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【読書術特集:後編】書評サイトHONZ代表の成毛眞氏流、「本の読み方・選び方」

【読書術特集:後編】書評サイトHONZ代表の成毛眞氏流、「本の読み方・選び方」のイメージ

「“好き”を極めるうえで、手軽なのが読書」と話す、元マイクロソフト日本法人社長で書評サイトHONZ代表の成毛氏がオススメする「本の読み方」

前編では、雑談力や読解力とともにビジネスパーソンに求められるスキルである「情報インプット力」、中でも「読書力」について紹介した。読書力というと、ネット情報に溺れないための羅針盤としての効用を説く人が多いが、そうした正論とは一線を画し、「好きなことを極めるうえで、手軽なのが読書」と話すのが、元マイクロソフト日本法人社長で書評サイト「HONZ」代表の成毛眞さんである。後編では成毛流の読書術について聞いてみた。

成毛さんが挙げる「読書術のポイント」は以下の5つ。

  1. ベストセラーは読まない

  2. 選ぶのに時間をかけない

  3. つまらなかったら、途中で見切る

  4. 本棚は8つに分けて整理

  5. テーマによって、紙の書籍と電子書籍を使い分ける

それぞれの詳細は以下の通りだ。

《成毛流読書術》

  1. ベストセラーは読まない

    普段さほど読書に時間を投じていない人が、「できるビジネスパーソンになるために読書をしよう」などと意気込むと、世間で話題の本、すなわちベストセラーに手を伸ばしてしまいがちだ。
    しかし、「月に数冊ベストセラーを読むというパターンが、いちばん質が悪い」と成毛さん。「みんなが読んでいる本を追いかけて読み 、その本の価値観や思想を鵜呑みにして、さも自分が考えたことのように錯覚してしまう人は、一生 “庶民 ”から抜け出せない」と手厳しい。

    成毛さん自身、35歳にしてマイクロソフト日本法人の社長になったが、それは「徹底して他の人が送るような生活をしなかったり 、他の人と同じような場所に行かなかったりしたのと同様、他の人と同じような本を読まなかったから」だと振り返る。
    本はある特定のテーマについて理解し、深く考えるために有効な手段。そのテーマがニッチであればあるほど、他のビジネスパーソンとの差別化を図れる。それなのに、「みんなが読んでいるテーマばかり気にしていては元も子もない」というのが成毛さんの考え方。忙しい中、貴重な時間を読書に投じる以上、なるべく「自分が読みたい」本をこだわって見つけ出したいものだ。

  2. 選ぶのに時間をかけない

    では、どうやって自分のこだわりの本を見つけ出すか。成毛さんは本を選ぶとき、「1冊にかける時間は5分以内と決めている」と話す。それでも書店で5~6冊立ち読みすると30分ほどを要する。数ある本の中から“一期一会”の機会を逃さないためには、最初に読むべきかを審査する「立ち読み」の作業をなるべく効率化するのが望ましいというわけだ。

    立ち読みの際、まずチェックするべきは本のタイトルと帯のキャッチコピー。「タイトルやキャッチコピーが面白そうで目にとまったら、目次にざっと目を通す」とか。立ち読みを習慣化すれば、目次を読むだけで本の概要をつかめるようになるもの。目次を読んで「もっと内容を読みたい」と感じたら、自分の関心のアンテナが反応している証拠。それが“こだわりの本”と出合う第一歩になる。

  3. つまらなかったら、途中で見切る

    “こだわりの本”に出合えたと思っても、いざ読み進めると、想像していた内容と違い、正直面白く感じない――。残念ながら、読書にはそうした「はずれ」のケースもよくある。ただし、現状で「はずれ」だと思えた本が、未来永劫「はずれ」とは限らないということも覚えておいてほしい。
    読書には“タイミング”があるからだ。人生のある時点では関心の乏しい内容が、別の時点では自身の境遇と密接なテーマになることも珍しくない。一度でも立ち読みで自分のアンテナに引っかかった本であればなおさら。その時は「はずれ」と感じても、数年後に“ハマる”タイミングが訪れる可能性は十分にある。

    成毛さんはそんな読書の特徴について、「ドラマと同じ。ドラマ好きの人ほど、初回を観て2回目以降を観るかを判断する。だから初回は視聴率が高くても、2回目以降は選ばれるため、視聴率が下がっていく」と指摘する。

    そこで成毛さんが勧めるのが「並列読書」である。1冊の本を読み進めて、「今読むべき本ではない」と判断しても、他の本も同時に読み進めていれば、すぐにそちらの読書に移ればいい。肝心なのは自分の興味を深堀すること。無理に辛抱して1冊の本を読み切ったとしても、肝心の自分の関心領域が広がっていなければ、“単なる時間の無駄”に終わってしまうだろう。

  4. 本棚を8つに分けて整理

    「並列読書」するうえで必要になるのが、本を整理する本棚だ。成毛さんがすすめる本棚は、「縦に4段、横に2列、最低でも8つの仕切りがあるもの」だという。
    仕切りを設けるのは、当然、蔵書をジャンル分けするため。ジャンルの区分けは自由だが、「ビジネスパーソンとして最低限、『サイエンス』『歴史』『経済』の三つの区分けは作るべき」と成毛さん。「本棚にもルールがある」というのが成毛流読書術のモットーで、ジャンル分けには、「本を選ぶ際、自身の本棚のジャンルを想定しながら選ぶことで、“次に読む本”の選定をしやすくなる」という利点もあるそうだ。

  5. テーマによって紙の書籍と電子書籍を使い分ける

    最近では紙の本に加え、電子書籍のラインナップも増えてきたが、成毛さんは「ノンフィクションは紙の書籍をすすめる」と話す。「紙の本のほうがどこに何が書いてあったかを探しやすいため、ページを前後行き来しながら読むノンフィクションには合っている」からだ。成毛さんはノンフィクションの書評を書く機会も多いが、その際には必ず紙の本を読むようにしているという。

    一方、「ミステリー小説は電子書籍がいい」とも。 「電子書籍のほうがサクサク読めるし、途中で結末が気になっても、紙の本のように、つい最後のページをめくって内容を知ってしまうことが起きにくいんです」 ただし、これはあくまで成毛流の紙と電子の使い分け。何冊か試してみて、自分に合った読み方を見つければそれでいい。

以上、後編では数ある成毛流読書術の中から、エルボルデ世代がすぐに取り入れやすい方法を5つ紹介した。本の読み方には正解はないが、効率よく読書を行うために、ぜひ参考にしてほしい。

監修:成毛 眞(なるけ まこと)

書評サイト「HONZ」代表。1955年北海道生まれ。中央大学商学部卒業。アスキーなどを経て1986年にマイクロソフト株式会社入社。1991年よりマイクロソフト代表取締役社長。2000年に退社後、同年5月に投資コンサルティング会社インスパイアを設立。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。『黄金のアウトプット術: インプットした情報を「お金」に変える』(ポプラ社)がある。

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