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【メタ認知特集:前編】今話題の“メタ認知”。仕事に活かせる3つの理由とは?

【メタ認知特集:前編】今話題の“メタ認知”。仕事に活かせる3つの理由とは?のイメージ

仕事力向上に効果的と評され注目を浴びている「メタ認知能力」。どんな能力でなぜ仕事力が高まるのか? 心理学者によると、3つの効用があるという。

「メタ認知能力」があると、問題解決に向けて踏み出せる

「あの上司は、自分にだけ厳しい。きっと嫌われているに違いない」
「営業先の担当者に信頼されない。お調子者だと思われているのかも」

人からの反応や対応が自分の意図と反していると、どうしても「自分の努力が正当に評価されていないのかも」「空回りしているのかも」といったモヤモヤを抱えてしまいがちだ。
そして、そうしたモヤモヤを抱えたままでいると、仕事に対するモチベーションも下がる一方…。

では、状況を好転させ、モヤモヤを解消するにはどうすればいいのか。相手に「自分の何がいけないのか」を直接聞いてみる? それも一つの手なのだが、そうした行動は時と場合と相手によっては、“短絡的”ともとられかねない。まずは、自分自身の視点や考え方が正しかったのかを検証し、改善することからはじめてみてはいかがだろう。

最近注目度が高まっている「メタ認知」は、そんなときにこそ役に立つ手法の一つだ。

メタ認知とは、簡単にいうと「認知を認知する」ことで、“高次(メタ)”なレベル、つまり客観的な視点で、知覚・情動・記憶・思考などの認知活動を“認知”する行為を指す。そして、この能力が高い人ほど、仕事や勉強の能力が高くなるそうだ。

たとえば、冒頭のようなケースの場合、メタ認知能力があると、次のように冷静に自分を分析し、問題解決に向けて踏み出せるようになるのが特徴だ。

(メタ認知能力が低い場合)「あの上司は、自分にだけ厳しい。きっと嫌われているに違いない」
(メタ認知能力が高い場合)「あの上司は、自分に厳しい面がある。きっと、今日の自分の伝え方が、論理的ではなかったのが原因なのかもしれない。これからは、もっと論理的に伝えよう」

(メタ認知能力が低い場合)「営業先の担当者に信頼されない。お調子者だと思われているのかも」
(メタ認知能力が高い場合)「営業先の担当者に、お調子者だと思われ信頼が獲得できていない面がある。ポジティブな印象を与えるために、明るく振る舞いすぎているのが原因なのかもしれない。次は、もっと自然に話してみよう」

このように、メタ認知能力が高い人は、自分の現状を振り返り、どこを改善すればいいか理解し、それに向けて踏み出せるようになる。人の力を借りずとも、自分自身を成長させることができるのだ。

ネガティブ思考にも効果的な「メタ認知」

自己理解を専門に研究する心理学博士の榎本博明さんによると、メタ認知には相手の反応や対応について振り返り、改善策を見つけられるようになるだけではなく、「自分の欠点自体をプラスに解釈できるようになる」という効用もあるという。

榎本さんいわく、「メタ認知能力が高い人は、自分の後ろに常にモニターカメラを置き、モニターに映し出された自分の言動を捉え、その言動に至った思考プロセスを冷静に判断する力がある」とのこと。
冒頭の例のように、メタ認知能力が低いと非生産的な感情だけの反応に終始しがちだが、メタ認知能力が高いと自己改善や自己成長に向けて前向きに物事を受け止めることができる。人間関係のトラブルを「上司に嫌われている」と感情的になっても、何も良いことはない。メタ認知能力を高めれば、モニターカメラで映し出した事実をもとに、なぜこの現象が起きたのかを、自分の言動を振り返って解釈できるという。

この「振り返って解釈する能力」、つまりメタ認知能力は、自分の欠点をプラスの力に変えるうえでも非常に役立つ。
たとえば、「今のは、ネガティブ思考だったな」という考え方。誰もが一度はそんな内省をしたことがあるだろうが、その際、メタ認知能力が低い人は、「ネガティブな自分は、なんて価値のない人間なんだろう」と、さらにネガティブな考えに突き進んでしまう。

一方、メタ認知能力の高い人は、高次な視点で自分の認知行動を振り返ることができるため、次のようなプラスの解釈を導き出せる。
「なぜ、自分はネガティブになってしまうのだろう」
「それはきっと不安感が強いためだ」
「不安が強すぎて、ネガティブになってしまうことがある。けれども、その不安を埋めるために、必死に努力できることもある」
「不安が強いことの効用もあるのかもしれない」
「そういえば、この間のプレゼン資料も、完成度が高いと上司に褒められた」
「あの時は、不安を克服するために、早めにまわりに相談したり、資料集めをしたり。不安をカンフル剤に頑張ったおかげなのかも」
「ネガティブなことがすべて悪いわけではないな」

と、こんなふうに自分の中に潜む「ネガティブ思考」を肯定的に捉えられるようになれば、自己嫌悪に苛まれていた時間を減らすことにもつながるわけだ。

ビジネスに役立つメタ認知の3つの効用

榎本さんによると、メタ認知の効用は前述の通り。

  1. 相手の反応や対応を踏まえた、良好なコミュニケーションを築ける
  2. 自分自身を客観視できるため、長所を高めたり、短所を克服したりできる
  3. 自分の言動を日々振り返るクセがつくため、思考力が培われる

他者の反応に応じて、自分の言動を変えていったり、いろんな人の立場に立って、自分自身を見つめ直したり。こういったプロセスを積むことで、思考力だけではなく、多様な物の見方ができ、物事を柔軟に受け止められるようになってくるのだ。

現代の社会は“不確実性が高い社会”だと言われている。そんな環境下だからこそ、メタ認知能力を高めて、物事に柔軟に対処していく力がより求められるようになるはず。後編では、メタ認知能力を高める方法について、引き続き、榎本さんに伺っていく。

監修:榎本 博明(えのもと ひろあき)

心理学博士。1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。代表作に、今回のテーマに関連する著書『かかわると面倒くさい人』や、近著『ビジネス心理学 100本ノック』(共に日経新聞出版社)がある。

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