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2017.11.09 NEW 境界線の越えかた

ビジネスリーダーインタビュー Vol.3
「他人がやらないことにこそ「おもしろさ」と達成感がある」佐山展生

ビジネスリーダーインタビュー Vol.3「他人がやらないことにこそ「おもしろさ」と達成感がある」佐山展生のイメージ

最前線で活躍するビジネスリーダーは、これまでどのような挑戦や失敗を経験してきたのか。ビジネスリーダーへのインタビューから、人生や仕事を楽しむためのヒントを探っていく。
連載第3回に登場するのは、インテグラル株式会社代表取締役、スカイマーク株式会社代表取締役会長、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、京都大学経営管理大学院客員教授という4つの肩書を持つ佐山展生氏。
今回は、ビジネスを含めた人生の先輩である佐山氏への質問を20~30代の読者から募集し、社会で誰しもがぶつかる「壁」を越える術、モチベーションを保ち続ける秘訣などについて聞いた。佐山氏の豊富な経験からは、一体どんな「解」が導き出されるのか。キャリアに関するユーザーアンケートの結果とともに見ていこう。

※文中のアンケートはNewsPicksにて9月29日~10月2日に実施。有効回答数:20~30代の男女247人。

会社人間だった20代から、一転して「自分で決める」人生へ

実は、私は30歳で大人になったんです。
12歳から野球をやってきて、ずっと監督の指示の通り、決まったことをきちんとやるよう教え込まれてきました。だから、社会人になっても、上から言われたことをきっちりこなす人間だった。
20代の自分は、「サラリーマン・オブ・ザ・イヤー」という賞があったら間違いなくノミネートされたと思います。

そんな「会社人間」だった私が変わったのは、優秀だったり実績を積んだからといって、必ずしも社長になれるわけではないと気づいたから。努力が必ず報われるわけでもない。会社はそういうところだと、いろいろな経験を通して30歳でやっと気づいたのです。

最初に就職した帝人はとてもよい会社でしたが、辞めることにしました。
でも、今考えるとよく思い切りましたね。安定した大企業で、いい会社でしたし、当時は「転職」そのものがありえなかった。「迷ったら面白そうなほうを選ぶ」を続けて、今の私がありますが、あの選択は間違いなくその最初の一歩でした。

佐山展生のイメージ

そんなわけで、30代は私にとって「人から言われたことをやる」から、「誰にも相談しないで自分で決める」、そういう世界へ変わった年でもあります。1980年代生まれのみなさんは、時代は変われど、あの頃の私と同じ悩みを抱いているのではないでしょうか。

これから、みなさんからの質問にお答えしていきます。すべてが「最適解」ではないかもしれませんが、ひとつ言えるのは「私はこれまでの自分の人生に悔いがない」ということです。

面白さとリスクとは裏表の存在

Q.自分がどんな仕事に興味があるかつかめずに、モヤモヤしています。「面白そうなこと」をし続けてきた佐山さんの、ワクワク感に対する感度の磨き方を教えてください。

まずは動くことですね。当時はインターネットなんてなかったから、自分が動くしかなかった。でも、そうすることでいろいろなものと出会い、心が動かされる経験をしました。感度を磨くためには、とにかく動いて「面白そう」なことがないか探すことだと思います。

Q1.キャリアアップにつながるならば転職は積極的に行いたいと思いますか。

私は、みんながやっていることは面白くないと思う人間です。だから、自分に響くものは、成功させるのが難しいと予想されるものばかりでした。

転職したときも、「安定した会社を辞めて、銀行でゼロからスタートなんて、あほちゃうか」とみんな思っていたと思います。でも、みんなができることはできて当たり前で、ファイトが湧かないから、私の人生はそういうことの連続なんです。
面白さとリスクとは裏表の存在ですが、そのぶん、成し遂げたときの達成感は格別です。

Q2.転職よりも、起業をしたいと思いますか。

とはいえ、リスクがある挑戦は、自信がないとなかなかできません。会社を辞めるときも、その後司法試験に挑戦すると決めたときも、私は「できるのではないか」という程度の自信はありました。
時には実体のない自信だったと思いますが、自分を信じる力が私を後押ししてくれたのはたしかです。しかし、それ以上に、難しい挑戦に成功したら面白いという気持ちが強かったですね。

Q.ビジネスにおける現在の自分の市場価値はどのぐらいなのか、知る方法はありますか。

足元の価値を知りたいなら人材のエージェントに行くことです。ちなみに、銀行を辞めようと思ったとき、エージェントに希望年収を「3000万円」と書いたら、1件も話が来ませんでした。自分ではそのぐらいの市場価値はあると思っていたんですが(笑)。

