続け、そのスピードは加速するばかり。
そうした状況にあっては、「常に最新の情報をフォローし続けていくことの重要性」が強調されがちだが、変化が激しい時代だからこそ、古くから継承されてきた叡智や、変わることのない価値観に触れることもまた、大事なことだろう。
なぜか? 優れた「古典」は、時代の変化に左右されない物事の本質や、それを見抜くための視座、あるいはマインドセットを私たちに教えてくれるからだ。そして、そこから得た骨太な知識・知恵は、確実にビジネスや人生の視野を広げてくれるはずだ。

その点からすると、本書『原因と結果の法則』は、ビジネス書における「古典」としてぜひ読んでおきたい一冊だ。

英国人作家ジェームズ・アレンが1902年に著した本書は、デール・カーネギー(主著に『人を動かす』など)やナポレオン・ヒル(主著に『思考は現実化する』など)といったそうそうたる人物が多大な影響を受けた、「現代成功哲学の源流」とも言うべき一冊。
1世紀以上に渡って世界中で読まれ続け、一説には「聖書に次ぐベストセラー」とさえ言われている。

では、時を超え、国境を超え、現在進行形で数多の人を惹きつけてやまないその魅力はどこにあるのか。そのエッセンスを手短にたどっていきたい。

人は「環境の産物」ではなく、「環境の設計者」である

根幹をなすメッセージは、きわめてシンプル。それは、「自分をとりまく環境という“結果”は、自分の思いという“原因”が作り出したものである」ということだ。

つまり、自分の身の周りに起こる出来事や、育まれた人間関係といった環境は自分の思いこそが生み出したもの、引き寄せたものであり、決してその逆ではない、というのが本書の主張。

自分という存在は、環境からつくられた「環境の産物」などではなく、「心と思いから環境を作り出せる存在」であると認識することで、人ははじめて「環境と運命の設計者」として人生を主体的に生きられる――。その「真実」に気づき、多くの人が「自分の人生の創り手」として生きてもらいたいというのが、アレンの願いであり本書が著された目的なのだ。

「原因」によって生み出される「結果」。その因果関係には偶然性が存在しないということも、本書の重要な主張の一つである。「良い心は良い実を結び、悪い心は悪い実を結ぶ」のであり、それは「トウモロコシからトウモロコシが生まれる」ことと同様に、単純明解な必然なのだという。

さらに、良い結果、すなわち成功の背後には、必ず良い思い・努力が存在しており、そこに一切の偶然性が介在する余地はないとアレンは説く。

成功者を前にすると、とかく「結果」に目を奪われがちになる。しかし、その背後にある「原因」を見ることなく、「あの人は運が良かった」「たまたま成功しただけに過ぎない」といった言葉で片付けるのは、不注意で無知な怠け心を持つ者のふるまいにほかならないのだ。

夢と目標を明確に区別し、目標達成のために思いを集中するべき

「すべての結果は、思いという原因が作り出す」「原因と結果の因果関係には偶然性が存在しない」などと聞くと、つい「思い続ければ、きっと思いは叶う」という言葉を思い浮かべてしまうが、アレンが言わんとしているのはそうした美辞麗句の類いではない。

本書の言葉を借りるなら、「自分の思いを、はかない夢物語やあこがれ、妄想などの上に漂わせたりするのではなく、その目標に集中して向け、意欲的に達成をめざすべき」というのがアレンの考え方。
夢と目標を明確に区別し、自分にとって価値のある目標の達成を目指して「思い」を集中することが良い結果につながっていく、というわけだ。

自分の失敗や不遇を外部的な環境のせいにするのではなく、自分自身に原因があると考え、絶えざる自己改善の努力を続けていくこと。
偶然という観点を排して、自分の失敗や他人の成功の背後にある要因を冷静な視点から洞察するマインドセットを培うこと。
そして何より、「どうありたいか」というビジョンを持ちながら自分の人生を主体的に生きていくこと。それは、いかなる時代や状況においても重要なことだろう。

本書の教えは“シンプル”ではあるが、決して“簡単”なことではない。激動の時代の長い旅路の伴侶として常に傍に置き、折あるごとに読み返したい一冊だ。

「原因」と「結果」の法則のイメージ

■書籍情報

書籍名:「原因」と「結果」の法則

著者 :ジェームズ・アレン(James Allen)
1864年、英国生まれ。父親の事業の破綻と死から15歳で学校を退学。以後、さまざまな仕事に就きながら独自に勉強を続け、38歳で執筆活動に専念する。作家としてのキャリアは他界した1912年までの9年間と短いが、執筆された19冊の著書は世界中で愛読されている。中でも1902年に書かれた本書『AS A MAN THINKETH』は、現代成功哲学の祖として知られるデール・カーネギー、アール・ナイチンゲールなどに強い影響を与えた。いまなお自己啓発のバイブルとして、世界中で読まれ続けている。

訳者 :坂本 貢一(さかもと こういち)
東京理科大学理学部卒業。製薬会社勤務、米国留学、薬局チェーン経営を経て、90年より企業の国際事業部に所属し翻訳活動を始める。97年よりフリーの翻訳家、ライターとして活動。訳書に『魂との対話』(小社)『十二番目の天使』『ライオンの隠れ家』『今すぐ人生を変える簡単な六つの方法』(以上求龍堂)『あなたに成功をもたらす人生の選択』『人生がばら色に変わる50の言葉』『子どもはみな前世を語る』(以上PHP研究所)『考えるヒント 生きるヒント1~4』『アンデスの封印』『神々の予言』(以上ごま書房)『生きる不安への答え』(飛鳥新社)など多数。著書に『秋山眞人の優しい宇宙人』(求龍堂)がある。茨城県桜川村在住。

※著者及び訳者のプロフィールについては、この書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。

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