先ほどの「自信」という話ともつながりますが、結局のところ、本当の市場価値は自分で感じるしかないんです。エージェントは、今の価値はわかっても、これから先の未来の私の価値はわからないからです。
面白いことに突っ込んでいれば、自分の価値はちょっと遅れて身についてくるのだと思います。

Q3.就職の際には安定的な大企業を選びたいと思いますか。

10年後を想像すれば、今の自分の可能性に気づける

Q.30代に突入することへの不安をどうすればいいでしょうか。

10年後を考えたら、答えは簡単です。

もしあなたが29歳なら、10年後の39歳の世界をイメージしてください。別世界ですよ。そこから自分を見たら、ものすごく若い。いくつになっても、10年後の自分から見たら、今の自分はめちゃくちゃ可能性がある。それに気がついたら、もう何歳だなんて言っている暇はありません。

私は司法試験の勉強をしたのが30歳、ニューヨークで大学に通ったのは38歳で、それぞれ最初は「この年で……」と思いました。でも、10年後に今を振り返ったら絶対に「あのときやっておけばよかった」と思うはずだということに気づきました。
迷ったら、10年後の自分から見ること。その姿勢を忘れなければ、突っ込む元気が出てきます。

Q.20~30代でやっておけばよかったと思うことはありますか。

以前、東工大の大学院生から「人生をやり直すとしたら」と聞かれたことがありますが、少し考えて「同じ道を歩みます」と答えました。悔やむことはしてこなかったからです。

でも、ひとつのことに集中するスパンは短くしてもよかったかもしれません。特に意識はしていませんでしたが、私はこれまで大体11年スパンでひとつのことをやってきました。でも、今度生まれ変わったら8年スパンでも十分なような気がします。

ビジネスを含め、ひとつのことをひと通り経験するのに8年程度は必要ですが、スパンを短くすることによって、さらに他のことに挑戦できます。

Q4.会社の人間関係よりも社外の人間関係を大切にしたいと思いますか。

唯一やり直したいのは大学です。中途半端にしか野球をしなかったので、ゴルフをやっておけばよかったなと(笑)。

余談ですが、最近の20~30代にはゴルフをする人が少ないですね。経営者を志望するなら、ゴルフは絶対やっておくべきだと思います。

私は、マラソン、野球、テニスなどもしてきましたが、ゴルフは「多少の実力差があっても」「誰とでも」「少人数で」できるというメリットがあります。
そして、一緒にプレーすると、1ホールでその人の人となりが見えてくる。多忙な経営者の方々と仕事でアポを取り付けるのは大変ですが、ゴルフで親交を深めれば、電話一本で相談できる関係になれます。

面白いことなら頑張れる、努力すれば力がつく

Q.佐山さんが今30歳だったら、何をしたいですか? どんなキャリア形成をしますか。

とにかく、面白そうなことを探します。

私は元々コンピューターが好きなので、今の時代ならプログラミングにハマるでしょうね。
でも、みんなが作っているようなゲームは作らないと思います。新しいこと以外には興味ないから、まだ注目されてないものを探します。ややこしくて、みんながやらないようなものに燃えるんです。

Q5.仕事は収入の多さよりも、やりがいだと思いますか。

面白いことを追求すると、大変なことも多い。でも、人生は自分次第でいくらでもシナリオを変えられる「自作自演のドラマ」です。この言葉は私が30代のときに思いつきました。

仕事も給料の額よりも「面白そうかどうか」で決めるべきだと思います。人間は、面白いと感じたことなら一生懸命やります。そうやって努力すれば、力がつく。その道でトップになれるかもしれないチャンスを、目先の給料なんかのために逃さないことです。
お金は取り戻せますが、時間は取り戻せません。

安定して、リスクを取りたくないという人の生き方を否定はしません。でも、もし私の生き方に共感してくれるなら、目先のお金に惑わされず、面白いと感じる方向に向かって動き出してください。

今の時代、転職も起業も私たちの時代に比べて容易です。簡単な道ではありませんが、「やる気さえあればできる」環境が整っています。
繰り返しになりますが、私はこれまでの自分の人生に後悔がありません。誰になんと言われようと、「面白そう」を追求してきたからです。みなさんにも、面白くてエキサイティングな人生を送ってもらいたいと思います。頑張ってください。

佐山 展生(さやま のぶお)
1953年、京都府生まれ。72年、洛星高校卒業、76年、京都大学工学部卒業。94年、ニューヨーク大学大学院(MBA)、99年、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程終了〔博士(学術)〕。76年、帝人、87年、三井銀行(現三井住友銀行)を経て、98年、ユニゾン・キャピタル、2004年、GCA、07年、インテグラルを共同設立。現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、京都大学経営管理大学院客員教授などを兼務。

(制作 NewsPicks Brand Design 編集:大高志帆 構成:相川いずみ 撮影:加藤ゆき)

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